古い車のメンテナンス
古い車に長く乗るための、重要な日常点検3つ
車の点検といっても、何を点検するべきか謎だし、何より面倒なのはムリ……という人が多いが、「そうは言っても、見た方がいい」特に重要な点検項目を3つピックアップ。古い車に乗る人だけでなく、新しめの車だとしても知っておいた方がいい。
言い出したらキリがないので、特に重要な車の点検項目を3つ挙げると…
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今日はちょっとマジメな話題です。まあ、いつもマジメなんですけどね。
●レポーター:イルミちゃん
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年式の古い車をベースにドレスアップ&カスタムしている場合の、日常点検についてお話しておきましょう。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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車検以外のタイミングで、「点検」なんてやったことないけど。
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そう言う人は多いですけど、教習所で運行前点検って習ったでしょう?
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……エンジンルームにネコがいないかどうか?
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……今日したい話は、エンジンオイルをチェックするとか、そういうやつです。
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あー、そっちね。
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まあ、毎日やってね、とは言いませんが、古い車に乗っている人にとっては、いくつか重要な点検項目があります。
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ふむ。
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日常的に気を遣ってほしいのは、エンジンオイルと、ラジエーターの冷却水(クーラント)がちゃんと入っているか。それとタイヤの空気圧です。
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なるほど、その3つが特に重要メンテ項目ですね。
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オイル・水・空気ぐらいは、自分ですぐ見られますしね。
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しかし、それを言うなら、ブレーキオイルとかは? 見なくていいのでしょうか?
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もちろん、細かく言い出したら、他にもいろいろあるけど、それを全部日常点検で見るかと言ったら……
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……見ないでしょうね。
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でしょ? それに、ブレーキオイルの場合は、ブレーキオイルが減るのではなくて、パッドが減ったらブレーキオイルの油面が下がるだけだから補充する必要もないし。
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でも、漏れれば話は別でしょう?
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それはそうだけど、ブレーキオイルの漏れは、軽自動車のリアのドラムブレーキなどを別にすれば、そんなには起こりません。基本的に警告灯も付いているし。
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……なるほど。
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そこいくと、エンジンオイルは車が古くなると漏れや滲みも定番です。
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でも、警告灯が付いているのは同じですよね?
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そうだけど、エンジンオイルの場合はちょっと事情が違います。
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む?
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エンジンオイルのチェックランプが点灯するような事態になると、その時点で、もうかなり良くない状況です。車をつぶす可能性が高いです。
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……うぐ。そういう意味で、日常点検項目に挙げているのか。
点検といっても何を点検するべきか?
タイヤの空気圧チェックと、リザーバータンクの冷却水(クーラント)を目視!
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日常的な点検とかメンテナンスといっても、なかなか出来ない人が多いとは思うんですが……
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ウンウン。
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しかし、誰でもガソリンスタンドには行きますよね。
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そりゃそうだ。
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最低でも月に1、2回は行くと思うんですよ、ガソリンスタンドって。
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ふむ。
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ドレスアップして扁平タイヤを履いているなら、そのタイミングでタイヤの空気圧チェックをしてほしいんです。
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ガソリン補給とセットレベル……か。
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最低でも、月1回は見てほしいですから。
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なるほど。
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もともとショップで高めの空気圧を入れてもらっている人が多いと思いますが、それをキープしないと扁平タイヤは危ないので。
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まあ、そもそも空気圧が重要なのはノーマル車でも同じですもんね。
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このときにボンネットを開けて、ラジエーターのリザーバータンクに水が入っているかどうか……は、数秒の手間でできる点検ですよね。
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このチェックは、何のためにやっているかと言うと……
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年式の古い車は、クーラント(冷却水)の漏れでオーバーヒートを起こすトラブルがあるからです。
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リザーバータンクに冷却水が入っているかどうかを日常的に見るのは、漏れが起こったときに、気づけるようにするためです。
エンジンオイルをマメに交換していれば、結果的にオイル漏れも起こりにくい
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ただ、エンジンオイルに関しては、ガソリンスタンドでついでに見てね、とは言いません。
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それはなぜ?
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…と言うことは、文字通り「運行前点検」でやるしかないってことになりますね。
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そうですね。
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それって、結局やらないパターンになるような。
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ただ、エンジンオイルについては、日常的に量をチェックするというよりも、マメに交換することが重要。
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点検というより、エンジンオイル交換ってこと?
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そうです。例えば車検のときにしかオイル交換しないような車だと、7~8割方、タペットカバーの周りからオイルが滲んでいたりする。
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でも、それってオイル交換しても回避できないでしょう?
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古い車になると、シール(パッキン)がヘタってくるから漏れる、というのもありますが、それだけが理由ではありません。
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と言うと?
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エンジンオイルが劣化すると、冷却性能が下がって発熱しやすくなり、密閉性も下がりますから、ヘタったシールから漏れてくるのは当然の流れです。
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そういうことか~。
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事実、オイル管理をちゃんとしている車は、古くなってもオイル漏れは起こりにくい。
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そこ関係あるんですねェ。
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ありますよ。エンジンオイルの役割は、「潤滑」だけじゃないからね。
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「潤滑油」としか思ってなかった。
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そういう人が多いですけど、エンジン内の「冷却」とか「密閉性」にも関わっているんです。
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オイル交換しないと、そういう性能が下がるんだ。
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エンジンオイルが劣化した状態のままだと、オイル漏れや滲みといったトラブルにもつながってきます。
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では、岡田研究員が推奨する交換サイクルは?
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古い車の場合は、3ヶ月または3000キロで交換するのが望ましいです。限界で、半年または5000キロですね。
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乗らなくても、時間が経過したら交換……ですね。
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ハイ。走ってなくても半年に1回は変えた方がいいですよ。それを超えてくると、オイルとしての性能はなくなってくるので。
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マメなオイル交換と、水漏れ警戒……これが古い車に長く乗る秘訣です。
車が動き出す前に見ないと、正確な量を測れないからです。エンジンが冷えている状態で見るのが基本
DIY Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンはドレスアップ専門中古車店。車購入後のドレスアップ依頼もプロショップ並にこなすうえに、トラブル対応にめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
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