古い車のメンテナンス
パワステオイル漏れが起きていたら、この漏れ止め剤を試す価値あり
パワステオイルの漏れ止めに使える「漏れ止め剤」のオススメ。この手のケミカル用品の効果はどうなんだろう? と思う人も多いだろうが、古い車のトラブル対応のプロが「何度も助けられている」と証言するアイテム。修理の前にDIYで試せるのもポイントだ。
パワステオイル漏れの原因はどこにある?
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「DIYでもカンタンにできるパワステオイルの交換方法」の続きです。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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パワステオイルは意外とカンタンに交換できることが分かりましたが、漏れて減っている状況だとしたらどうするの? というのが今回の話。
●レポーター:イルミちゃん
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漏れているなら修理しないといけませんよね。
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そういえば、「パワステポンプのオイル漏れ」って、シャルマンが得意な古いセダン系でも定番トラブルでは?
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古いセダン系では定番でしたね。ただ、厳密にはポンプ本体から漏れるケースは少なくて、高圧ホースがつながっている部分など、高負荷のかかるところから漏れるケースが多いです。
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そうなんだ。
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もちろんポンプから漏れることもありますが、だいたいはホースのジョイント部分などから漏れてくる。
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フムフム。
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ちなみにパワステオイルが漏れて、量が減ってエアを噛むところまでいってしまうと、ポンプ本体にも負担がかかりますけど。
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連鎖もコワイ。
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ということで普通なら漏れている箇所を修理しますが……部品交換修理の前に、漏れ止め剤を入れてみる、という手もあります。
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漏れ止め剤……?
なにソレ?
タンクのLOWレベルも大きく割り込んでいけば、そのうちオイルの出入り口より油面が下がって、そこから空気が入ることになる。
パワステオイルの漏れ止め剤はあなどれない効果
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パワステオイルの漏れ止め剤としては、ワコーズのパワーシールドがオススメです。これは本当に効きますよ。
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これ、どうやって使うの?
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カンタンです。パワステオイルの代わりに、この漏れ止め剤を入れるんです。
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……パワステオイルのタンクに、補充代わりに入れるってこと?
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そうですね。ただ、それだと僅かな量しか入らない場合、ベストなやり方は、タンクのパワステオイルをいったんスポイトなどで吸い取ります。
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そのうえでパワーシールドを入れたほうが入れ替わる量が増えるので、効きやすい。なお、メーカー推奨でいうと「対象オイル全量に対して5%添加」となっていますね。
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……しかし、液体が漏れている状況で、液体が漏れを止めるなんて不思議ですねぇ?
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そう思うかも知れないけど、これを繰り返しているうちに、よほどじゃなければ、漏れが止まります。
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血小板(けっしょうばん)が血を止める、みたいなカンジかー。
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あ、そうそうそう。
そんなカンジ。 -
ホントかよ。
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もう少し理屈を言うと、内部で劣化しているオイルシールなどをふやかして機能を回復させる、みたいな効果のようですね。
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シールの密閉性を復活させる感じ。
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詳しいことは、ワコーズの公式サイトでチェックしてください。
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岡田研究員がこういうケミカルをオススメするのって珍しい気がしますが……
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他の漏れ止め剤のことは知りませんが、このワコーズのは何度も試して、効くのを実感していますからね。CMではありません。
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シャルマンは古いセダンにこだわりがある中古車屋だから、「パワステオイルの漏れ」に遭遇するのは珍しくなさそうだし。
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まあ、世代でいうと10セルシオ、20セルシオの頃はよくあるトラブルでした。30セルシオ世代になるとあまりないけど、それでも走行距離が多くなるとたまにある。
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では前から、ワコーズの漏れ防止剤を使っていたんだ。
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何度も助けられていますよ。お客さんが「パワステの異音がする」と相談してきたときも、これでたいがいは直っています。部品交換まではいかない車がほとんど。
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へぇ~。
それはスゴイ。 -
ごく僅かな漏れや滲みで、数年かけて減ってきているようなケースなら、高い確率で漏れ止まります。
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それでも漏れが止まらなければ修理?
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そうなりますね。例えばホースが裂けているとか、そういう物理的な外傷があるなら、漏れ止め剤では無理ですからね。
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そりゃそうだ。
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ただ、僕の考え方として、高い修理代をかけなくても直る可能性があるなら、まずはそちらを先に試すほうがいいかなと思って、それでオススメしているんです。
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前回の記事を参考に、DIYでも試せますね。
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もちろん、根本的に直すなら、修理するに越したことはないですけどね。
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パワステオイル漏れの修理をするとしたら、いくら位かかるんだろう?
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修理代は、車種や壊れている場所にもよります。例えば20セルシオで多かったのは高圧ホースからの漏れ。ホース自体を交換したら元には戻るけど、部品代と工賃で4~5万円はかかったりしますよ。
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それでもまだ部品があるだけマシと言えるかな。いよいよ古い車となったら、修理部品がないことも珍しくないし。
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そういう状況で困っているならなおさら、ワコーズのパワーシールドを試す価値ありだと思います。
ワコーズのMPS ミッションパワーシールド。オートマオイル(ATF)やCVTオイル(CVTF)、パワステオイルの漏れ・滲みを止める漏れ止め剤。
DIY Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンは車を買ったお客さんを後悔させないことを第一とする、心ある中古車店。購入時の整備も丁寧だし、古い車のトラブル対応にもめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
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