板金塗装をもっと身近に
サフェーサーを足付けするときに、磨き残しを出さないコツ
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サフェーサーを磨いて足付けするコツを、板金塗装のプロに学ぶ。硬化したサフェーサーは、塗装前に改めて足付けが必要。サフェーサーの足付けがしっかりできているかどうかのチェック方法や、磨き残しが出やすい場所なども押さえておきたい。
硬化したサフェーサーは、塗装前に改めて足付けが必要
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●レポーター:イルミちゃん
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今回はサフェーサーを磨きます。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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まず「なぜサフェーサーを磨くのか」という点をおさらいすると……
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これは塗装前の足付け作業になります。
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ふむ。
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今やっている手順では、サフェーサーを完全に硬化させています。
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一度完全硬化させたサーフェーサーの上から、そのまま塗装しても後から剥がれます。
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生乾きの上から重ね塗りするときとは、違うんですね。
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そうです。改めてサフェーサーの表面をペーパーで磨くことで傷がついて、しっかり塗装が密着する。だから足付けは大切なんです。
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ここで使うサンドペーパーの番手は……
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塗装する前なので荒い目のペーパーは使えません。荒いと塗装後にペーパー目(傷)が残ってしまいますので。
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足付けは表面に傷を付けるのが目的だけど、傷が深すぎてもダメなんですね。
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サフェーサーの後に吹く色にもよりますが、黒のような濃い色でない限りは、800番以上のサンドペーパーで足付けします。
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ここは水研ぎをする場面?
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べつに水研ぎと決まっているわけではなくて、空研ぎの人も水研ぎの人もいると思いますが、僕の場合は水研ぎ派ですね。
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それはなぜ?
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実用的な面でいうと、まず粉が飛びにくい。サフェーサーを足付けするために研磨すると、ちょっと固めの粉が飛ぶんですよ。
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フムフム。
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それが車のボディにも付着するので、足付けが終わったら塗装前に一度洗車しますけど、そもそもあまり飛ばないように作業したいのがひとつ。
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なるほど。
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もうひとつメリットがあって、足付けできている場所と、できていない場所の違いが分かりやすい。
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それって、どう分かるのでしょうか?
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水をかけてみるんです。
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足付けできていないサフェーサー表面は水をはじきますが……
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足付けしたところは表面に傷が付いているので、水がペターっと馴染んで見えます。
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つまり、水をはじく部分はまだ足付けできていないんだ。
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そういうことです。分かりやすい目安になりますよね。
完全硬化させたサフェーサー。
効率良く作業するためにダブルアクションサンダーなども併用するが、800番のペーパーで磨いている点は手磨きと同じ。
サフェーサーの足付けで、磨き残しが出やすい場所
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車の屋根のような平面の多い部分を足付けするなら、なるべくあて板を使ったほうがいいですね。
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手でペーパーを持って磨いていると、指の腹で押している1点に力がかかりすぎて、サフェーサーをえぐってしまいがち。
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せっかく塗ったのに、足付けで剥がしてしまってはね。
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ただ、いっぽうで手作業にもメリットはあります。
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ほう。
どんなメリット? -
手で直接磨くほうが、削っている感はあるんです。板を使っていると全面が当たっている状態なので、やっている感が少ない。
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磨いている感が少ないと、磨き過ぎたりするかも。
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あるいは足付けが足りない、ということになるのが一番問題です。
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確かに。
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手作業のほうが削れている感じがダイレクトに伝わるため「しっかり足付けする」という意味では、有効だったりもします。
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一長一短なのね。
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とはいえまあ、広い面を磨くときは、なるべく板を使うほうが安全策ではあると言えます。
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ふむ。
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それから足付けの注意点としては、細かい部分は足付けがしづらいので塗装が剥がれやすい。これはキャリパー塗装などでも解説しましたが。
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今回はターゲットが車の屋根だから、平面的でよさそうですが……
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とはいえ、屋根のフチの部分、モールのミゾの断面などは、特に注意が必要です。
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屋根の上がしっかり足付けできていたとしても、こういう場所が足付けできていなかったら、けっきょく塗装は剥がれるのです。
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ウーム…。
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塗装は端が一番剥がれやすい。そこを考えると、端の部分の足付けは重要です。
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端の方の細かいところは、手作業にならざるを得ませんねぇ。
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僕の場合、こういうサンドペーパーが当たりにくい場所などは、スコッチブライトも併用します。
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ここで本多研究員が使っているのは、スコッチブライト・ハンドパットの中でも目の細かい「7448」というタイプです。
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この「スコッチブライト7448」は800番相当の極細目らしいので、今のような場面でも最適と言えそうです。
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ただし、それを使ってもなお、足付けしきれない部分は出てくるので、フチに関しては最終的に塗装時にプライマーを吹く前提です。
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足付けだけでは不安が残るのかな。
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フチに関しては、そうですね。
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