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サフェーサーなしで塗装するメリットも……ある?
サフェーサーなしで塗装するメリットはある。それは一体どういうことなのか? メリットがわかった第一段階では「な〜んだ」と思うかもしれないが、いろいろな事情を加味してみると「それならあり」になる話。
サフェーサーあり・なしでは、塗装の手間が全然違う
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「車の屋根の再塗装方法②╱サフェーサーの必要性について」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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車の屋根の再塗装であっても、サフェーサーを吹くに越したことはないという話をしましたが……
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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それ以外の選択肢が何かあるのでしょうか?
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サフェーサーなしで、足付けしたら目立つ穴だけスポットパテで補修して、そのまま塗装する手もあります。
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それだと拾いきれない巣穴があるから、サフェーサーなしではダメだって言ってたのは、本多研究員ですが…?
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仕上がりのクオリティを考えたら、吹いたほうがいいのは当然です。
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ふむ。
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しかし、考えてもみてください。
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……ん?
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サフェーサーを吹く手間というのは、本番の塗装の手間と比べても大差ありません。
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ふむ。
それはそうだが…… -
今回の屋根の再塗装を例にすると、サフェーサーを吹く前には、屋根以外を全部マスキングしないといけません。
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屋根以外を全部マスキングって、ほとんど車体を丸ごと隠すような感じですね。
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そしてサフェーサーを吹いたあと、そのまますぐ塗装というわけにはいきません。
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そうなんだ。
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単に下地用にサフェーサーを吹いているのではなく、潰しきれなかった巣穴を見るために吹くのですから。
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フムフム。
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この場合は、いったん完全に硬化させます。
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ということは、同じ日に塗装するのは難しくなりますね。
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2日間がかりの作業になるんですね。
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そして、サフェーサは吹いたあとが肝心。サフェーサーを吹いたことで見えるようになった巣穴は、スポットパテで埋めます。
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スポットパテの使い方は以前に勉強しました。
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さらに完全硬化したサフェーサーの上から色を塗装するにあたっては、再度足付けも必要になります。
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また足付けするのか。
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そして本番の塗装前に再びマスキングし直す、という流れです。
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う。マスキングもやり直しになるんだ。
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そりゃそうです。足付け作業をしているうちに端が破れたりするし、本番の塗装前は厳密にマスキングし直さないと。
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ようするにサフェーサー「あり」と「なし」を比べた場合、「あり」は2倍の手間がかかるイメージ?
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まあ、本番の色と違ってクリアまでは吹かないから、2倍とまでは言わないけれど、それに近いですね。
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でもだからといって、サフェーサーなしだとクオリティが下がりますよね?
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そうなんですが、ここからはお金の話です。
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ほお?
サフェーサーなしで塗装するメリットとデメリット
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屋根の再塗装をするなら、塗装屋としてはもちろんサフェーサーを吹くことをオススメします。
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ふむ。
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まずパテで小さな穴などを補修して、それからサフェーサーを吹く。それでも小さな巣穴があれば、スポットパテで埋めて……その工程を踏んで色を塗装するのが、一番仕上がりがキレイになります。
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ですよね!
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サフェーサーなしで塗装するデメリットはその逆で、潰しきれない巣穴などが残ることになります。
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ですよねぇ。
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ただ、DIYラボ読者の方々から日々いろいろなパーツの塗装を頼まれる中で、私の考え方も以前とは少し変わってきました。
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と言うと?
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塗装に求めているものも人それぞれです。みんながみんな、常にクオリティ重視なわけではない。
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クオリティ低くてもいいなんて人いる?
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その分、塗装代が安く済むとしたら……安いほうを取りたい人は多い、という意味ですよ。
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あー…。
わかる気がしてきた。 -
特に車の屋根の再塗装の料金は、高いパターンだととても高くつきます。
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面積とかモールの有無とか塗装の劣化具合で、いろいろでしたね。
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5万円で塗装できる屋根もあれば、10万円〜15万円かかるケースもあり得ます。
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フムフム。
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そういう中では「少しでも塗装料金を抑えたい」場合ならサフェーサーなしで塗装する手も、アリかもしれません。
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その分、安く塗ってもらえるってことか!
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確実に作業工程が減らせるので、その分安くすることはできます。
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どのくらい安く塗装してもらえるイメージ?
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通常の塗装方法で5~6万円位として、3~4万円位になったりする感じでしょうか。ケースバイケースですが。
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そのかわり、小さな穴とか傷とかが、それなりに残るかもしれないと。
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そうですね。仕上がりはそれなりに悪くなる。そのリスクはあります。
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デメリットもあるが……しかし、メリットもある話だ。
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事情は本当に人それぞれなんですよ。「次の車検で手放す予定だから完璧でなくてもいいから、できるだけ安く塗ってもらえませんか?」とかね。
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そういう人だっているでしょうね。
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なので「もう少し安く塗れませんか」と言われたときに、「こういう塗り方をすれば、こんなリスクやデメリットはあるけど、この位は料金を下げられますよ」というような提案は、ほんだ塗装ではしています。
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サフェーサーなしでの塗り方も、〈ほんだ塗装〉では交渉余地のひとつになるんだ。
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キレイに仕上げたいなら、もちろんサフェーサーは入れたほうがいい。これは確かだけど、その塗り方が全てではないってことですね。
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Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
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