板金塗装をもっと身近に

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車の屋根を塗装するときのマスキング知識

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車の屋根の塗装（再塗装）時のマスキングについて、板金塗装のプロに聞く。車の屋根はモールがあることが多いが、モールを外したミゾのどこにマスキングテープを貼るのか？ フロントガラスと屋根の境界はどうするか？ などいろいろとコツがある。

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  「車の屋根の再塗装料金（費用）が、一概にいくら、とは言えない事情╱後編」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ここからは実際に、車の屋根を塗装（再塗装）する作業の解説をしていきます。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  DIYで車の屋根を再塗装するっていう強者はあまりいないとは思いますが、いろいろ勉強にはなりそうです♪

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  まずは、マスキングについてです。

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  車の屋根を再塗装するってことは……逆に、屋根以外を全部マスキングするってことよね？

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  塗装する場面ではそうなります。でも一番最初に貼るマスキングは「屋根の下地処理をするさいに、関係ない部分に傷をつけないためにする」マスキングです。

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  塗装するのはまだ先の工程か…。

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  とはいえ、マスキングのシビアさは本番となんら変わりません。

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  ふむ。

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  マスキングがいい加減だと、フチがしっかり足付けできていない、なんてことになって、塗装剥がれの原因にもなりますからね。

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  重要な作業です。

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  今回屋根の再塗装をする車は、塗装の劣化している範囲がモールとモールの間に収まっています。

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  この場合は、ちょうどモールのところで塗装を切る（区切る）コースになるんでしたね。


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  そうですね。ゴムモールを外して、そのミゾのラインで切るようにマスキングをします。


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  このとき、もっと細かく言うと「モールのミゾのどこで切るか」という話です。

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  ……ん？

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  どうせなら「屋根が落ちたところのカド」ではなくて、モールミゾの底面までは塗るつもりで「ミゾの底面外側のカド」で塗装を切るほうがいいですね。



モールミゾの底面はマスキングしない。ミゾの底面外側のカドで塗装を切るようマスキングする。

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  それはなぜ？

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  そうすることでモールが押さえにもなるので、塗装剥がれが起きにくい。塗装は端が一番弱いのです。

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  ああ、なるほど。だからモール下までは塗ったほうがいいのか。

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  それからこの場面では、太めのマスキングテープを貼り足して、広範囲を保護しておきましょう。


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  屋根にペーパーを当てているときに傷を付ける可能性があるのが、屋根と平行の天面部分です。

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  そこまではマスキングしておかないと、リスクがある。

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  側面はこれでいいのですが、問題はフロントです。

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  フロントのマスキング、なにが問題なのでしょう。

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  車の屋根のフロント側には、当然ですがフロントガラスがあります。

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  ふむ。

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  本来のやり方という意味では、車の屋根を塗装するときはフロントガラスを外したほうがいいのですが……

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  あわわ。
  そんな大がかりになるの？

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  しかしフロントガラスを外しての塗装となれば、当然、塗装料金に跳ね返ってくるわけですよ。

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  そりゃそうですよね。

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  ですので、現実的にはマスキングして塗装……ということになるのですが、ここで処理が難しいのがモール。

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  モールが難しい？

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  フロントガラスと屋根の境界線部分には、ゴムのモールが付いているんです。

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  モール部までマスキングテープを貼ればいいのでは？

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  でもこのモールは、屋根の鉄板の断面にピタっとくっついています。

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  ムムム……。

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  普通にテープでマスキングするだけだと、モールとボディ鉄板の境界部分が足付けできなかったりするのです。

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  足付けしにくいってことは……

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  そうすると、どうしてもそこから色が剥がれやすくなるリスクがあります。

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  フロントガラスを外したら工賃が高くなるし、マスキングだけで屋根を塗装したらフロント側から剥がれるリスク……どうしよ？