缶スプレー塗装を学ぶ⑧
サフェーサー磨き(研磨)の必要性は? サンドペーパーは何番?
サフェーサー後の磨き(研磨)の工程。サフェーサーを吹く前にもFRPの表面にサンドペーパーで足付けしたが、サフェーサーを塗った後の、2度目の足付けだ。塗装の直前なので、最初の足付けとサンドペーパーの番手が変わる。磨き加減も同じではない。
サフェーサーに磨き(研磨)が必要な理由は?
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「サフェーサーの吹き方(後編)╱ここで発覚した巣穴はどうする?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回はサフェーサーを塗りました。
(↓)●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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サフェーサーが乾いた、その後は?
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磨きます。
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研磨するってこと?
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そうですね。
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ところで、サフェーサーを塗ったあとで磨くのは、なぜなんでしょう?
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サフェーサーを塗る前に、FRPの表面を足付けしましたよね。基本的にはあれと同じです。サンドペーパーの目は変えますが。
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でも、サフェーサーは下地塗装なのに……そのまま上から塗装したらダメなの?
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塗装とは、足付けしてある状態のところに対して吹くからこそ、塗料がしっかり密着するんですよ。
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フムフム。
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ツルツルした表面に色を吹いても、パリパリと剥がれてしまう。
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そういえば、乾燥したサフェーサーの表面もツルツルですね。
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表面がツルっとした状態のところに塗料を吹けば、足付けしないFRPにサフェを塗るのと大差ない。だから、基本的には磨いて足付けしたほうがいいということです。
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なるほど~。
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まあ、缶スプレーの場合は、プライマー(接着剤)が入っているサフェーサー(プラサフ)もあるので……
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その場合は、そのまま塗るのもアリなのかも知れませんが……僕としては、プラサフでも磨き(研磨)の工程は入れたほうがいいと思います。
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あくまでも足付けは必要、という考え方ですね。
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それから、今回の流れではどちらにしてもサフェーサーの磨きは必須です。前回ちょっとした裏技で、筆で、巣穴にサフェーサーを入れましたから。
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ここの部分(↑)は、当然、磨いて平らにしないといけません。
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筆塗りの裏技は、塗った後がポコッと凸型になりますが、「どうせ後から研磨する」という大前提のもとにやっていたんですね。
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そういうことです。
✔ プラサフは、「プライマー・サフェーサー」の略なので、それ自体が、塗料の接着剤の役割も兼ねてはいる。
サフェーサーを磨くときのサンドペーパーは何番?
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サフェーサー後の足付けは、サンドペーパーの目を変えるということでしたが……何番?
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サフェーサーの磨き(研磨)は、800番、1000番あたりのサンドペーパーを使います。
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かなり目が細かいペーパーを使うってことですね。
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濃い色なら600番のペーパーでもいけますが、薄い色は800番以上が必須です。
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なんのことでしょうか?
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サフェーサーの後に吹く、「色」によっても違うんですよ。
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ホー。
塗装色の濃い・薄いによると。 -
例えば、最終的に塗る色がシルバーだとすると、その下のペーパーの目が粗いと、塗装後にペーパー目が出てしまうんです。
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透けて見えてしまうようなイメージか!
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そうそう。反対に黒のような濃い色だと、600番くらいの目でもいける。ペーパー目が見える心配はありません。
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濃い色のほうがラクできるってことか。
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サンドペーパー研磨による傷目が出やすいのは、とにかくシルバーですから、特に注意が必要。
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なお、今回は用意したペーパーセットで一番細かい1000番を使っています。
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サフェーサー磨き(研磨)作業のときは、基本的にあて板を使います。
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とはいえ、アールがかかっているところなど、手でやるしかない場所もあります。
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最初の足付けのときみたいに、全面を削ればいいんですね。
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そうなんですけど、イメージ的には「削る」というより「磨く」です。
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……どう違うの?
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ガリガリ削るわけではありません。うっすらと削るってことです。
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そっか。サフェーサーを落としてしまったら、下地の意味がなくなる。
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特にカドは下地が出やすいので注意。
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なんでだ?
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どうしても塗料のトマリが悪いからです。そもそも薄いことが多い。
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……磨いているうちに、下地が出てきたらどうしよう?
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うっすら下地の色が出てきたら止める。そこはそれ以上、磨かないようにしましょう。
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削り落とすことが目的ではありませんからね。
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