缶スプレー塗装を学ぶ⑦
サフェーサーの吹き方(後編)╱ここで発覚した巣穴はどうする?
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サフェーサーを塗ると、埋めたはずの巣穴が出てくる。サフェの前に埋めたはずなのに! と見なかったことにしたくなるが、放置はよくない。しかし巣穴消しのために、またパテ盛りしたら、サフェもやり直し。それは面倒なので、裏技を紹介する。正攻法ではないが、時間とサフェの節約に役立つ。
巣穴は埋めたと思っても、サフェーサーを塗ると出てくる
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「缶スプレー・サフェーサーの吹き方と、失敗しないコツ」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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というわけで、前回紹介したような点に注意しつつ、サフェーサーを塗り重ねていきます。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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いっぺんに厚塗りすると垂れるから、インターバルを置きながら塗るのは分かりましたけど……
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そうやって、どこまで塗ればいいんでしょう?
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下地の色が透けて見えるうちは、まだまだですね。
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なるほど。
では、もっと塗り重ねて…… -
サフェーサー塗れました~。
下地完成! -
……。
ウーム。 -
あれ!?
なにか問題でも? -
事前にあれだけ巣穴補修をやっても、サフェーサーを入れると……ホラ、こうやって巣穴が出てくる。
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もう無いだろうと思っても、塗装すると見えてくるんですよね。
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……。
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この段階で発見されるのは、ごく小さな巣穴なので、いつもだったらスポットパテで片付けるところですが……
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今回は、カー用品店で普通に売っているDIY用品だけで作業する〈缶スプレー塗装〉がテーマだから、スポットパテなどない前提だし。どうするかなぁ。
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こ……これは……。
スっ……スルーしましょう。 -
えっ!?
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わたし、見なかったことにしますから。今回は、隠蔽ってことで。だいたいほとんど見えないしね。
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いやいやいや、本当に気づかなかった場合はともかく、気づいた巣穴は消しておかないと、ぜ~ったいに塗装したあとに後悔します、これはホントに!
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そんなちっちゃい穴のことなんて、塗装し終わった頃には忘れているのではないでしょうか?
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いーや! 自分は覚えているから、「あーあ、ココに巣穴があるんだよな~、やっぱり消しておけばよかったな〜」って、必ずそうなる!
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性格が細かすぎて、面倒くさがられたりしませんか?
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いま、そういう話をしてるんじゃないし!!
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でも、ここでまたパテを盛ったら、サフェーサーも塗り直しになるんでしょう? キリなくない? 缶スプレーの量だって、そんなに多くはないんだし。
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えー、こういう場合の、ちょっとした裏技を紹介しておきましょう。正攻法とは言えませんが。
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よかった!
裏技という名の、ズルイ手があるんですね!
✔ スポットパテなら、サフェーサーの塗り直しをせずに塗装できる。※「サフェーサー後にやること」参照。
ごくごく小さな巣穴は、サフェーサーでも埋まる!?
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ごく小さな巣穴だったら、サフェーサーでも埋められます。
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ほお。
もっと厚塗りして埋めるってこと? -
いや、こういう巣穴は、厚塗りで埋められるものでもない。その部分に塗料がとまらなかったりするので。
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すでに現時点でも塗り重ねてきましたしねぇ。これ以上塗って、垂れても困るし。
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そこで巣穴にだけチョンチョンと、サフェーサーを筆塗りして埋めてしまいます。
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サフェーサーの筆塗り! そういえばガンのときもそんな技をやってましたね。
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そう。ガンで塗装しているとしたら、使っている塗料で直接筆塗りすればいいのですが……。
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しかし今回は、缶スプレーのサフェーサ-ですから、筆に付けられそうにありませんが。
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板とか段ボールなどに直接噴射して、わざと垂らせば液状になりますから、それで盛ってみましょう。
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これ、缶スプレーのメーカーの人が見ていたら、「そういう使い方しないでください」って言ってくるやつでは?
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現場の知恵ってことで。
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まあ、もとより教科書通りの塗り方を紹介するコーナーではありませんので、そのつもりで見てください。
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でも、サフェーサーを塗るのは、塗装面の凹凸をなくして平坦化する意味もあるので、ごく小さな巣穴なら、サフェーサーで埋めても固まります。これは事実。
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パテっぽい面もあるってことか。
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ただし、チョンチョンと盛った部分は、当然ながらポコンと山になっている。
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このまま塗ったら……
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ポコンと山になります。
当然。 -
巣穴のほうがマシですね。
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これをキレイに平らに削らないといけません。この裏技は、塗装前にサフェーサーを磨くのが前提です。
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次は磨きってことね。
段ボールパレット
デレー〜
チョン!
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