板金塗装をもっと身近に
車の屋根を再塗装する方法
車の屋根の塗装(再塗装)の方法を、実例をもとに板金塗装のプロに教わる。再塗装するモデル車のダメージレベルは中程度で、劣化した塗装を完全に削り落とす必要まではなく、足付け作業からスタート。足付け中に見えてくる、飛び石などの小傷も修復する。
車の屋根を再塗装するための足付け作業
-
「車の屋根の再塗装は、ダメージレベルによっても料金が変わる」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
-
それでは車の屋根の再塗装の作業工程を、実際にお見せしましょう。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
-
今回のモデル車は、塗装を完全に剥離しなくても再塗装できるんでしたね。
-
そうですね。塗装を完全に削り落とす必要まではないので、すぐに足付け作業に入れます。
-
足付けとは、塗装の付きをよくするために傷を付ける作業のこと。
-
車の屋根などの広い面積を足付けするときは、ダブルアクションサンダーを使います。
-
これ、使っているペーパーは何番くらいなんでしょうか?
-
ここはサフェーサーを吹くための足付けなので、600~800番位のペーパーを使います。
-
屋根に対して、全面的に傷をつけていくんですね~。
-
部分的な補修で部分的にサフェーサーを入れたいとすれば、その周辺だけを足付けして、マスキングして塗装するやり方もあります。
-
ふむ。
-
しかし今回は、あちこちに塗装が劣化したモヤモヤの症状が出ているから、これなら屋根を全て塗り直したほうが早いですね。
-
なるほど。
-
サンドペーパーで屋根を足付けすると、いろいろな状況が見えてきますよ。
-
と言うと…?
-
例えば飛び石をくらったような欠け部分とか、小さな穴(ヘコミ傷)などですね。塗装が削り取られると、それらが見えるようになります。
-
あ、ホントだ。
点のような穴もある。 -
ペーパーを当ててツヤがない状態になると、ココにもココにも穴がある、っていうのが見えるようになります。作業する前の状態だと見えなかっただけで。
-
単に塗装が劣化しているだけ……ではないと。
-
それなりに古い車の屋根だったら、無傷とはいかないですね。
-
そういうことかぁ。
-
このまま色を塗っても細かい傷は残ってしまうので、こういう箇所だけはスポットパテを打っていきます。
-
ここで使うパテの種類は……?
-
この場面では、あとから600番あたりの番手のペーパーで磨きたいところなので、ファイバーパテのように固いパテを付けてしまうと、固くて削れなくなります。
-
フムフム。
-
だから仕上げで使うレベルのパテを使います。
-
巣穴を拾ったりするレベルの作業ですので、一般的に言うポリパテみたいなものでもいいです。
-
この場面でのパテの付け方は、上に盛るイメージではなく「ヘコんでいるところに擦り込む」イメージです。
-
ヘラで押しつけるようにパテを付けています。
-
ヘコんでいる部分にパテが入らないと意味がないので。
-
漠然とペタペタ付けているわけではありません。
-
そしてパテが乾くのを待ちます。
-
ちなみに今回の屋根では、こんなにパテを打っていたりします。
-
プロの仕事は細かい……。
車の屋根の再塗装〜パテを磨く作業
-
パテが乾いたら、600番のペーパーで磨きます。
-
作業性を考えると本当は320番あたりのペーパーで削りたいところ。でもここで600番を使う理由は、サフェーサーを吹いたあとに傷目が出にくいためです。
-
サフェーサー前の番手だとすると、320番は荒すぎる?
-
そういうことですね。
-
今回の作業を見る限り、再塗装といっても、けっきょくのところ塗装だけでは済まないと思ったほうがよさそうですねぇ。
-
車による話とはいえ、その可能性が高いかと。
-
まー、でも再塗装ついでに傷も補修するんだから、効率よくキレイになる。
-
そうなんですが、目で見たり、指で触れてわかるような傷や穴ばかりではありません。
-
ん…?
-
本当にテンテンテン……と付いているだけの「点」みたいな小さな穴(ヘコミ傷)もあるわけですよ。
-
目的はあくまでも「塗装が劣化したから再塗装」だったんだけど……そこまでやるんだ。
-
うーん、このへんは、人によって分かれるところでしょうが、僕としてはせっかく再塗装するならきっちりやったほうがいいのではないかと。
-
だとしても、見えていないレベルの傷をどうやって消すの?
-
ここでサフェーサーの出番ですね。
ほんだ塗装で、DIYラボ連動キャンペーン実施中…!
電話でもメール相談でも、最初に、「DIYラボを見た」と言えば、「塗装代」や「取り付け工賃」が10%オフになる。「パーツの持ち込み塗装」の料金交渉も柔軟に応じてくれる。
DIY
Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
関連記事
- 車の屋根が白くなる(モヤモヤしてくる)のはクリア剥がれか、それ以上の被害か? 判定方法は…
- 車の屋根の再塗装料金(費用)が、一概にいくら、とは言えない事情
- 車の屋根の再塗装料金が、一概にいくら、とは言えない事情╱後編
- 車の屋根を塗装するときのマスキング知識
- 車の屋根を塗装するときのマスキング知識╱後編
- 車の屋根の再塗装は、ダメージレベルによっても料金が変わる
- 車の屋根の再塗装方法②╱サフェーサーの必要性について
- ボンネットのクリア剥げは、クリアだけ塗装すれば直るのか…?
- クリア剥がれを放置すると、クリア補修だけでは済まなくなるので注意
- クリア剥がれをDIYで補修するなら知っておきたい注意点
- 車の塗装剥がれの原因と、再塗装料金についてプロに聞く
- 車の塗装剥がれを部分補修するときの注意点
- 塗装剥がれのブレーキキャリパーを、再塗装するにあたっての問題点
- 塗装剥がれのブレーキキャリパーに、サンドブラスト加工してみた結果
- ブレーキキャリパー塗装は、足付けをしっかりやらないと剥がれる
- ホイール塗装は剥がれるリスクが高い
- 塗装はできるが、あとから剥がれやすいパーツとは、どういうものか?
- 中古パーツでも塗装すればキレイになるが、剥がれるリスクは残る