板金塗装をもっと身近に
車の内装パネル塗装の知識(後編)
- 1
- 2
車の内装パネルのDIY塗装方法をプロに聞いた。パネルの状態・形状や何色に塗るかによって、やり方はいくつかある。またパネル塗装を依頼する場合の、料金の目安は?
純正部品の内装パネルをDIYで塗装する人向けの話
-
「車の内装パネル塗装の知識」の続き。ここから「DIYでやる人向けの話」を聞いていきます。
●レポーター:イルミちゃん
-
内装パネルは部品として小さいから、自分で塗装する人もいますよね。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
-
内装の塗装の注意点は、何かあるのでしょうか?
-
う~ん。まあ、内装パネル特有の注意点っていうのは特にはない気がしますが……
-
そうなんだ。
-
ただ色を塗装する前にサフェーサーを吹くか吹かないかで、前工程のやり方は変わってきます。
-
サフェーサーは吹いたほうがいいの? 吹かなくてもいいの?
-
そこは、ケースバイケースですね。
-
サフェーサーを吹かなくても、いけるケースもあるんだ。
-
前回話した通り、内装パネルの塗装は、純正部品をベースに塗装することがほとんどなんですね。
-
ふむ。
-
その場合「バリ」や「巣穴」があったりする心配は、ほぼ無いんです。社外品と違って。
-
つまり、塗装前の修正作業みたいなものがない。
-
だからサフェーサー無しでそのまま塗装しても、問題ないケースは多いです。ただし、塗ろうとする色によっても変わってきます。
-
と言いますと?
-
純正部品の内装パネルに対して、白や黒のようなソリッド系のカラーに塗るなら、サフェーサーは吹かなくてもいいけど、メタリック系の色は状況によりけりです。
-
両者は何が違うのでしょうか?
-
順を追って説明していきますね。
車の内装パネルを塗装するときの注意点
-
まず、車の内装パネルも塗装する前には、基本的にはペーパー(紙ヤリス)で磨いて足付けをします。
-
ペーパーで表面に傷を付けて、塗装が密着するようにする足付けは基本。
-
800番とか1000番とか、その位の目のペーパーを使って磨いていきますが……
-
フムフム。
-
ペーパーで足付けすると、ところどころに内装パネルの下地が出てきたりします。
-
上はタフトの内装パネルを足付けしたところですが、ところどころ、純正オレンジの下地の黒い部分が露出しているのが分かりますよね。
-
この黒い部分が下地か。
-
こういうふうに下地が出ている状況で、そのままメタリックのギラギラ感が強い色を塗装すると、ムラになる可能性があります。
-
そういえば、メタリック系のカラーはムラになりやすいって話がありましたね。
-
平らに見えても、表面が僅かに凹んでいる場所があれば、メタリックの粒々はそこに溜まりますからね。キラキラ感が変わるから、メタリックはムラが目立ちやすい。
-
なるほど。
-
内装パネルの塗装でも、ペーパーを当てすぎて下地が部分的に出た状況だとすると、微妙に歪んだ所にメタリックが溜まってムラになる可能性がある。
-
メタリックの分布が乱れてしまうんでしたね。
-
そういう場合は、足付け後にサフェーサーを吹いてから塗装したほうがいいと思います。
-
サフェーサーを吹くことで、微妙な凹凸もならされるんだ。
-
純正部品の内装パネルを塗装するときも同じ。メタリック系やシルバーに塗るなら、サフェーサーを入れないと厳しいかなと思います。シルバーの場合も表面に僅かに凹んでいる場所があると、そこが黒っぽい影みたいに見えやすいですよ。
-
なるほど、なるほど。
-
そのいっぽうで純正の内装パネルに普通のソリッドカラーを吹くならば、サフェーサー無しでそのまま上から塗ってもほぼ問題はありません。
-
それでもムラになる心配は少ないってことね。
-
あとは形状にもよるかと。車の内装パネルって、棒みたいに細いパーツも多いですよね。
-
広い面がなくて細いラインだけで構成された内装パネルだとしたら、メタリックが僅かに寄ったとしてもほどんど分からない、という面はあります。
-
細いパーツのほうがムラが分かりにくいんですね。
-
そうですね。内装パネルの塗装にサフェーサーが必要かどうかは「塗る色」「下地の状況」「パネル形状」などによってケースバイケースになってくるかと。
-
なるほど。
-
メタリック系の色を塗装する場合でもサフェーサーの行程を省略したいなら、足付けの段階で「下地を出さないように軽く磨く」手もありますが……
-
メッキの上から塗装するときと同じ手法だ。
-
ただ、このやり方では、足付けが弱い。必ずプライマー(接着剤)を吹いてから塗装する必要があります。
-
本当は接着剤頼みな塗り方よりは、しっかり足付けするのが理想ではあるんですよね。
-
はい。だから一番確実なやり方は「下地が出る位しっかり足付けして、サフェーサーを吹く」コースです。
-
内装パネルの塗装方法もひとつではないんですね~。本田研究員も、使い分けている?
-
そうですね。塗装料金を少しでも安くしたい人には、工数を減らした塗装方法を提案するのは基本ではありますが、あとはケースバイケースですね。
-
ちなみに、内装パーツを送って塗装してもらう場合の料金目安は?
-
そこはサイズとか、今話したような工数によっても変わりますが、最低料金で1点╱3000円位~ですね。ただし、これは「サフェーサーを吹かなくても塗れる」場合です。
-
DIYでやるのはパネル脱着までで、塗装はプロに頼みたい人は、予算との兼ね合いもふくめて、ほんだ塗装に相談してみてはどうでしょうか。
✔ 写真はDIY向けの缶スプレータイプのサフェーサー。吹き方は「缶スプレー・サフェーサーの吹き方と、失敗しないコツ」参照。
不織布研磨剤
そういう場面でほんだ塗装が軽い足付けに使っているのが、3Mのスコッチブライト・ハンドパッド・極細仕上げ用。
AmazonでもDIY向けに、少量の3M スコッチ・ブライト 7448が売られている。
ほんだ塗装で、DIYラボ連動キャンペーン実施中…!
電話でもメール相談でも、最初に、「DIYラボを見た」と言えば、「塗装代」や「取り付け工賃」が10%オフになる。「パーツの持ち込み塗装」の料金交渉も柔軟に応じてくれる。
DIY
Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
関連記事
- 車の内装パネル塗装の知識
- メッキの上から塗装ってできるの?
- 社外品のメッキパーツで、上から塗装しようとすることの問題点
- サフェーサーとは? 塗装前にサフェーサーを吹く意味はなに?
- サフェーサーの使い方(塗り方)のコツ
- サフェーサー後にやること
- 缶スプレー塗装に必要なもの。プロと同じ作業を身近なアイテムで
- 缶スプレー・サフェーサーの吹き方と、失敗しないコツ
- サフェーサー磨き(研磨)の必要性は? サンドペーパーは何番?
- サフェーサーの回数は何回? 1回でいいのか、2回もあり得るのか?
- 缶スプレー塗装でキレイに重ね塗りするコツ
- 内張りはがしの正しい使い方
- 内張りはがしの重大な注意点
- カーラッピングにDIYで挑戦! これならできそう入門編
- カーボンラッピング入門