塗装の悩みをプロに聞く

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サフェーサーは白か？ 黒か？（グレーもあるけど）どう使い分ける？

サフェーサーの色は白・黒があり、グレーもあるが、どのように選んだり、使い分けたりするのか？ 例えば塗装する色が薄い色なら白、濃い色なら黒……といった使い方で正解なのか？ プロの板金塗装職人に聞いてみた。

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  塗装に関するちょっとした疑問を、プロに聞いてみたいと思います。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  なんでしょう？

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  塗装前の下地に使うサフェーサーについてなんですけどね……

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  フムフム。

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  白いサフェーサーもあれば、黒いサフェーサーもありますよね。グレーもあるし。

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  そうですね。ほんだ塗装で使っているのは、白サフと黒サフの2種類です。

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  あれ？
  グレーは使わないんだ？

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  僕の場合は使ってませんね。

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  そのへんが謎なんですが、サフェーサーの色はどう使い分けたらいいのでしょう？

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  まず一般的な話を先にすると、サフェーサーは本番の色を入れる前の下地なので、あとから塗装する色がトマリやすい色にする、という意味があります。

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  フムフム。
  その点は確かに前にも勉強しましたよね～。



✔ 基本的なことは「サフェーサーとは？ 塗装前にサフェーサーを吹く意味はなに？」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  例えば、黄色に塗装したいんだったら、白サフを入れておこう……ってことですよね？

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  そうそう。黒サフの上から黄色を塗っても、なかなか黄色にならないからね。

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  しかし、実際にプロの板金屋であるほんだ塗装の仕事を見ていると、サフェーサーといえば白を使っているイメージしかないんですよね。

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  ……まあ、濃い色に塗装するときは黒サフでもいいんだけど、例えば黒サフの上に紺色を吹くとするじゃないですか。

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  紺色に塗るなら、黒いサフェーサーで良さそう。

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  しかし、塗装中に下の黒が透けて出ていると、紺色に塗れているかどうかが意外と分かりにくかったりもする。

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  あー。
  色が近いとそういう面もあるか。

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  けっきょく、どんな色に塗るとしても「白サフのほうが見やすい」というのはあります。僕の場合はね。

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  白いキャンパスの上なら、どんな色でも塗りやすい……みたいな？

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  そうですね。
  実際、白の上からでも黒は問題なく塗れるので。

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  だとしたら、黒サフは必要ないでしょう？ なぜ黒のサフェーサーも持っているの？

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  では、この先は一般論ではなく、ほんだ塗装流の黒サフェーサーと白サフェーサーの使い分け。

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  ここからが本題です。

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  黒サフは、作業の中間に使うんですよ。これも、ほんだ塗装の場合は……の話ですが。

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  中間？

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  例えば、「バンパーの補修（あるいは加工）をしてから、塗装をする」ケースを考えてみましょう。


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  このようにパテまみれの状態（↑）になってくると、ラインや面がぜんぜん見えないから、だんだんわけがわからなくなってきます。

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  ……ふむふむ。

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  このまま、本番のサフェーサーを吹いたとしても、そのままでは塗装できない可能性が高い。

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  まだまだアラがあるだろうってことね。

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  そうです。そこでまず1回目には、パテを入れたところだけでもいいので、部分的に黒いサフェーサーを吹きます。


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  ここは、なぜ黒のサフェーサーなの？

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  黒に塗るほうが、パテを削ったあとの線の目や、巣穴などが見えやすいからです。

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  ほう。

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  黒いサフェーサーほうが下地処理のアラが分かりやすい、というのが理由ですね。

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  そういうことか！

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  この状態で、ラインや面を見ながらまた削って、これでOKだなと思ったら、最終的に白いサフェーサーを吹くんです。


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  これは本番の塗装をする前の下地、という意味でのサフェーサーですね。

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  つまり最初からサフェーサーを2回吹く前提なんだ。

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  そういうことです。1回目のサフェーサーのあとは、絶対に修正したいところが出てきますからね。

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  パテがいっぱい入っているから巣穴も出てくるし。

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  それに、黒いところに傷を入れると白っぽくなるから「きちんと下地ができているかどうか」も分かりやすいですよ。逆に白に傷を付けても見にくい。

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  黒サフにはそんなメリットがあったのか。

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  しかし、塗装直前の最終段階では、（ほんだ塗装の場合は）水研ぎで仕上げるので話が逆になります。



✔「サフェーサー後にやること」参照。

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  このように水研ぎする場面では、黒いサフェーサーは逆に分かりづらいです。

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  そういう意味でも、塗装直前は白サフなんだ。

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  そうなんです。サフェーサーのあとの磨きが、空研ぎなのか水研ぎなのか、によって使い分けるようなイメージですね。

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  やっぱり現場のプロにはいろいろなノウハウがあるんだなァ。

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  というわけで、白いサフは、僕の中では本番のサフェーサーです。

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  なるほど。

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  この手順だと2回目の白サフェーサーのあとは、軽くペーパーを当てるだけでいい状態になっています。仕上がりも良くなりますよ。

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  なんとなく、好みでサフェの色を選んでいた人には、参考になりそうな話です。