板金塗装をもっと身近に

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ブレーキキャリパーを分解しないで塗装した結果は…

ブレーキキャリパーを車から外さずに塗装。塗装剥がれリスクがあるイレギュラーな方法だが、マスキングもプライマーもしっかり念入りにやった結果、どんな仕上がりになったのか。

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  「車のボディ全体をマスキングする方法」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  イレギュラーな方法ではありますが、何とか「車に付けたままの状態」で、ブレーキキャリパーの塗装準備ができました。（↓）

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員



エアーでホコリを飛ばしている。

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  しかし前に解説した通りで、ブレーキキャリパーを分解しないで塗装する場合、足付けが十分にできていない箇所があるのが気になります。

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  足付けは重要、っていつも言ってますもんね。

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  足付けが不十分だと、パリパリと塗装が剥がれるリスクがありますから。

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  ……とはいっても、今回の方法はデメリット覚悟でやっていることだし、仕方ないよね？

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  こういうときに重要なのは、プライマーをしっかり吹いておくことですね。


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  プライマーは、いわゆる塗料の接着剤。

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  そうです。足付けが甘い分だけ、通常の塗装よりは「接着剤頼み」な面がある。

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  ナルホド。

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  しかし、プライマーを吹くにしても吹きにくいけどね。

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  奥のほうなんか、特に大変そうですね。

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  普通にタイヤハウスの外から吹くだけではダメです。オモテ側に近いところしかプライマーが付きませんので、奥から塗装が剥がれてきます。

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  普通に考えて、足付けが甘いのも奥だしねぇ。

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  だから寝そべって下側から吹いたりもします。


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  これはプライマーですけど、本番の塗装でも、こんなふうにアクロバットに塗る必要があるわけですね。

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  以前に〈缶スプレー講習〉でも言いましたが、今回のように難しい状況でスプレー塗装する場合は、塗りにくいところから塗るを心がけましょう。


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  底面や側面のフチから塗り始めました。

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  塗りやすい面から塗ってしまうと、色が付きにくい場所で苦戦しているうちに、思った以上の塗料が付着して垂れるリスクがありますので。

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  そして、ブレーキキャリパーの塗装においても「少しずつ重ね塗りする」のは、セオリー通りですよね？

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  そうですね。1回目は、うっすら色が付いたかな、というぐらいで止めます。


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  ブレーキキャリパー塗装の場合は「4個」ありますから、このあと反対側やリアのキャリパーを塗っているうちに、自動的にインターバルになります。

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  そうか。
  1回は軽く塗って、リアに行く。


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  同じように4個塗って一周してきたら、2回目の重ね塗りをします。



✔ 2回目を塗るタイミングの判断は、「重ね塗りのタイミング（インターバル時間）は？」なども参照。

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  そしてまた一周してくる……と。

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  これを繰り返して、垂れないように濃くしていきます。


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  再びインターバルを置いて、仕上げのクリア塗装を吹けば……


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  完成……！
  乾燥するのを待って、マスキングを剥がします。

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  マスキングは一気に剥がさず、まずはブレーキキャリパーから離れた外側から剥がしていきます。


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  最初に念入りに貼った部分のマスキングは、最後に剥がすのがコツです。


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  それにしても、分解しないでも本当にブレーキキャリパーが塗れるとは……。

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  実際にやってみるとやはり大変でしたね。このやり方は。

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  塗装より、マスキングが大変だった。想定はしていましたが。

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  最初にブレーキキャリパーをマスキングする場面では、丁寧に作業すると、ひとつあたりに数十分から1時間程度かかると思います。

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  キャリパーは4個もあるしなァ。

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  足付けと、本番用のマスキングをするところまでで、半日仕事になるでしょうね。

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  ただ、マスキングさえできれば、その後、塗るのは早かったようですけど……

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  しかし塗装する場面で、ガンが入るスペースが限られるから、どうしても塗りきれない場所も出てきます。そのへんは僕としてはかなり気になりました。

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  そっか。タイヤハウス内のスペースで塗るわけですもんね。見るからに無理あるというか。

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  だからもし、ブレーキキャリパーを外して見た場合には、「裏側には色が付いてない部分がある」「ここは薄くしか色がのってない」など、そういうアラは出てきますね。

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  とはいえ、オモテ側から見る分には、まったく問題なく塗れているように見えます。

フロント



リア


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  そしてホイールを取り付けてしまえば……


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  これはもう、シロウト目には「分解して塗ったか」「マスキングで塗ったか」の判別はできないのではないでしょうか？