板金塗装をもっと身近に

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マスキングしてブレーキキャリパーを塗装しようとすると、どの位大変なのか？

ブレーキキャリパーをマスキングだけで塗装する方法。これはブレーキキャリパーを車体から外す工程を省き、車に付けたままの状態で塗装するイレギュラーなやり方ではある。塗装前の足付けもマスキングもやりにくいのだが、実際にどう大変なのかを実況解説。

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  「ブレーキキャリパーを分解しないでマスキングで塗装するデメリット」については以前に解説しました。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  通常だと、ブレーキキャリパーを車に付けたままの状態で塗装する方法はオススメできない、という話をしましたが……

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  そうはいっても予算的な都合で、分解まではできない人もいると思います。

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  そこでちょっとイレギュラーですが、今回はマスキングしてブレーキキャリパーを塗装する方法を解説しておきましょう。

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  これはようするに、マスキングが手間の大半を占めそう。

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  そうですね。塗るまでの準備に9割の手間がかかるでしょうね。

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  まず、何から始めるのでしょうか？

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  ジャッキアップして、ウマをかけて、ホイールを外します。



✔ ジャッキアップだけで作業するのは絶対NG。ウマにのせるところまでは必須。

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  塗装する前にまず足付けをするのは、いつもと同じです。

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  足付けとは、表面に傷を付ける作業のことです。

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  足付け作業時にローターに傷を付けないように、仮のマスキングをしてから、足付けを行います。

足付け用のマスキング（フロント）



足付け用のマスキング（リア）


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  まだ塗装するわけじゃないから、マスキングは一部にとどめています。

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  足付けの段階では「傷を付けたくはないけど、触れる可能性のあるところ」だけカバーしておけばOKです。

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  ブレーキキャリパーの足付けは、ペーパーでもできますかね？

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  いや。表面に凹凸があるので、ペーパーでは難しいと思います。凸の部分には傷が付けられるにしても、全体としては不十分。

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  では、本多研究員が使っている道具は……

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  僕はスコッチブライトと、ワイヤーブラシを使っています（↓）

パーツクリーナーを吹いて……



スコッチブライトで磨く



スコッチブライトは、3Mの磨き用新素材。

AmazonでもDIY向けに、少量の3M スコッチ・ブライト 7448が売られている。

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  スコッチブライトではやりにくい、細かいところはワイヤーブラシで磨きます。


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  とはいっても、車にブレーキキャリパーが付いたままでは足付け作業もやりにくい。

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  裏側とかよく見えないし。磨けない部分も出てきますねぇ。

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  そう。このあたりから、妥協は必要になってくるわけですね。

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  ……なるほど。バラさないで塗るのは推奨しない、っていうのはこういうことね。

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  足付けできていない箇所は塗装が剥がれやすくなるので、このやり方をするなら、塗装前のプライマー（接着剤）頼みな面がありますね。

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  足付けが終わったら、塗装用の本番のマスキングをしていきます。

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  今回のやり方だと、ようするにブレーキキャリパー以外の部分をマスキングしないといけない。

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  もちろんそうなんですが、その前にブレーキキャリパー本体にも「塗りたい場所」と「塗りたくない場所」があるわけですよ。

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  フムフム。

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  ですから細かい隙間や塗りたくないゴムの部分などを、細かくマスキングしていきます。

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  マスキングの道具は？

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  まずは普通のマスキングテープを使います。


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  このときのポイントは「1ミリでも隙間があれば、マスキングテープを挿し込みながら貼る」ことです。


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  間に入れているんだ。

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  そうです。「端まで貼る」貼り方では、どうしてもフチの部分には色がついてしまうので。

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  ……あー。
  なるほど。

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  ブレーキキャリパー本体以外に色が付かないようにするためには、可能な限りマスキングテープを挿し込みます。


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  ゴムの部分なども塗りたくないので、マスキングテープを巻き付けます。


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  こ、細か過ぎる作業。

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  難しいんですよね……ここは。

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  オモテ側はまだしも、裏側とか、物理的にムリな気もするんですけどね？

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  そうですね。だったら諦めて「そこは塗る」という開き直りも必要かと。

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  分解しないで塗る以上は、こういうところで妥協が必要になってきますね。

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  ひとまず、ブレーキキャリパーとその周囲をマスキングした状態です。


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  ここまではマスキングテープで進めてきましたが、この調子でタイヤハウスやフェンダーのマスキングとかしていたら、何日かかるか分かりませんね？

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  ここまでが手間ですが、実はここから先は「いい道具」があるんですよ～。