できる! リレー講習
リレーの「a接点」「b接点」「c接点」の違い
リレーを実践的に使いこなす連載。今回のテーマは、リレーの「a接点」「b接点」「c接点」。初心者的には、突き放され感ある専門用語だが、汎用リレーを買う時に知らないといきなり困る。そして、わかってしまえばわりとシンプル。
汎用リレーを買う時に必要な知識
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汎用リレーを買うときに知らないと困る、「a接点」「b接点」「c接点」というコトバの違いについて、解説していきたいと思います。
●アドバイザー:DIYライフ 藤本研究員
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車で使うから12V用をください、だけではダメなんですね。
●レポーター:イルミちゃん
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リレーにもいろいろ種類があって、「a接点リレー」とか「b接点リレー」といった言い方をすることがあります。
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リレーの種類って、4極リレーとか5極リレーじゃなくて?
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それは端子の数(配線をつなげる数)を表した言い方ですが、一般的な汎用リレーを買うときには、その言い方よりも、「a接点」「b接点」といった表現が出てきます。
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ほほう。
そうなんだ。
a接点リレーとは?
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まず、a接点リレー。これはコイルに電気が流れた時に、接点がオンになるタイプのリレーのことです。
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前回に引き続き、DIYライフの12Vリレーを例に説明すると……
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これが、一番オーソドックスな「a接点リレー」。
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前回教わったパターン(※)ですね。
※「リレーの端子への配線方法」参照。
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例えばスモールオンの間だけ、バッ直の電源を電装品に流す、なんていうバッ直リレーの動作もこのパターンです。
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つまり、電源取り出しでよく使うのが「a接点リレー」?
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そうですね。車業界で、「リレーを使って電源を取る」という場合には、このa接点リレーを指していることが多いと思います。いわゆる4極リレーとも言いますね。
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端子が4つあるから、4極リレーですね。
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でも、同じ4極リレーでも「b接点」というのがありますよ。
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えー!
4極リレー=a接点ではないのか。
リレーの端子の番号は、リレーの説明書等で確認できる。
通常だと1番と3番の間のスイッチはオフだが…
2番と4番の間のコイルに電気が流れると、オンになる
b接点リレーとは?
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b接点リレーとは、コイルに電気が流れている間だけ、接点がオフになるリレーのことです。
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これ、どう使えばいいのでしょう?
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え〜っと、例えば「スモールオンの間だけデイライトを消す」といった制御ができますよ。
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あー、そういうことね。
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何かの電気に連動させる形で、何かの電装品をオフにしたいときに使えるのが「b接点リレー」です。
通常だと1番と3番の間のスイッチがオンの状態
2番と4番の間のコイルに電気が流れると、オフになる
c接点リレーとは?
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そして、a接点リレーとb接点リレーをひとつにまとめたのが、c接点リレーということになります。
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どういうことですか?
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コイルに電気が流れている間オンになる接点と、オフになる接点を合体させるとこうなります。
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コイルに電気が流れている時と、いない時で、接点が切り替わるタイプのリレーが、c接点リレーです。
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c接点リレーは、1つの電源に2つの電装品をつなげて、切り替える、という用途ですね。
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これはつまり、5極リレーってこと?
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そうですね。c接点リレーは端子が5つ必要なので、5極リレーということになりますね。
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ところで、DIYライフが販売しているのは、最初のa接点リレーでしたね。
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今回の話の流れでいくと、次はb接点リレーも販売するんですか?
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いや、車の電装では、b接点リレーはほぼニーズがないので、販売予定はないです。
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え、ニーズがない? スモールオンで何かを消す、なんて需要はありそうな気もするんですけど?
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それはね〜、車業界ではc接点リレー(5極リレー)が普及し過ぎてしまっているからなんですよ〜。
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でもbとcでは、役割が違うのでは?
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c接点リレーは、「コイルに電気が流れていると、オフになる接点」を持ち合わせているので、この端子にだけ電装品をつなげば、b接点リレーと同じことができるんです。
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つまり、スモールオンに連動させて、デイライトを消すとかフォグランプを消すとか……、
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c接点リレーならできます。電装品AとBの切り替えではなくて、電装品Aと電装品ナシの切り替え、と考えればよいですね。
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なるほどね!
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電源取り出し用途ではa接点リレー(4極リレー)、それ以外の応用ではc接点リレー(5極リレー)という2種類で、リレーが語られているのが車業界の実情であります。
定番のエーモンの5極リレーの例。これもc接点リレー。
DIYライフの12Vリレーは、オーソドックスなa接点リレー。別売りでソケットも販売している。
リレーの使い方についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:藤本壮啓
某カー用品メーカーに長年勤務し、車業界にDIYを広めた伝説の広報マン。現在は独立して、DIY用品を扱うセレクトショップ「DIYライフ」を設立。単なる製品の宣伝トークではない、DIYユーザー側に立ったアドバイスが持ち味。通称「フジモン」。
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