車を便利にする電装DIY
LEDフットライトを、スモール連動(イルミ連動)で減光させる方法
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LEDフットライトをスモール連動(イルミ連動)で減光させる方法。LEDフットライトは、「点灯したときには明るく、その後スモールランプ点灯に連動して一段暗くなる制御」があるか・ないかでは、全然違う。電気が苦手ぎみでも、DIYでできるやり方を紹介しよう。
スモール連動(イルミ連動)で夜間は減光させる、純正っぽく制御
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「ドア連動+スモール連動で光るLEDフットライトを作るには?」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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今回のテーマは、LEDフットライトをスモール連動(イルミ連動)で減光させる方法です。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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単なるスモール連動とは、ぜんぜん違いますよ~。
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スモール連動とは、スモールオンに連動してフットライトが光ることですね。
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今回やりたいのは、そのタイミングで減光する制御です。
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まずはACCオンでLEDフットライトを点灯させるとしても、そのままの明るさでは夜間は眩しくて光が邪魔になるケースもあるかと思いますので。
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エーモンの3連フラットLEDのような明るいLEDを使った場合は、なおさらですね。
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そこで便利なのが「イルミ減光」です。スモールランプの点灯に連動して、後付けしたLEDフットライトなどの明るさが一段暗くなる、という仕掛けです。
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夜だけ、LEDの明るさを抑えるということですね。
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そうです。
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電子部品の知識がある人は抵抗などを使うんだと思いますが、ここでは専門的な知識がなくてもできる、エーモンアイテムを使った方法を解説します。
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まず、エーモンのアイテムでLEDを減光させるためには、LED調光ユニットが必要になります。
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この「調光ユニット」というのは、明るさを調整するためのパーツですね。
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そうですね。
これを使って、減光具合を決めるんです。 -
なるほど。
どのくらい暗くしたいか、選べるんだ。 -
10段階で明るさを調整できます。ボタンを押すごとに、明るさが変わります。
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では、取り付け後に、実際の減光具合を見ながら設定を考えればいいですね~。
Amazonでも販売しているエーモン LED調光ユニット(2857)
ACC電源とイルミ減光の切り替えに、5極リレーが必要
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そして今回も、リレーが登場します。
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LEDフットライトの電源は、「ACC電源」と「イルミ減光時の電源」の2種類が登場します。
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フムフム。
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ということは、ひとつの電装品(LED)に対してふたつの電源を切り替えますから、5極リレー(1c接点リレー)が必要になります。
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そして、まずはフットライト用のLEDと、5極リレーを以下のようにつなぎます。
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LEDのプラス線をリレーの赤につなぐ。これは普通の使い方ですね。
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ハイ。リレー内部では赤と白がつながっていますから、白の先にACC電源を取っておけば、ACCオンでLEDフットライトが光ります。
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ふむ。
まずはACC連動フットライトができた。 -
いっぽう、リレーの接点を切り替えるトリガーとなる「青」にはイルミ電源を取り、「黒」はアースします。
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これで、スモールオンのタイミングでリレーの「青」→「黒」の間に電気が流れますね。
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するとリレー内部の接点が切り替わって、「黄」→「赤」がつながります。
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ということは……
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この「黄」の先に、イルミ減光時の電源をつなげばよいことになります。
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分かりました! 「黄」の先に調光ユニットをつなげばいいんだ!
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えーっと、それはダメなんですよ、残念ながら……。
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なんでよ?
Amazonでも販売しているエーモン 5極リレー(3237)または、エーモン コンパクトリレー5極(3234)を用意。
調光ユニットをリレーにつなぐには、出力変換ユニットが必要
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今現在ラインナップしているエーモンの調光ユニットは、仕様としてマイナスコントロールなんですよ。
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ということは、どういうことなの?
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この調光ユニットは、単にLEDのプラス線につなぐだけではダメなんですよ。マイナス側で、減光の制御をしているので。
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じゃあ、どうつなぐの?
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プラス線とマイナス線の両方をつながないとダメなんですね。
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そうなんだ。
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調光ユニットの2本の出力線は、どっちもつながなければなりません。
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でもいまは、5極リレーの「黄」の1本にだけつなごうとしているんだから……困る。
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しかも、リレーの「黄」に入れるのはプラスの電源でないといけません。しかし調光ユニット側はそもそもマイナス制御なので、つなげないのです。
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どうしましょう?
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そこで登場するのが、出力変換ユニットです。
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あまり見かけないエーモンアイテムですが……これは?
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マイナス出力をプラス出力に変えるアイテムなんですよ。
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なんのこっちゃ……???
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今回の例でいうと、調光ユニットの出力はマイナス出力。そのままでは電源として使えませんが、この出力変換ユニットを間にかませれば、プラス出力の電源として使えるようになるのです。
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ふおぉ……。
そんなことできるのか。 -
使い方も簡単です。出力変換ユニットからは、青・赤・黒の3本線が出ています。
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基本的に「赤」が電源なんです。
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フムフム。
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そして「黒」はマイナスの入力で、「青」が出力です。
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では、「青」を5極リレーとつなぐってことね。
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そうですね。そして「赤」と「黒」を調光ユニットとつなぎます。
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3者が出揃った、配線図の全体としてはこうなります。
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調光ユニットの「赤」にはイルミ電源をとっておき、「黒」はアースします。
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スモールオン時は、調光ユニット経由の電源が流れてくるんだ~。
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ちょっと使用する材料が多くなってしまいましたが、エーモンアイテムでイルミ減光(スモール減光)をやろうとすればこうなります。
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なるほど。
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なお、ここで使っている出力変換ユニットの容量は、マックス0.75アンペアとなっています。リレーよりは少ないので、ココが容量制限となりますね。
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0.75アンペアってことは、750ミリアンペアだから、十分な気もしますけど。
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エーモンの3連フラットLEDが、ひとつ60ミリアンペア。4席フットライトだったとして、合計240ミリアンペアですから、まあ余裕ですけどね。
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というわけで、この配線方法でACC連動+イルミ減光(スモール減光)フットライトが作れます。……というか、フットライト以外にも応用できそうですね。
※ 昔の調光ユニットはプラスコントロールでした。
エーモンの出力変換ユニット(1557)
フットライトを取り付けする前に知っておくべき基礎知識・応用知識についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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