電源取り出しのQ&A
サブウーファー取り付け時の「ACC電源」の取り方と、注意点
サブウーファー取り付けの疑問。ウーハーを駆動させるメインの電源はバッ直ケーブルで取るのだが、このバッ直ケーブルのリレーを動かすためのACC電源をどこから取ったらいいか。またヒューズ電源(ACC電源)のアンペア数は?
サブウーファーの電源はバッ直で取る。この場合のACC電源の役割とは…
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サブウーファー取り付け時のACC電源の取り方について、読者の方からこんな質問をいただきました。
●レポーター:イルミちゃん
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これはつまり、メインの電源をバッ直ケーブルで取りつつ、バッ直ケーブルのリレーを動かすためのACC電源をどこから取ったらよいか、ということですね。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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そのようです。
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……であれば、ヒューズ電源(ACC電源)のアンペア数は気にしなくて大丈夫ですね。
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何アンペアでもいいと?
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そうですね。なぜかというと、この場合に必要なACC電源は、サブウーファーのメイン電源ではありません。
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電源としては、バッ直(バッテリーから直接電源を取る)ですからね。
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では、なぜACC電源が必要かというと、ACCオン(あるいはIGオン)のタイミングでリレーを動かし、バッテリーの電気をサブウーファーに流したいからです。
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バッ直ケーブル等で使われているリレーの仕組みは、別記事で解説しています。
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上はエーモンリレーの例ですが、図の「青」に取るのがACC電源ですね。
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ハイ。コイルにACC電源を流すと、リレーのスイッチがオンになる(バッ直の電気が流れる)仕組みです。
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この場合のACC電源は、正確に言うと「電源」ではなく「信号」として欲しいだけですので、容量は少なくてもよいことになります。
■ 質問
バッ直でサブウーファーを取り付けようとしてます。そのサブウーファーは150Wで、10Aのヒューズがついています。バッ直ケーブルを使用し、(電源はバッテリーから取りつつ)ACC連動させるためにヒューズ電源を使うようですが、この場合のヒューズ電源のアンペア数は、どのように選べばいいのでしょうか?
質問╱ せいみうサン
✔ サブウーファーの場合は、そもそもバッ直で電源を取る想定のものが多く、バッ直用のケーブルが付属していたりする。
バッ直ケーブルのリレーを動かすために必要なアンペア数はどの位?
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リレーのコイルに流す電流がどの位必要なのかは、リレーによって異なりますが……
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そこはちょっと、質問者の方も把握はしていないと思われます。付属品っぽいですし。
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ですよね。まあ、正確な数字はともかく、何十ミリアンペアというレベルの電気で十分なんです。
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フムフム。
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コムエンタープライズのコンパクトリレーを例にすると、40ミリアンペアです。
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もっと大容量のリレーになると、コイルに流す電流もアップしますが、それにしても数十ミリアンペアレベルです。
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なるほど。
砲弾型LED数発分ていど……ですね。 -
そうなんです。例えばヒューズ電源としては定番のエーモン製を使うとすると、最大5アンペアの電源を取り出せるタイプが主流ですよね。
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何アンペア取り出せるかは、交換するヒューズ自体のアンペア数によっても変わりますが、こうなっています。
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5アンペアということは5000ミリアンペアですから、数十ミリアンペアのリレーは余裕で動かせます。
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なるほど〜。仮に少ないほうに転んだとして3アンペア取り出しでも余裕ですね。
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というわけで、ヒューズ電源のアンペア数は気にしなくていいのです。
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じゃあ、ドレでもいいんですね。
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うーん。ドレでもいいというと、ちょっと語弊がありますけども……。
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あれ? 何アンペアでもいいのでは? 言ってるそばから、どーゆーこと?
コムエンタープライズの12V用コンパクトリレー(5極)。容量の大きい12Vパワーリレーもある。詳細はコムエンタープライズの保守パーツ一覧から。
業界標準のエーモン製ヒューズ電源
█ エーモン製ヒューズ電源を使って取り出せる電流量
交換するヒューズのアンペア | 電源として取り出せる量 |
---|---|
5アンペア | 3アンペア |
7.5アンペア | 5アンペア |
10アンペア | 5アンペア |
15アンペア | 5アンペア |
20アンペア以上 | 10アンペア |
ミラーやシガーソケット関連のACC電源(またはIG電源)が狙い目となる
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電力的な話から言うと、数十ミリアンペアのACC電源が取ればいいのですから、そういう意味ではACC電源ならどこでも、ということになりますけれど……
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フムフム。
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ただ、今回付けるのが、サブウーファー。リレー自体には、大電流が流れます。
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そうですね。
常時電源のほうは、たくさん電気が流れます。 -
そういうリレーの線を、うかつな場所につなぐのはノイズの原因になる可能性があるので、そこはいちおう警戒しておきましょう。
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ノイズか!
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例えば今回の質問者の方はヒューズから取るつもりだから関係ないですが、今回のようなケースで、ACC電源をナビ裏から取るのはやめたほうがいいです。
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ようは大電流を流すリレーとつながる線をナビの線につなぐのは、テレビやラジオにノイズが乗る可能性があるので、避けたほうが無難です。
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なるほどね。
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同じ理由として、ヒューズから取るにしてもオーディオ関連のヒューズは避けたいところです。
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ではどういうヒューズがいいのでしょう?
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ACC電源(あるいはIG電源)であればいいのですから、例えばミラー用(※格納やミラーを動かすのに使う)ヒューズとか、シガーソケット用のヒューズのほうが無難と言えます。
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そういうことか〜。
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僕らも、オーディオ関係の線はノイズのリスクを考えて、あまり電源を取ったりはしないんですよ。
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覚えておいて損はない話ですね〜。
ナビ裏からもACC電源は取れるので、取り方としては比較的定番的だが。
上写真の例だと、ミラーとオーディオ関連が兼用ヒューズになっているので、こういう場合は電源ソケット(シガーソケット)のヒューズが良い。
ACC電源を探すときは、検電テスターだけで判断するのではなく「よりリスクの低い場所から取り出す」視点が重要。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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