塗り分け塗装の知識
塗装前のマスキングテープの貼り方講習③
塗装をする前のマスキング術をプロに学ぶ〈マスキングテープの貼り方講習〉。第3回は「塗装直前のマスキング」。慎重度・最高レベルのマスキングのポイントがわかる。なお塗装職人によってやり方はいろいろだが、DIYラボアドバイザーの「ほんだ塗装」は、控えめに言ってもマスキングにウルサイ。
本番の塗装前のマスキングテープの貼り方は、何が違う?
-
「塗装前のマスキングテープの貼り方講習(第2回)」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
-
足付けが終わったら、いったんマスキングを剥がして、改めて塗装用のマスキングを行います。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
-
つまり、ここからは本番の塗装前のマスキングですね。
-
基本的なマスキングテープの貼り方は「塗装前のマスキングテープの貼り方講習①」で説明しましたので、ここでは塗装前のマスキング独自の注意点について触れます。
-
ここは、より慎重に貼らなくてはダメですよね。
-
まずは、エアーでよーく掃除しましょう。これ大事。
-
……というのも、足付け作業をした後は、スミッコのところに粉が付いていたります。
-
ペーパーで磨いたわけですからねぇ。
-
そういう粉の上から、普通にマスキングテープを貼ってしまうと、ギザギザになってしまいますので。
-
表面をしっかりキレイにしなくては。
-
足付けした箇所は艶がなくなっています。元の境界線がどこだったかは、見れば分かりますよね。
-
塗装が落ちているラインなどは明確です。
-
この足付けの境界線に沿って、ラインテープから貼り直します。
-
ラインテープは、「本番の塗装前のマスキングでは、より注意深く貼る」必要があります。
-
前のラインテープ貼りも十分丁寧でしたが、何か違いがあるのでしょうか?
-
ここでのポイントは、ラインテープに入ってしまった空気をしっかり抜くこと。
-
空気?
-
ラインテープを貼ったところをよーく見ると、部分的に空気が入って色が違って見える箇所なども出てきます。
-
ムムム。
ホントだ。 -
そういう箇所は、爪や指先などで空気を押し出しておきましょう。
-
「空気が入っている」=「テープが浮いている」ということなので、放っておくと、塗装時にミストが入る可能性があります。
-
色が付いてしまうかもしれない!
-
そうなんです。足付けのときは、ペーパー傷が付かないように保護できれば十分でしたが、本番は塗料がかかりますから。
-
完全に密着させておかなくては。
ラインテープの次に貼るマスキングテープは貼り方注意
-
それから、ラインテープの上からマスキングテープを重ねて貼る場面での注意点。
-
確か、15ミリのマスキングテープを、ラインテープに重ねながら貼るんでしたよね。
-
そうなんですが、ラインテープに対して重ねすぎる貼り方もよいとは言えません。
-
重ねすぎる……?
-
例えば、ラインテープの大半を覆い隠すように、ギリギリのキワまでマスキングテープを貼ってしまうのは、塗装前のマスキングではNGです。
-
ハミ出なければ問題ないような気がするんだけど……なにがダメなの?
-
塗装後に剥がすとき、マスキングテープといっしょにラインテープが剥がれる可能性があるからですよ。それは困るんです。
-
どうせ全部、剥がすんでしょ?
-
剥がし方はまたあとで説明しますが……とにかく最後は「ラインテープ1本だけを残したい」のです。
-
ラインテープは単独で剥がしたいんだ。
-
そう。だからマスキングテープが重なり過ぎていて、いっしょに剥がれたら困ります。
-
なるほど。
-
ですから1列目のマスキングテープは、あまりラインテープのキワまでは攻めすぎないように貼るのがコツ。
-
半分程度、重ねるように貼っていけばいいですね。
-
紙のマスキングテープでは曲線は作れないので、ちぎりながらラインテープに追従するのは、最初に貼ったときと同じです。
-
足付けマスキングでは、ラインテープ→15ミリのマスキングテープの次は、40ミリを使いましたよね。
-
しかし塗装前のマスキングでは、40ミリではなく24ミリのマスキングテープを使います。
-
足付けのときとは、テープ幅を変えるのはなぜ?
-
塗装前のマスキングでは完全に全てをカバーする必要があるので、マスキングペーパーを使いたい。24ミリのマスキングテープはその下準備です。
-
……プロはマスキングひとつとっても、いろいろな手法を使い分けるなァ。単純な繰り返し、じゃないんだよね。
✔ 最後はマスキングテープを除去し、残ったラインテープ1本で塗装を切る。これが塗り分けの最終工程。
ほんだ塗装で、DIYラボ連動キャンペーン実施中…!
電話でもメール相談でも、最初に、「DIYラボを見た」と言えば、「塗装代」や「取り付け工賃」が10%オフになる。「パーツの持ち込み塗装」の料金交渉も柔軟に応じてくれる。
DIY Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
関連記事
- 塗り分けにガンメタを使うのは定番だが、そこには理由がある
- 塗り分け塗装の段差を、小さくしたいなら…
- マスキングテープの幅は、何種類か用意して使い分け。何ミリ幅が必要?
- マスキングテープとラインテープの違いは重要
- 塗装前のマスキングテープの貼り方講習(第1回)
- 塗装前のマスキングテープの貼り方講習(第2回)
- 塗装前のマスキングテープの貼り方講習(第4回)
- マスキングテープの剥がし方。塗装が剥がれる事故はなぜ起こるか?
- マスキングテープの剥がし方。最後は塗装を切るイメージで
- 塗装が必要な「パーツ持ち込み」で、ユーザーが注意すべきこと
- エアロパーツの塗装料金(費用)を調べる前に知っておくべきこと
- ブレーキキャリパー塗装の基礎知識。塗るメリットとデメリット
- ホイール塗装は剥がれるリスクが高い
- 缶スプレー塗装に必要なもの。プロと同じ作業を身近なアイテムで
- 缶スプレー塗装でキレイに重ね塗りするコツ
- ディフューザーやフォグカバー(バンパーの樹脂部)を塗装する小技
- リアディフューザーの塗装料金の目安と、値下げ交渉する余地
- エアロパーツ「塗り分け」塗装のコツと注意点
- エアロパーツの選び方。デザインだけで選んでよいのか?
塗り分け塗装の知識
その他