リア用キャンバーボルトをJラインが開発中

キャンバーボルトは、実質的にはフロント用（ストラット式サスペンション用）の足回りパーツ。リア用キャンバーボルトはなかったが、キャンバーボルトをリアにも付けたいという要望が増える中、Jラインが動いた。

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  これは、風のウワサで聞いたのですが……

  ●レポーター：イルミちゃん

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  どうかしましたか？

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  Jラインがリア用キャンバーボルトを作っているとかナントカ。

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  ……風のウワサねぇ。

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  どうなんでしょうか？

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  実は去年、いちど試作品を作ったのですが、思った通りにはいかなくて、作り直しているところなんですよ。

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  なんと。
  例の設計図（※）は本物だったのか!!

  ※「DIYラボ・2020年の動向と展望と……」の後半参照。

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  ん？

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  ……あ、いや……なんでもありません。それにしても、氏家研究員！

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  なにか？

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  リア用のキャンバーボルトって、言っていることがおかしくありませんか？

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  そう？

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  だって、キャンバーボルトはストラット用のパーツだから、リアの足まわり（※）には使えないって言ってたじゃないですか。

※ 一部の例外車種を除けば、キャンバーボルトはフロントにしか使えない。「リア用のキャンバーボルトはなぜないの？」参照。

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  いまJラインが開発中の新型キャンバーボルトは、ストラット用ではないってことですよ。

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  ホー。

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  ようするにダブルウィッシュボーン用のキャンバーボルトを開発中なんです。

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  リア用ってそういう意味かぁ。

今作っているのは、30アルファード╱ヴェルファイアのリア用です




試作品のリア用キャンバーボルト。

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  アルファード用ってことは、今度のキャンバーボルトは車種別専用設計ってこと？

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  そうなんです。
  構造的に、汎用としては作れませんね。

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  どういう仕組みでキャンバー角が付くのでしょうか？

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  リアのアッパーアームを固定しているボルトを、純正からキャンバーボルトに交換するんですよ。

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  ホホウ。

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  純正ボルトより細いボルトに交換してガタを大きくしてキャンバー角を付ける、という仕組みは、従来のキャンバーボルトと同じですね。


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  発想は同じだけど、交換するボルトの場所が違うってことですね。

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  そうです。ただ、リアアッパーアームのボルトを交換しても、ストラット式のキャンバーボルトのようには、キャンバー角は付きません。

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  そうなんだ。

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  用途としては、リアのホイールサイズで攻めすぎて、ちょっとだけ当たってしまう……なんていう場面を想定したものです。

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  フムフム。「リムが、あと数ミリ内側に入ればかわせるのに」みたいな場面ですね。

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  そうです。だからといって、それだけのためにアッパーアームまで買うのは、費用がかかり過ぎるでしょう。

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  リア用キャンバーボルトに付け替えたら、何ミリ位、ツラが内側に入るんですか？

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  そこを今、試行錯誤しているところですが、最終的には5ミリ位になると思われます。

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  細くすればするほどキャンバー角が付く仕組みは同じなんですよね？

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  そうなんですが、アッパーアームのボルトは純正状態でも強めの締め付けトルクで締まっています。

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  ふむ。

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  極端に細いボルトにしてしまうと、高張力のボルトを使っても、純正同等の締め付けトルクをかけられなくなるので、細すぎるのはリスクがあります。

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  ……なるほど。

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  純正同等の締め付けトルクをキープしてできる限界としては、数ミリ入れる程度ってことですね。

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  製品版が完成したら、さっそく検証してみたいと思います。それにしても、2020年にリア用キャンバーボルトが出てくるのは確かなようですね。