リアキャンバーボルトで、キャンバー角は何度つく？ ホイールツラは何ミリ入る？

キャンバーボルトのリア用（※試作品）完成速報。足まわりマニアにとって、長らく待望のアイテムだったJライン・リアキャンバーボルトは、どんな仕様に仕上がっているのか。7月上旬頃の発売を前に、早速装着して、効果を検証してみた。

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  以前に、「リア用キャンバーボルトをJラインが開発中」であることをレポートしましたが……

  ●レポーター：イルミちゃん

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  お待たせしました。
  ようやく開発が完了しました。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員



✔ Jラインのリアキャンバーボルト。第一弾となる30アルファード╱ヴェルファイア用（前期・後期ともに適合する）

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※未発表製品なのでリンク先はまだない。

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  おぉ～。
  これがリアキャンバーボルトか～。

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  以前に説明した通り、このリアキャンバーボルトは、ダブルウィッシュボーン用のキャンバーボルトです。

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  普通のキャンバーボルトは、ストラット式の足回り専用品です。だからリアには付かない。

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  アルファード╱ヴェルファイアは、30系前期になってリアの足回りがトーションビーム式からダブルウィッシュボーン式に切り替わりました。


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  ダブルウィッシュボーン式の場合は、キャンバー角を付けるというと、アッパーアームを交換するのが定番です。

30アルファード用のアッパーアーム



✔ その効果は「アッパーアーム交換（短縮加工）で、キャンバー角は何度付く？」参照。

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  ただ、このアッパーアーム交換というのは、ちょっと大げさですよね。

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  ふむ。
  値段的にも安いモノではないし。

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  キャンバー角を付けるのが目的ならともかく、「少しだけホイールのツラを入れたい」用途では、アッパーアーム交換まではなかなか考えないと思います。

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  それは例えば、リアホイールがちょっとだけ出てしまった時とか？

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  そうですね。リアのホイールサイズ（オフセット）で勝負し過ぎて「ほんの数ミリハミ出てしまった」、もしくは「走行中にタイヤがフェンダーに当たる」といったケースです。

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  うーん。
  実によくある話。

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  Jラインが新開発したリアキャンバーボルトは、そういう用途を想定して作ったパーツです。

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  キャンバーボルトではあるけれど、キャンバーを付けるのが主目的ではない。

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  リアキャンバーボルトを付けても、極端にキャンバー角が付くわけではありません。

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  フムフム。

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  それより、ホイールのリムの頂点が、何ミリ内側に入るのか。ココが重要なのです。

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  では、実際に取り付けて検証してみましょう。

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  リアキャンバーボルトが大きな効果を発揮するのは、例えばこういう場面（↓）


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  どういった状況かというと……

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  これ以上車高が下がったら、ホイールのリムとフェンダーのツメが接触してしまう。

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  ……つまり、このまま走行したらバウンドしたときに当たって傷が付くのは必定。

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  新しいホイールを買って、もしもこのようなマッチングになってしまったら、フェンダーのツメを切ることが多かったと思います。今までだったら。

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  アッパーアーム交換は値段も高いし。

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  しかし、車のツメを切るのは抵抗がある人は多いはず。

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  氏家研究員も、ツメは切らない派ですもんね。

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  こういう場面のために作ったのが、Jラインのリアキャンバーボルトなのです。

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  キャンバーボルトで、ツメをかわせるのでしょうか？

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  実際に取り付ける前に、今の状態をスケールで測ってみると、フェンダー外側からツメまでは14ミリほどです。

 >> ホイール リムの頂点が、14mmツラウチ


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  これが何ミリ、内側に入るのか？

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  それから、簡易的にキャンバー角も測ったところ、現在のキャンバー角は6.1度となっています。

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  何度増えるのか。

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  それでは実際に、リアキャンバーボルトを取り付けてみましょう。

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  どうやって取り付けるの？

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  リアキャンバーボルトは、リアアッパーアームの外側、ナックルとの接合部分のボルトを交換します。



✔ ジャッキアップしてウマに載せた状態で行う。けっこう揺らす作業なので、ジャッキだけで行うのは絶対NG！

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✔ ボルトの締め付けトルクは、Jラインの説明書に書かれている。

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  ブレーキローター上部を押し込んでドンっと倒した状態で、ボルトを締めるのはフロントと同じなんですが……


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  注意点としては、しっかりドンっと奥まで入りきっていないと、ホイールツラの入り具合も甘くなってしまう点。

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  フムフム。

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  ウニュっという渋い感じのところだと、奥まで入りきってません。ドンっていう感触のところまでしっかり倒して締め付けます。

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  結果的に、けっこう大きな力をかけることになりますね。車体も揺れるし。

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  そうですね。だから、ジャッキだけで持ち上げて作業するのは危険です。

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  必ず、ウマに載せた状態で行いましょう。

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  以上の注意点はあるものの、取り付け方法はいたってシンプルです。

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  さて、リアキャンバーボルトの効果のほどは……？

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  では、改めて、フェンダー外側からホイールのリムまでの距離を測ってみます。

 >> ホイール リムの頂点が、19mmツラウチ


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  14ミリから19ミリになった……ということは、5ミリほどホイールのツラが内側に入りました！

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  キャンバー角も同じように簡易測定すると、6.9度になりました。

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  リアキャンバーボルトを付ける前は6.1度でしたから、0.8度のキャンバー角が付いたということだ。

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  キャンバー角でみると1度も付きませんが、ホイールの頂点を5ミリほど内側に入れる効果はあるわけです。

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  これって……。
  これが限界？

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  限界ですね。これ以上、キャンバーボルトを細くするのは、いかに高張力のボルトを使っても、締め付けトルク不足が懸念されますので。

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  なるほどね。でも、この5ミリは大きい！ 言うなればマイナス5ミリスペーサーの役割を果たせるんだから。

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  ホイールのリムをちょっと引っ込めたいとき、手頃な価格でできる解決策としてはいいんじゃないか、と思います。フェンダーのツメを切り落とすよりいいですよね。

フェンダーのツメをかわせた！


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  この車高でリムがフェンダーのツメをかわせれば、ここから先はどんどん内側に入るので、当たる心配もなくなりますよ。

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  このポイントでかわせるかどうかって、すごく重要なんですねぇ。

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  ハイ。
  リアキャンバーボルトはそのためのアイテムです。

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  注目のリアキャンバーボルトですが、発売はいつ頃でしょうか？

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  これはまだ試作品で、これから量産に入るので、発売は7月上旬頃になると思います。

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  第一弾となる30アルファード・ヴェルファイアは、リアホイールで勝負する（し過ぎる）人が多い車種だから、じわじわウケそうな気がします。

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  なお、初回生産ロットは50セットです。……って、これは言わなくてもいいのかな。

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  ……それ、少なくないですかね？ すぐ売り切れてしまいそうな……。