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足まわりコラム


J-LINEがキャンバーボルトに力を入れる理由

足まわりの超人気ブランド「J-LINE」が極秘に開発中の普通車用キャンバーボルト。リアアクスルメーカーが作るキャンバーボルトがなぜ注目なのか? 単なるスクープ情報ではなく、その重要性について解説します。

なぜキャンバーボルトが注目に値するのか!?

フロントにキャンバー角を付けるためのパーツが「キャンバーボルト」。ピロアッパーマウント調整だけでは大してキャンバー角が付かない車種が多いため、目に見える形でハッキリとフロントにキャンバー角を付けるためには、キャンバーボルトが必要になってくる。

足まわりメーカー・J-LINEの代表製品は言うまでもなく「リアアクスルキット」。J-LINEリアアクスルに交換すれば、

「低車高」
「キャンバー角」
「ホイールのインセット調整」


と多数のメリットを得られる。ただし、リアアクスルの恩恵に預かれるのは、言うまでもなくリアだけ

例えばリアアクスルで人気のキャンバー角は「5度」。 これについては、「J-LINEリアアクスルのキャンバー角 3度╱5度╱8度を徹底比較」でも詳しく紹介している。

しかし、リアだけ5度のキャンバー角を付けて、フロントのタイヤ&ホイールが真っ直ぐ突っ立っていたらバランスが悪い。当然フロントにもキャンバー角を付けたくなってくるわけだが、

「最近の普通車のストラット式(フロントの足まわり)はやっかいなんです。車高を落とすと、むしろキャンバー角が起きてくる」(J-LINE・氏家研究員)

最新の例でいうと30アルファードが分かりやすい。

ピロアッパー調整のみだとこんな状態だ!

キャンバー角が付いているようには見えない(↑)が、実際にはピロアッパーで倒して、ようやくこの状態なのだ。もしもピロアッパーで倒していないノーマル状態だったとしたら、

「ハの字どころか、逆のソの字になります」(J-LINE・氏家研究員)

ドレスアップの世界での一般的な認識だと、車高を落とせば落とすほどキャンバー角が付く、と思っている人が多いはず。それはもしかすると、セダン系のナチュラルキャンバーのイメージが強いのかもしれない。しかし最近の普通車のフロントの挙動は違う。

「純正車高を起点として、ある程度までは落とすほどキャンバー角が付くのは確かですが、ある一定のラインを超えると、逆にキャンバー角が起きてくる。そういう車種が多いんです」(J-LINE・氏家研究員)

落とせば落とすほどキャンバー角が付くのではなく、落とせば落とすほど起きてくる。「そんなバカな!」と思う人も多いかもしれないが、足まわりのアーム構造上、現実にそういう動きをする車種が多いという。

こういう事情があるため、低車高とセットでキャンバー角を追い求める人(むしろセットが普通だと思うが)にとっては、ピロアッパーマウントによる調整だけでは不満が残る可能性が大なのだ。

J-LINEがキャンバーボルトの開発に力を注ぐ理由が、ここにある。

普通車用のキャンバーボルトが軽自動車と異なる点

大ヒットした軽自動車用

高強度な焼き入れボルトを使い、表面仕上げはDISGO処理(ディスゴ処理:塗装ではない特殊な防錆処理)が施される。

軽自動車のJ-LINEキャンバーボルトはロングセラーになっているが、軽自動車用と普通車用では事情が異なる点がある。

「軽自動車の場合は車種が変わってもボルト形状が同じだった」ので汎用的に使い回しができたのに対して、普通車はそうはいかない。ナックルアームのボルトの太さや長さが、車種によって異なるのだ。

とはいえ、さすがに一車種ごとに異なるものではなく、数種類のパターンで共用化されている。J-LINEのキャンバーボルトは3タイプで、幅広い車種に対応できるようだ。

コンパクトカー用

写真は試作品。量産モデルの表面仕上げはDISGO処理が施される。以下モデルも同様。

アルファードや50プリウス他、多数の車種用

30プリウス用

他と比較すると長めのボルト。コレは事実上30プリウス用と言ってもよいモデル。

✔ キャンバーボルトの注文は、J-LINEのホームページの「CONTACT」または、TEL 022-367-7534

「30プリウスはナックルアームが(鉄ではなく)アルミ製なんです。アルミには鉄のような強度はないため肉厚に作られていて、そのためボルトも長い。これはむしろ特殊な例と言えます」(J-LINE・氏家研究員)

ちなみに50プリウスのナックルアームは鉄に戻っており、キャンバーボルトはアルファードなどと共用とか。このようにコロコロ変わる純正の仕様。それを追いかけて車種ごとのデータを集めるのは、膨大な労力がかかってしまう。そのためビジネス視点で見ると「人気車種しかやらない」というところにメーカーは落ち着きがちだが、J-LINEはおそらくそういう展開にはしないだろう。

なぜなら、前述したような理由で、「フロントのキャンバー角が切実に必要とされている」ことを知っているからだ。

リアアクスルがほぼ全車種を網羅する勢いで対応を増やしてきたのと同じように、キャンバーボルトも大半の車種に対応しようとするはず。フロントのキャンバー角対応は、リアのキャンバー角を極めたJ-LINEの使命のひとつ……と言えるのかもしれない。

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