ヘッドライトのLED化
最新のH4・LEDヘッドライトの明るさを、従来モデルと比較╱ハイビーム編
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H4・LEDヘッドライトの最新型と従来モデルを照射実験して、明るさを比較する。前回のロービーム編に続いて、今回はハイビーム編。最近はオートハイビームの採用が進んでいるため、ハイビームの明るさ・配光の重要度も高まっている。
これからはハイビームの「明るさ」「配光」まで気にする時代!?
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「最新のH4・LEDヘッドライトの明るさを、従来モデルと比較」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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今日はハイビームの明るさ比較です。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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ハイビーム???
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意外そうですね。でもH4のLEDヘッドライトは、ローだけではなくハイもありますよ。
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そりゃそうですが……LEDヘッドライトの明るさの話題で、ハイビームってあまり重視されていないような? その検証いる?
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今まではそうでしたが、実は新型のH4・LEDヘッドライトバルブを作るにあたっては、ハイビームにも力を入れていまして。
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ほぉ。
それはまたどうして? -
最近の車で、オートハイビーム(※)の採用が急速に進んでいるからですよ。
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ああ、そういえばそうですね。国がハイビームを推奨しているせいもありますが。
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今回のモデル車のジムニーにも付いていますし。(※ハイビームアシスト)
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軽自動車でも、オートハイビームの採用が進んでいる。
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そうなんです。これまではハイビームってほとんど使う機会がなかったけれど、こうなると積極的に(自動的に)使われる機会が増えてきます。
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なるほど、なるほど。
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……となると、H4のLEDヘッドライトにおけるハイビーム時の明るさも、無視できなくなってくるのではないか、とIPFは考えました。
IPFの新型H4・LEDヘッドライトバルブ・341HLB2
(※)対向車などを検知しながら、ハイビームとロービームを自動で切り替える機能。
ハイビームは中心の明るさこそ重要!?
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前回はロービームで、純正ハロゲン・従来モデル・新型モデルの明るさ比較をやりましたが、今回はH4のハイビームで検証します。
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ハイビームはもっと分かりやすく、中心光度が高くなっています。
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まずは、明るさの分布を見てみましょう。
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従来のLEDヘッドライトは「全体的に明るい」でしたが、新型モデルでは「中心がガッツリ明るい」になりました。
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分かりやすく言うと、真ん中に光を集めている?
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そうですね。ハイビームにおいては中心の明るさが重要だからです。
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なぜ、そう言えるの?
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ハイビームの目的は、遠くまで照らすこと。中心光度が上がるほど、遠くまでよく見えるようになります。
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ロービームはカットライン直下が重要なのに対して、ハイビームは中心の明るさこそ重要なんだ。
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そういうことですね。
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では、次にハイビーム壁ドンで、明るさと配光を比較してみます。
従来モデル・ハイビーム
✔ ヘッドライトの明るさの分布が分かる「等照度曲線」
新型モデル・ハイビーム
明るさムラを解消した最新型LEDヘッドライトの強味は、ハイビームにも効く
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ところで前に新型のH4・LEDヘッドライトでは、明るさムラ問題を解消したという話をしましたよね。
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「ロービームのシマシマ」が消えたってやつ。
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ハイビームでも事情は同じなんです。むしろ、ロービームより分かりやすく差が出ています。
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本当だ。
新型のH4・LEDヘッドライトではムラがない。 -
ハロゲン同様に真ん中に光を寄せてきて、それによって中心部の最高光度も高くなっているのです。
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配光の進化で、明るくもなるっていう話ですね。
明るくなってLEDヘッドライトの消費電力も上がっているが、大丈夫なのか?
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ここまで、従来モデルと最新型のLEDヘッドライトの明るさ比較をしてきました。
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ルーメン値だけでなく、「路面を照らす光」も明るくなっていることが分かってもらえましたか?
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やっぱり配光性能の進化が、明るさに効いてるんですね〜。
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配光性能の差もありますが、そもそも消費電力も上がっているんですよ。
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……むむ?
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従来モデルはロービーム・ハイビーム共に24Wでしたが、新型モデルではロービーム32W╱ハイビーム36Wに上がっています。
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ロービームで8Wアップ、ハイビームは12Wアップ?
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そうです。ハイビームは使用時間がローより少ないことも考えて、ハイビームブーストという機能を入れました。
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……。
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どうかしましたか?
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いや、なんか、無理をして明るくしているように聞こえたから……。ブーストって言われても。
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いやいやいや。
そんな話じゃありません!! -
でも、ローもハイも消費電力を上げて明るくするっていうのは、熱も増えるってことですよね?
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それは……そうですね。
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つまり、けっきょくLEDヘッドライトバルブの寿命に跳ね返る……というオチ?
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違います!!
IPFはそういうことはしない会社です。 -
しかし、見たところ、従来モデルと新型モデルは大きさも同じですよ。
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相変わらずお尻がデッカイのも同じ!
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--( ;゚-゚)→グサ。
この大型ヒートシンクと冷却ファンは、放熱のためなので、継承しています。 -
そこですよ、市川研究員!
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ん?
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ヒートシンクは大きくなっていないのに、消費電力を上げて明るくしたら、熱問題が避けられないハズ!
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……仕方がない。
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ん?
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バラして中身をお見せしましょう。サイズは同じでも、中身の放熱機構はぜんぜん別モノなのです。
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もしかして……それこそが、明るさの秘密?
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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