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最新型(2017年モデル)のLEDヘッドライトバルブはここまで来た!
マニアに選ばれる後付けバルブを作るIPFが、この度LEDヘッドライトバルブをフルモデルチェンジ。カギは専用LEDチップで、純正配光の完璧な再現が可能。LEDヘッドライトバルブの最新モデルを探している人に、オススメの情報だ。
最新型LEDヘッドライトバルブなら、純正配光を完璧に再現できる
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ハロゲン仕様のヘッドライトをLED化する、後付けLEDヘッドライトバルブ。その最新モデルは何がどうスゴイのかレポートしたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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IPFのLEDヘッドライトバルブがフルモデルチェンジしました!
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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大人気バルブのモデルチェンジですので、何がどう変わったのか、おおいに気になるところです。
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まず、分かりやすいところで「明るさ」。従来モデルが(両側)で3600ルーメンだったのが、5000ルーメンまで引き上がりました。
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ふーん。
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あれ、反応が薄いですね?
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だって、今まで散々「ルーメン=路面の明るさではない」と教わってきましたからねぇ。そういう数字には、あまり踊らされても仕方ないっていうか。
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確かにDIYラボでは、ルーメンよりも配光の大切さを詳しく解説してきました。
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まあでも、同じ配光性能なら、ルーメンが高いほうがいいんですよね。
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同じではありません。配光性能もアップしました。これは数字でいくつ、とは言えないですけど。
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あれ? 配光なら、前からちゃんと出ていたじゃないですか。それがIPFの、一番のアピールポイントだったはず。
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カットラインもキレイに出ていたし。
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それはそうなんですが……究極的には、ハロゲンバルブ(純正の電球)とまったく同じように発光しないと、完璧な純正配光の再現にはなりません。
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ハロゲンバルブと同じように発光する? どういう意味ですか?
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ハロゲンバルブの場合は、正確に言うとフィラメントの部分が発光するポイントです。
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で、発光条件が近くなるようにLEDの位置(光源位置)を、フィラメントの位置に合わせていました。
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それは従来モデルで、すでにやっていたことですね。
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ところが今回は、LEDチップのカタチそのものから、フィラメントのカタチを再現しているんですよ。
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あー、ホントだ! よくぞここまで、ピッタリのチップがありましたね〜。
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ありませんよ、そんなの。
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ん?
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市場には存在しません。LEDヘッドライトバルブに都合のいいLEDチップそのものを、ゼロから作ったのです。
LEDヘッドランプバルブX2シリーズ。H11、HB3/4、HIR2のバルブタイプが登場。
従来型LEDヘッドライトの配光
H4のマルチリフレクタータイプでも、キレイなカットラインが出ている。
一般的なLEDバルブ開発とは全然違うことをやっている
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今の話、一般ユーザーには分かりにくいところだと思うので、少々ギョウカイ事情について触れておきます。
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まず、LEDチップというのは、実際に光る部分です。LEDヘッドライトバルブにも、四角いLEDチップが搭載されていますよね。
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しかし実は「LEDバルブ専用のLEDチップ」というのは、世の中に無いのです。
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では、これはなんなのか?
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チップ自体は汎用のLEDチップです。その中で我々バルブメーカーが最適と思われるものを選んで、車のLEDバルブとして使えるように設計していくのです。
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ヘッドライトに限らず、LEDバルブは全部そういうふうに作られているモノ……なんですね。
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そうです。自動車メーカーが設計する純正LEDヘッドライト(灯体)向けに作られたチップ、というのはあっても、交換バルブ用のチップなんてありませんでした。
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なるほど、なるほど。
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ところが今回は、自動車の後付けLEDバルブ専用に、LEDチップを作ったのです。
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……やっちゃった。
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だから、フィラメントの発光部分と同じ形にできたんですね。
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そうなんです。
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でもそこまでして、光源のカタチにこだわる意味はあるのでしょうか?
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こだわる理由は、それが配光に影響するからです。
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やっぱりIPFと言えば、配光なんですね。
従来型のLEDヘッドライト
H11タイプ。
新型のLEDヘッドライト
✔ ひとくちメモ
このチップは台湾のLEDメーカー・Lextar Electronics(レクスターエレクトロニクス)とIPFによる共同開発品。Lextar Electronicsは、液晶モニターで有名なBenQグループのLEDメーカー。
LEDバルブの光源のカタチがなぜそれほど重要なのか?
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光源の形にまでこだわった理由を、実際の照射で見ていきましょう。
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まず、純正のハロゲンバルブの配光ですが、カットラインのエルボー点の周辺がもっとも明るくなります。
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エルボー点とは、カットラインが左上がりのナナメラインに切り替わるポイントのことです。
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実際の光の分布を見ると、こんな感じになっているのが純正です。
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確かに、エルボー点の下が一番明るい。
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これはちゃんと理由があって、カットライン下が一番遠くの路面を照らす光だからです。
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遠くを照らす光ほど強い。
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そうすることで、実際の路面の明るさが手前から奥まで均一になります。
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あのー。
市川研究員。 -
なんでしょうか?
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要するに、そもそも論として「ハロゲンバルブが一番スゴイ」ってことになりませんかね、この話は?
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それはハロゲンバルブがスゴイというより、ヘッドライトの設計自体がハロゲンバルブに合わせて作られているから、このように完璧な配光が出ているのです。
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あー、そういうことね。
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従来型のLEDヘッドライトバルブも、できるだけハロゲンバルブの光源の条件に近づけて、こうなっていました。
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しかし厳密に言うと、最高光度点(※一番明るいポイント)が純正に比べて下のほうに来ていました。
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LED化したことで全体として明るくはなっていても、光の分布は純正とまったく同じではなかったのです。
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で、今回の新型LEDヘッドライトバルブだと……
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あ。純正と同じ光の分布のままで、全体的に明るくなっている!
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この光の分布まで含めて「配光」なんです。
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実際に片側に新型LEDヘッドライト、片側に純正ハロゲンバルブを入れて、壁ドンしてみると……
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純正配光をきっちり再現しつつ、白く明るくなる! ということですね。
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しかし、配光のためにチップから作るとか……やりますかねフツー。
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フツーはしませんね。コストとかいろいろありますからね。
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技術部が暴走気味の会社だからこそ出来たLEDバルブ、と言えそうです。今どき珍しい社風ですね。
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それ褒めてるんですよね???
光の分布はこうなっている
等光度図、と言う。
従来モデルのLEDヘッドライト
新型LEDヘッドライトX2シリーズ
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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