ヘッドライトのLED化
ケルビン数だけでLEDヘッドライトの色は判断できない!?
ケルビン数とLEDヘッドライトの色のマニアな話。3000K(ケルビン)は電球色・6000~7000Kなら白・8000K以上なら青白……そう思っていた人が多いはずだが、実は6500ケルビンの白にもいろいろな白がある。どういうことなのか、わかりやすく解説する。
6500ケルビン(白)のLEDヘッドライトという点では同じだが……別モノ?
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「LEDヘッドライトのムラ(明るさムラ)は、配光性能の進化で消せることが判明」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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まずは配光の話から入りましたが、今日は色の話です。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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そういえば今回の新型H4・LEDヘッドライトバルブって何ケルビンなんでしょう?
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6500ケルビンです。
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え~っと、従来モデルは?
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6500ケルビンですね。
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進化してないじゃん。
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……あのですね、ケルビン数だけが色ではないんですよ。
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どういうこと?
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新型のLEDヘッドライトバルブ・X2シリーズでは、LEDチップ(素子)から専用開発したという話をしましたが……
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このことは配光のほかに、色味にも関係しています。
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……え~っと、つまり?
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より、IPFが求める色を追求するためのオリジナルチップでもある、ということです。
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しかし、同じ6500ケルビンの白色で、なにがどう変わったというのでしょうか?
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そもそも、ケルビンはひとつの指標に過ぎませんので。
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……むぅ?
話題の新型H4・LEDヘッドライトバルブ・341HLB2
ケルビンだけでは伝わらない、色味のコダワリ
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一般的にケルビン数というと、それが色であるという風に思われがちです。
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3000ケルビンなら電球色、6000~7000ケルビンなら白、8000ケルビンなら青白……みたいな。
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しかし、実際には6500ケルビンの白にもいろいろな色があります。
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……?
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例えば今のLEDのトレンドは、発光効率を求めていて……どちらかといえば緑っぽい白にシフトしつつあるんです。
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緑っぽい白???
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そうですね。これは純正採用されるLEDも含めての、全体的な傾向です。
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それに対してIPFの求める白っていうのは?
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白の話なのに、緑とかピンクとか混乱してきますね。
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どう違うのか、従来モデルの6500ケルビンと、新型モデルの6500ケルビンを比較してみると分かります。
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従来モデルは発光効率を重視した、緑よりの白です。新型モデルは視認性を重視した白です。
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本当だ。
白といっても、ひとつじゃないんだ。 -
ここでは白い壁に対して照射しているので、従来モデルでも純白に見えますけどね。
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これがどっちも6500ケルビンだと?
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そうなんですよ。
この違いはケルビン数では表せないんです。 -
……なんかこういう話を聞いていると、ケルビン数でLEDヘッドライトの色を語ること自体、どうなんだという気がしてきます。
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まあ、黄色っぽいのか、白なのか、青白なのかの判断にはなりますが、それだけではないってことですね。
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汎用のLEDチップだと、色ランクを絞って調達するにしても限界がありました。
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それが従来モデルのLEDヘッドライトの白。
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いっぽうで、新型は最初から理想の白になるようにチューニングがなされています。これはLED素子メーカーとの協業で、はじめてできたことです。
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しかし、なぜ世の中のトレンドは「緑寄りの白」シフトなんだろう? 純白のほうが良くない?
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緑寄り白のほうが、数値的な明るさ(ルーメン値)は上げやすいんです。
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……そういう事情もあるんだ。
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しかし実際に照らしたときの「明るさ感」は少し別の話で、白のほうが明るくは見えます。
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フムフム。そしてIPFは、もともとルーメンアピールに走らないタイプだし。
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そこには別の理由もあって、IPFのLEDバルブを買ってくれるお客さんの傾向として、ものすごく色にこだわる人が多いんです。
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確かにマニアックな人が多そうだ。
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そんなみなさんの「期待に応える白」にこだわった、ってことなんです。数値で言えないので、伝わりにくいですが。
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どうやら、ケルビン数だけでLEDヘッドライトの色を選ぶ時代ではないようです。
IPFではあくまでも純白を求めていまして、緑っぽい白と比較するとややピンク寄りです
従来モデル 341HLB 6500K
新型モデル 341HLB2 6500K
JIS規格で定められた白色範囲も、ひとつではない。いくつもの座標の掛け合わせの白が存在する。
※色度範囲図
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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