ヘッドライトのLED化
H4のLEDヘッドライトバルブに大本命登場か!?
H4のLEDヘッドライトバルブを、今、探し中の人はある意味ラッキーと言えるかも。なぜなら現時点での最新技術を全部つぎ込んだバルブが登場したタイミングだから。数年前にLEDバルブ化した人でも、乗り換えを検討する価値あり。
大ヒットしたIPFのH4LEDヘッドライトバルブが、ついにフルモデルチェンジ
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H4ヘッドライトのハロゲン車に乗っている人には、これ以上のニュースはないかも知れません。
●レポーター:イルミちゃん
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IPFのH4・LEDヘッドライトバルブが、フルモデルチェンジしました。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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従来モデルのH4は2015年の9月に登場、売れ続けている大ヒットモデル。
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当時はLEDヘッドライトバルブというとルーメン値ばかりが誇張されている時代でしたが、IPFのLEDヘッドライトバルブは高い配光性能がウリでした。
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配光の大切さは、DIYラボでもず~っとご説明してきた通りです。
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特にH4はマルチリフレクター車(反射タイプ)がほとんどですから、バルブの配光性能がシビアに問われます。
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でも従来モデルでも、高い配光性能を持っていましたから、そこから大きく進化というのも難しそうですが?
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しかし、そうとは言いましても、あれから3年以上が経過しています。
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ふむ。
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当然、その間の技術の進歩がある。新しい部品もあるし、設計ノウハウの面でも新しい要素が蓄積されています。
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ナルホド。
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新型H4LEDヘッドライトバルブには、現時点での最新技術や部品を、すべてつぎ込みました。
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IPFの新型モデルを見れば、「社外LEDヘッドライトの最先端」がどうなっているか、よく分かりますよ。
H4のLEDヘッドライトは数あれど、チップ(素子)から作るのはIPFだけ!?
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それでは、なにがどう変わったのか、細かくチェックしていきます。
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いろいろありますが、まず、LEDチップ(素子)が大きく変わりました。
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ようするにLEDバルブの光源の部分ですね。
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このLEDチップは、LEDメーカー・Lextar Electronics(レクスターエレクトロニクス)とIPFによる共同開発品です。
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バルブメーカーなのに、チップから作ってしまったシリーズだ。
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ハイ。そのあたりの事情は先行して登場している、H11やHB3/4タイプのときにも触れましたが。
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この話、そのスゴさを理解するためにはちょっと知識が必要なんですが、一般的なLEDバルブは、チップはあくまでも汎用品を使います。
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そうですね。IPFの従来のH4・LEDヘッドライトバルブもそうでした。
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この頃は、世の中に存在しているLEDチップの中から、最も適切と思われるものを、我々がチョイスしていました。
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それを、「社外バルブ専用にLEDチップを作る」という動きにIPFがシフトしたのが2017年。H4バルブとしては、今回が初になります。
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フムフム。これはある意味、技術部の暴走によってできているわけですね。いつものように。
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……否定はしません。良くも悪くもそれがIPFという会社ですので。
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売れ筋商品の利益率を、フルモデルチェンジで下げてどうする!……と、営業部からクレームとか来てませんか?
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え~っと……少し話が逸れましたので戻しますね。
✔ チップから専用開発するIPFの「X2シリーズ」は、H11、HB3/4、HIR2のシングルバルブが先行して登場している。
※詳細については、「最新型のLEDヘッドライトバルブはここまで来た!」参照。
✔ 従来モデルでは汎用のLEDチップを4連で並べて、純正ハロゲンバルブのフィラメントの長さに合わせていた。
「LEDチップ(素子)から自前で開発する、社外LEDバルブ」というのは他に例がない。他社はなぜ追従しないのか? と不思議に思う人も多いかも知れないが、やらない理由は明白でコストが跳ね上がるからである。
製品価格に転嫁できるならともかく、今は「そこそこの性能で、安いほうが売れる」という時代。そんな中でモノ作りにこだわり過ぎると、利益率が下がる。カンタンに言うと儲からない。
IPFのように技術優先で「技術者がやりたいことを全部やる」モノ作りは、今どき非常に珍しい。
H4専用チップを新たに開発。純正よりワイドで、路肩まで見やすい配光
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そこまでして、IPFはなぜオリジナルチップにこだわるのか!?
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実は、H4のLEDヘッドライトバルブのフラッグシップモデル(※ファン付きモデル)については、H4バルブ専用で新たにチップを開発しています。
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H4専用チップって? さらなる暴走?
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H11やHB3/4のLEDヘッドライトで使っていたのは、3チップのLEDでしたが……
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つまり、ひとつに見えるLEDチップ筐体の中に、4チップ内蔵されているんですね。
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そうですね。その分明るさも出るし、3チップと比べてチップ自体がワンサイズ長いんです。
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長い?
それは妙な話だぞ? -
どうかしましたか?
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IPFがチップをゼロから作ったのは、純正ハロゲンバルブのフィラメント(発光部分)の位置・長さを正確に再現するためだったはず!
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そうですね。
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ここからさらに長くしたら、電球のフィラメントより長くなる、ということになりませんかね?
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ハイ。
純正光源より少し長いんです。 -
そんなことしたら、純正配光のリアルな再現にならないのでは?
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そこなんですけどね、H4・LEDヘッドライトバルブについては、純正配光そのままの再現ではなく、路肩付近までを明るく照らすワイド配光がウリなんです。
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あ。そういえば、従来モデルでもワイド配光をウリにしていましたね~。
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単に前方の路面を明るくするだけよりも、路肩まで明るく照らすほうが走りやすいので、この点は従来モデルから好評だったんです。
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その特長はそのまま引き継いでいるんだ。
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そうです。フルモデルチェンジではありますが、好評だったポイントは変えずに、そのまま正常進化させたかったんですよ。
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しかし、その点だけなら従来の汎用チップでもできていたはず。上の写真の通りで。
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そうですね。専用チップを搭載している意味は、ここからです。
同じLEDチップは、H4のファンレスモデルにも使われている。
H4 LEDヘッドライトバルブの上位モデルでは、4チップのLEDを使っているんです
✔ ロービーム用、ハイビーム用ともに4チップLED。
純正ハロゲンバルブ(H11)
IPFのLEDバルブ(H11)
※上写真は、先行して登場しているH11のLEDヘッドライトバルブ。
純正配光
IPF・従来モデルのワイド配光
写真は従来モデルのH4・LEDヘッドライトバルブ配光。
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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