社外エアサス導入ガイド（第15回）

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エアサス車でキャンバー角を調整するときは要注意！ 車高調とは異なる事情

エアサス車の大きなエアバッグは、うかつにキャンバー角を付けると車高調よりも干渉しやすい。キャンバー角を付けたい人は「調整式」一択と思われがちだが、固定式でリスクを取らないキャンバー角にする手もあると知っておこう。

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  エアサス連載、今回のテーマは「エアサス車とキャンバー角」です。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ちなみにACCエアサスのアッパーマウントは、固定式になります。

  ●アドバイザー：ACC タイソン研究員

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  ……ということはキャンバー角の調整はできない？

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  車種によっては、オプションのアッパーマウントでキャンバー角を付けることはできますよ。

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  フムフム。

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  ただし、それも調整式ではなくて、角度は固定でキャンバー角を付けるタイプになります。



✔ 例を挙げると、30アルファード用エアサス専用オプションのキャンバー（固定）アッパーマウント。アルファードの場合で10ミリ内側にオフセットする。

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  なぜ、調整式にしないんですか？

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  調整の幅を広げることに、リスクがあるからですね。

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  と言うと？

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  全長調整式の話と、同じようなことが言えます。「調整できる＝限界まで落とす・限界まで倒す」という使い方をする人は多いのです。

  ※「エアサスにも全長調整式があるが、良いかどうかは、人による」参照。

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  あー。
  ……分かる気がします。

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  しかし、エアサス車の場合は、キャンバー角をうかつに付けすぎると、エアバッグがタイヤハウスのインナー側と干渉してしまいます。

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  むぅ。

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  ストラット式の足回りで、キャンバー角をつける手法は「アッパー側を倒す」「ロア側をスライドさせる」の2つ。そしてアッパー側で倒すと、エアバッグはインナー側に接近することになります。


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  しかも車高調と違って、車高調のバネよりはエアバッグのほうが大きいのです。

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  あー！
  それって、当たるのも早い！

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  そうです。ロア側で倒す分には、ストラットが車体から離れていく方向なのでまだいいのですが、調整式のアッパーマウントで倒すのは、注意が必要です。

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  でも当たったら、少し戻せばいいんですよね？

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  そうなんですけど、なにしろ内側なので見えにくい。まずいのは、当たっていることに気がつかないことです。

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  ……どうなるの？

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  内側の壁に当たった状態でいると、エアバッグが破れたりする可能性がありますよ。

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  エアサス的には非常にマズイ話ですねぇ。

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  ハイ。ですのでACCとしては、「そもそもそこまで倒せないように設計する」という意図で、固定式を採用しているのです。

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  な〜るほど。

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  30アルファードの例ですが、アッパー側だけでなくロア側（ナックルとショックの固定部分）で、調整が少しできるようにしてあります。固定位置をスライドさせて。


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  車高調でも、ときどき見られる手法ですね。

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  そうですね。そこは標準モデルでもやってあります。ロア側は調整式ですが、ブラケットが当たらない範囲で止めて、それ以上は調整できないようにしてあります。

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  やはり、倒し過ぎる心配はないんだ。

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  ハイ。アッパー側とロア側の両方でストラットを倒して、エアバッグが干渉しない、限界のキャンバー角が取れるようにはしているのです（※アッパーはオプション）。

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  30アルファードの場合はそこまでやってある、ということですね。

というのも30アルファードの場合、リアが独立式のダブルウィッシュボーンなので、車高を落とせばキャンバー角が付きますよね




リアはダブルウィッシュボーン式でのエアサス化。

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  エアサスでベタベタに落とせば、それなりに付くってことかー。

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  そうですね。だからなおさら、フロントにも付けたいっていう人が多いのです。

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  ナルホド。

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  それで、エアバッグに支障のない範囲で対応した、という感じですね。

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  ACCエアサスは固定式だから心配はありませんが、調整式のアッパーマウントを付けている人は、今回の話を踏まえて、角度に注意しましょう。