エアサス車と車高調では、ホイールマッチングが異なる!?

エアサス車と車高調の車は、決めの車高が同じくらいだとしても、履けるホイールのサイズ（J数）が異なる。理屈を知ってしまえば「なるほど」だが、想像以上に限界サイズが違うので、初めてこの話を聞く人には衝撃かも。

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  前回、四輪独立式の足回りの場合は、車高によって履けるホイールサイズ（J数）が変わる、という話をしました。

  ※「10Jクラスのホイールを、履ける車と履けない車の違い」参照。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  それを踏まえて、「どうやってホイールサイズを選んだらいいのか」を考えていきましょう。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  四輪独立は、そこが難しいんですけどね。

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  車高しだいでツラが変わる。そこは前回の解説で分かりましたが、実際のところ、車高によってどの位、ホイールマッチングが変わってくるのでしょう？

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  う〜ん、車種にもよりますが、ダブルウィッシュボーンの車などは、2〜3センチは変わると思いますよ。

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  そんなに!!

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  ウチのデモカーの30アルファードの例（↓）。爪折りなしのツラウチで、ホイールは爪より奥に入っています。


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  これが普段の状態です。2センチ位は、頂点が入り込んでいる。

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  フムフム。

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  でも、車高を高くすると、それがハミ出るところまで来るのです。


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  車高によって3センチも変わるって、大げさな話ではないんだ。

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  ちなみにホイールの1J＝25.4ミリ。車高によって履けるJ数が変わる……というのも、大げさな話ではありません。

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  J-LINEでは、どういう風にホイールサイズ（太さ）を決めているんですか？

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  どの位の車高にするのか!? まず、そこを決めないと、ホイールが買えないってことですね。

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  つまり、車高を先に落とす。

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  J-LINEの場合は、車高調で低く下げたスタイルで走ると決まっているので、まずはその車高にして、その状態で入る限界のホイールサイズを決めています。


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  ホイールマッチングは、落としてみないと分からない。

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  一般的なカーショップやメーカー推奨のホイールマッチングだと、ノーマル車高、あるいはそれに準ずる高めの車高に合わせて取っているのが普通。ベタベタの低車高の車が履いているようなサイズは、入りませんよ。

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  まあ、ローダウンしないでホイールだけ交換する人だっているわけだから、低車高を前提としたマッチングなんて、メーカーは出しませんね。

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  さらに、一般的にはタイヤも引っ張らない前提なので、ホイール（リム）ではツラを合わせない。

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  どこでツラを見ているんだろう？

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  通常のマッチング（引っ張りナシ）で履いた場合、リムよりタイヤが出っ張るので、あくまでもタイヤの出面で考えているのです。

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  そこも基準が違う。

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  そうです。だから、車高を低めにする車は、一般的なマッチングデータはアテになりません。自分の車高を決めて、あとはそこから実測で調べるしかないのです。



具体的なやり方は、「ホイールのオフセット計算はツライチへの第一歩」等を参照。

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  ただ、10Jだと沈み込んだ時に当たるかも、とかそこまで考え出すと、けっこう難しい話になってきますけどね。

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  確かに。
  オモテ側のツラと違って見えないし。

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  そもそも、どこまで沈み込むのかは、車や車高調にもよりますので。

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  ああもう。
  考え出したらキリがないなァ。

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  よく「マッチングを教えて」と聞いてくる人がいるんですけど、総合的に煮詰めないといけないので、ホイールマッチングには〈答え〉がないんですよ。

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  車高調はまあ、下げた状態でマッチングを取ればいいとして、難しいのはエアサス車です。

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  社外エアサスを組んだ車の話ですね。

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  30アルファードあたりの車だと、社外エアサスを組んでいる人もけっこういます。

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  エアサスは、どうして難しいのでしょう？

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  車高を上げ下げできるということは、どこでツラを合わせるか、が問題になってくる。

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  ああ。
  そういうことか〜。

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  車高を下げた状態で攻め込んだサイズのホイールを履くと、車高を上げたときにハミ出てしまうのですよ。


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  でも、エアサス車にとっての見せ場は、車高を下げた時ですよねぇ……。

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  それはそうだけど、だからといって、普段走るときの車高でハミタイはダメでしょう？

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  ですね。
  ハミタイで公道は走れませんので。

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  だから大前提として、走るときの車高でホイールがツライチ……このラインより出すわけにはいかない。

普段走る車高で、ハミ出さないサイズ



そこから車高を落としていくと…



かなり内側まで入ることになる


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  上げた時ハミ出ない程度……ということは、車高調の車がねじこんでいるような太いホイールを履くのは厳しい。車高を下げた時に、内側に当たることになりますから。

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  J-LINEデモカー（車高調）の9.5Jだって、車高を上げたら、ハミタイになるんですもんねぇ。

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  結果、基本的には、エアサス車は車高調の車ほど攻めたサイズは履けません。

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  上げてハミ出ず、下げて当たらずにするには、太さであるJ数を抑えるしかない？

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  そうですね。両方のことを考えないといけないから、エアサス車は難しい。

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  じゃあ、エアサスだけど低いまま走るっていう人は？

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  その場合は、車高調と同じようなマッチングが通用しますが、上げられるのがエアサスの利点ですからねぇ。

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  まー、そうですね。