社外エアサス導入ガイド（第11回）

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エアサスのタンクやコンプレッサーを増やす意味はどこにあるのか？

エアサスのタンクやコンプレッサーを増設すると、どんなメリットがあるのか。見た目のインパクトが増すので、イベント参加車で見かけたりするが、普通に街乗りする場合はどうなのか。必要性があるのか無いのか、見定めるための知識。

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  エアサスといえば、オプションパーツが豊富な点も特長と言えますが……

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回（※）説明したリモコンや、メモリー機能などもオプションのひとつですね。

  ※「エアサスの車高をリモコンで制御するには何が必要？」参照。

  ●アドバイザー：ACC タイソン研究員

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  それ以外にも、タンクやコンプレッサーを増やす人もいますよね？

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  そうですね。標準キットはそれぞれ1個ずつですが、オプションで追加することは可能です。

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  標準で付いているのに、増やす意味はどこにあるのでしょうか？

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  コンプレッサーを増やすと、空気を集めるスピードが速くなります。



✔ エアサスのコンプレッサーは、空気を集めるアイテム。

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  つまり、タンクが満タンになるまでの待ち時間が短くなる。これがメリットです。

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  2基がけで空気を集めるほうが早いのは、当然ですね。

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  「早く車高を動かしたい」だけの話ではなくて、「コンプレッサーが回っている間の音が気になるから、その時間を短くしたい」という目的で、コンプレッサーを増やす人もいますよ。

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  そういう考え方もあるか〜。

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  その場合は、タンクは増やさずに、コンプレッサーだけを2つに増やしたりするんです。

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  コンプレッサーだけ増やす、っていうのもアリなんですねぇ。

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  では、タンクを増やす意味は？

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  「連続的に車高を調整できる回数を増やしたい」ときに効果的です。

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  え〜っと、ACCエアサスの場合は、標準タンクが4ガロンでしたよね。

  ※ACCエアサスの標準キットについては、連載╱第4回「エアサスで車高が変わる仕組み」参照。


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  標準の4ガロンで、車高を動かせる量は1往復と半分ぐらい。これはまあ、車種によってエアバッグサイズが違うので、あくまでも目安ですが。

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  1往復半ということは……

全下げ車高から…



マックス車高まで上げる


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  ここから下げるときは、タンクの空気は使わないから……

再び全下げにして…



2回目の上げは半分程度


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  これが、1往復と半分の目安ということになりますね。

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  車種にもよりますが、だいたいこの位動かすと、タンクのエアが下限に達してコンプレッサーが回り始めます。

✔ 実際の使用では、全下げからマックスまで車高を上げる機会は少ないので、回数はもっと増える。

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  ここでもし、タンクが2個あれば……

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  コンプレッサーが回り出す「空気待ち」のタイミングを、遅くすることができますね。

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  なるほど。タンクを増やす場合は、コンプレッサー1個でタンク2個……というパターンでもよいのでしょうか？

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  う〜ん、できればコンプレッサーも2個にしたほうがいいとは思います。

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  コンプレッサー1個でタンク2個を満タンにするとなると、時間がかかるから？

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  そうですね。「連続的な車高の上げ下げは、たまにしかしないよ」というなら、タンク1個でもいいとは思いますが……

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  ……それならそもそも、タンクを増やさなくていいような気がしますね。

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  まあ、タンクだけ2個の組み方がダメなわけではありませんが、やるなら2個×2個がベストです。

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  車高を頻繁に上げ下げしないのであれば、タンクやコンプレッサーを増やす必要はない……ということになる？

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  標準キットの機械式エアサスなら、そう言えますが、車高のメモリー機能を付けたりする人は、空気の消費が多くなります。

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  メモリー機能って、空気の量と関係ありますか？

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  ありますね。メモリー機能を付けるということは、イコール電磁弁エアサスになりますが……



✔ キホン的なことは、「エアサスの仕組み。電磁弁と機械式の違いとは？」参照。

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  電磁弁エアサスは空気の流量が多い分、微調整が得意ではありません。

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  1回の流入量が大きいからって話でしたね。

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  だからメモリーさせた車高に「シュッ」と1発で合うわけではなく、入れたり抜いたりの微調整を繰り返しながら合わせにいく。すると機械式の手動操作よりは、調整に使う空気の量が増えるんですよ。

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  ある意味では、余分な空気を使っている。

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  そうです。メモリー機能を付けたエアサスは、標準キットよりタンクの容量が足りない状況を生みやすいのです。

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  そういうことか〜。

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  つまり、タンクやコンプレッサーを増やさずに、メモリー機能だけを追加した場合、今までよりもコンプレッサーが回る機会が多くなってしまいます。

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  あれ〜？ なんか今までよりウルサクなったな〜と思う人は思うかも。

そういう意味ではタンクとコンプレッサーを増設したほうが、快適にはなりますね



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  理由を知れば納得。ところで、タンクとコンプレッサーを3個以上付ける必要性は？

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  普通の車は、2個で十分ですね。大きいアメ車とかなら、3個付ける意味もあるかもしれませんが、ほとんどの車には不要な話です。

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  というわけで、タンクやコンプレッサーを増やす必要性があるのかないのか、正しく判断しましょう〜。