アンペアとは？ ボルトとの違いは？

アンペアもボルトも、もちろん聞いたことはある。しかし改めて問われると、何だかよくわからない。そんな電気は苦手な人向けに、アンペアをやさしく解説。ボルトとの違いもわかる。

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  今日は「アンペアって何？」「アンペアとボルトの違いは？」を、電気が苦手な人向けにやさしく解説。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  まずアンペアとは、電流の単位のことですね。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  じゃあ、電流ってなに？ 電気は苦手が前提ですから、丁寧にいきますよ。

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  ……まあ、そうなりますよね。

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  車業界ですと、「ボルト」は比較的よく出てくる言葉なので、知っている人が多いと思われますが……

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  ボルトは電圧の単位ですね。

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  それは知ってますよー。車の電圧は12V！……トラックは24Vですけれど。



✔ 測り方は、「車の電圧の正しい測り方（テスターの使い方）」参照。

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  そうですね。車＝12Vは、フレーズとして知れ渡っているので、電圧という言葉の方が、なじみがある人が多い。

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  でも電流となると。
  ……はて？

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  電圧と電流を、混同されている人も多いです。

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  違いか……そう言われると、電圧も何だかよく分かりませんが。

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  例えば、コムエンタープライズの電装品はDIYで取り付ける人も多いので、ユーザーさんとこんなやり取りをすることは日常茶飯事です。

CEP・服部研究員の日常

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  ハイ。
  コムエンタープライズ（CEP）です。

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  あのー、付けた電装品が動かないんですけど？ どうしてくれますか？

  ●DIYラボ別館 ユキマちゃん

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  え〜っと、電源はどこから取られましたか？

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  線から取りました。
  線から。

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  ちなみにその線は、ちゃんと電源として使えるような……

ちゃんと、12Vが来ている線から取りましたってば!!

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  ……。質問者モデルの態度はさておき、なにが問題なのか考えてみましょう。

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  問題点は、「12V」＝「しっかりした電気が流れている」というイメージです。

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  ……でも、電装品取り付けでは、例えば「＋12V」を取ってください、というように説明書に書かれていたりしますよね。

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  そうなんですが、12Vであることと、たくさん電気が流れている、というのは別問題ですので。

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  あん？

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  電気は、よく水に例えられます。

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  水なら目に見えますからね〜。

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  水は、高いところから低いところへ向かって流れますよね。

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  フムフム。

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  車の場合は、その高さが12Vなんです。

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  ほー。
  どこに向かって流れるんでしょう？

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  12Vから、0Vに向かって流れます。

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  0V（ゼロボルト）？

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  0V＝マイナスってことです。



✔ マイナス線はテスターを当てると「0V」と表示される。

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  あー、プラスからマイナスに流れるってそういう意味か！

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  12Vから0Vに向かって流れる、という意味ですね。

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  なるほど、なるほど。

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  だから、電装品を付けるときは、必ず12V（プラス）と0V（マイナス）につなぎますよね。



12Vの自動車用バッテリーで、12V仕様のエーモンLEDを光らせているところ。

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  プラスとマイナスにつなぐって、そういう意味だったのか〜！

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  そうです。スタート地点とゴール地点に落差があって、はじめて上流から下流に向かって水が流れるのです。

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  では、もしも電圧がゼロだとすると……

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  0Vと0Vにつないでも落差がない。すると、電気は流れません。

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  マイナスとマイナスにつないでも何も起きないのは、そういうリクツなのか。

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  水を通すパイプを、水平な地面の上に置いているだけの状態なので、水は流れてくれません。

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  なるほど。

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  この落差のことを、電気用語では「電位差」と言います。

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  ようするに電圧が高いほど、水は流れやすい。

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  急角度を下るイメージ。

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  ……なんですけど、もしも水を通すパイプ（水道管）が細かったら、高低差があってもチョロチョロしか水は流れないでしょう？

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  ムムム。

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  水道管の中を流れる水の量が「電流」です。

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  なるほどね！

テスターがあれば電流も測れる



✔ 電流の測り方は、「車の電流の正しい測り方（テスターの使い方）」参照。

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  12Vの高低差があっても、水道管が細かったら、水はチョロチョロで、水車も回せない。

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  その水車というのが、電装品なんだ。

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  つまり冒頭の雪ダルマ……あ、いや、質問者の方がおっしゃっていたのは、こういうことなんです。

「12V」の高低差があるパイプなのに、水車が回らないんです！



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  パイプに角度があることと、流れている水の量は別の問題です。

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  ウ〜ム。
  電圧と電流を、はき違えているんですね。

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  アンペアはバラバラなんですねー。

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  そうです。12Vのチョロチョロ線もあれば、ドバドバ流れているパイプもある。

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  つまりチョロチョロ線から電源を取ってしまうと……

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  電装品によっては動かなかったりしますよね。

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  しかし、隊長。
  アンペアって目に見えないでしょう？

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  だから、目安となるのは、配線の太さなんです。


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  電流をたくさん流している線は、たくさん流せるように、線を太くしてあります。

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  これなら目に見える！

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  エレクトロタップで配線から電源を取るときは、純正配線の太さも意識しましょう。12Vならどれも同じ、ではありません。