IG電源（イグニッション電源）とは？

IG電源（イグニッション電源）を徹底解説。電装品取り付け時「ACC電源、またはIG電源（イグニッション電源）を取る」という表現がよくあるが、これは腑に落ちない話だ。電源取り出しに、どっちでもいいということがあるのか。先に書いてあるACCの方が、本当はいいのではないか。積年の疑惑を、ここで解決。

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  車の電源の種類シリーズ、その3。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  常時電源、ACC電源とくれば、次はIG電源（イグニッション電源）ですね。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  これ、ACC電源（アクセサリー電源）との違いが分かりにくいですよね？

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  まあ、似ていますよね。カギの車でいうと、ACCオンの段階からもう一段階キーをひねったところ。

ACCオン



IG（イグニッション）オン


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  この段階で、イグニッション電源が入ります。※イグニッションオン電源とも呼ばれる

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  プッシュスタートボタンの場合は、ボタンが1個しかないけれど……。

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  一般的な形としては、ブレーキを踏まずに1回押しでACCオン→もう1回押したらIGオン→もう一回押したらオフですね。

1回押せばACCオン



2回押せばIGオン


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  トヨタ車、ダイハツ車、スバル車などはみんなこのパターンですね。ただし、ニッサン車はちょっと特殊というか、輸入車っぽい面もありますね。

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  全車種が上記のパターンではないのか

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  そうですね。スタートボタン1回押しで、いきなりIG電源が入る車もありますので。

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  へー。

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  ACC電源オンでもIG電源オンでも、「エンジンがかかっていない状態で電装品が使える」という意味では同じですので。

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  それならなぜ、2段階に分かれていたりするのでしょうか？

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  動かせる電装品の種類が違うんですよ。

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  前回、ACC電源は、あまり電気を消費しないアクセサリー用品の電源だと説明しましたよね。

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  ナビ・オーディオ・ETCやシガーソケットなどですね。

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  そうです。ミラーをたたんだりするのも、ACCオンでできます。

ミラースイッチはACC連動


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  しかし、その近くにあるパワーウインドウのスイッチは、ACCオンの段階では動かない車種が多いです。


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  ミラーはたためるのに、窓は閉まらないんだ……。

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  パワーウインドウのモーターはけっこうな電気を喰いますので、ACC電源の段階では、動かないように設計されている車が多いのです。

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  理由は電気を喰うからか〜。

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  同じようにエアコンもACCオンの段階では使えず、IGオンの段階ではじめて電源が入ります。


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  エアコンも、電気をたくさん使うイメージですね。

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  そうです。あと細かいところでは、ワイパーもIG電源オンではじめて使えるパターンが多い。


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  ワイパーもモーターを使っているから、か。

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  ですね。ACCオンの段階で使える電装品は、「ちょっとの間なら、エンジンオフで使っていてもいいよ」という、バッテリー負担の少ない電装品のみです。

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  エンジンオフでエアコンは使うな、ってことですね。そりゃそうだ。

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  バッテリーが上がりますから。

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  でも、IG電源オンの状態で、エンジンをかけずにエアコンを使うことはできるんでしょう？

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  構造的には、IG電源だけ単独で入れることはできます。でも基本的には、IG電源（イグニッション電源）はエンジンがかかっている状態で使うことを想定した電源です。

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  ナルホド。
  それでACC電源とは切り分けてあるんだ。

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  「ACC電源でもIG電源でもどっちでもヨイ」と言っているように聞こえますが、非常にあいまいな気もします。

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  実際のところ、どっちでもいいです。

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  そんないい加減なことでいいの？

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  いい加減に言っているわけではなくて……

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  ではなぜ、どっちでもいいと言えるの？

電装品の電源としては、ACC電源もIG電源も、電源が入るタイミングはほぼ同じだし、切れるタイミングも同じです



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  確かに……エンジンをかけた時点では、どちらもオンですね。

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  そうです。そしてどっちにしても、エンジンオフで電源が遮断されます。

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  ナルホド。

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  それで、ACC電源の代わりとしてIG電源を取っても問題はないのです。

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  だから、「ACCまたはIGにつなぐ」……という表現が出てくるんですね。テキトウではなかった。

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  ただし、マニアックな話をすると「エンジンスターターが回っている間だけACC電源は落ちるけれど、IG電源は落ちないタイプもある」。そのへんまでこだわる人は、IG電源から取ったりもします。



✔ 上記のマニアックな話を詳しく知りたい人は、別記事「ACC電源とIG電源（イグニッション）はなにが違う？」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

車の電気入門・第4回「新種のタイマー電源に注意！」に続きます



ACC電源とIG電源では取り出すにあたってのリスクの違いもあります。そのあたりは、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。