電装DIYの知識
スイッチを選ぶときは「電流容量」に注意!!
スイッチに流せる電流には容量があるが、あまり周知されていない。配線コードなら「太い方が大容量」とイメージしやすいが、スイッチの電流容量は、見た目では判別不能だ。スイッチの種類により、容量にかなり幅があることにも注意が必要。
電流容量が小さめのスイッチは注意が必要
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前回は「スイッチの種類と選び方」を解説しましたが、今日はその続き。スイッチは好みで選んでいいのか!?
●レポーター:イルミちゃん
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基本的には好みですが、流せる電流の容量には注意が必要ですね。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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そういえば以前に「配線コードに流せる電流容量には限界があるよ〜」という話がありましたが……
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スイッチにも同じことが言えます。
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……そうなのか。
容量ってどのくらいですか? -
これがスイッチによって、全然違うのです。
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ホー。
少ない順で言うと? -
エーモンスイッチの中で一番容量が少ないのは「貼り付けプッシュスイッチ」で、上限200ミリアンペアです。
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これは主に小規模なLED技を想定して作られた製品なんですが、LEDでも大量につなげると、200ミリアンペアを超える可能性が出てきます。
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例えば、エーモンLEDを例にすると……何アンペアでしたっけ?
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明るいタイプを例にすると「3連フラットLED」(白)で60ミリアンペアです。
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つまり、このLEDを使って4席フットライトを付けるとすれば合計で240ミリアンペアとなり……
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貼り付けプッシュスイッチの上限を超えてしまう! 後席の人には、諦めてもらうしかナイ。
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そうなんです。もう一例挙げると、エーモンのテープLEDの60センチ(LED36発)だと、1本で240ミリアンペアあるので、そもそも使えません。
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そんな上限があるとは。知らなかったなァ。
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同じ200ミリアンペア上限の仲間で言うと、開閉連動スイッチも200ミリアンペアが上限です。
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まあ、グローブボックスに小さいLEDを1個2個付けて使う分には、問題ありませんが……
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テープLEDなどを制御したいときは、容量に注意が必要と言えそうです。
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次は500ミリアンペアクラス。純正空きスイッチパネルと交換する、車種別のプッシュスイッチは500ミリアンペアです。
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そして、ステルススイッチも500ミリアンペア。
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貼り付けクリックスイッチは、従来モデルは500ミリアンペアでしたが、新型は1アンペアにアップしました。
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1アンペアあると、LEDなどでは十分と言えそうですが……
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しかし、アンダーLEDなどで大量に使うとなると話は別ですね。
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確かに。数アンペアに達するようなLED技もある。
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昔ながらのプッシュスイッチは、1〜5アンペアまで選べます。
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プッシュスイッチは、1アンペア、3アンペア、5アンペアと、製品ごとに容量が違います。
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選ぶ時には、アンペアの違いにも注意しましょう。
電流容量╱200ミリアンペア
フットライト用としてよく使う、3連フラットLED
電流容量╱200ミリアンペア
電流容量╱500ミリアンペア
電流容量╱500ミリアンペア
電流容量╱1アンペア(新型)
貼り付けクリックスイッチ(3226)は、黒ボディ×青LED。
電流容量╱1〜5アンペア
プッシュスイッチ(3211)は、5アンペア対応の自動もどりスイッチ。
大容量モデルなら、トグルスイッチやロッカスイッチ
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トグルスイッチは、大きな電流でも使えるスイッチです。
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どの位まで電気を流せますか?
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電流容量が最も少ないミニトグルスイッチでも、5アンペアまでいけます。
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ほほう。
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一番容量の大きいのが20アンペア。売れ筋の「3203」は、8アンペアまで対応します。
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このクラスになると、電装品を選ばずに使えそうですね〜。
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そしてシーソー式のロッカスイッチも、電流容量が大きい。15アンペアと20アンペアの2種類があります。
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このあたりがエーモンスイッチの最強容量クラスですね。
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ハイ。
そうなりますね。 -
一番電流容量の少ないスイッチは200ミリアンペア(0.2アンペア)で……
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一番容量の大きいスイッチは20アンペアですね。
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その差はなんと、100倍!?
(゜Д゜) -
……ハイ。
そうなりますね。 -
同じエーモンスイッチで、容量に100倍も差があるって、けっこうビックリ。選ぶとき、気をつけましょう。
電流容量╱5〜20アンペア
定番のトグルスイッチ(3203)は8アンペア。
電流容量╱15〜20アンペア
売れ筋のロッカスイッチ(3214)は20アンペア。
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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