電装DIYの知識

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電装品取り付けの「電源取り出し」で、トラブルを避けるコツ

車からの電源取り出しにも、意外と知らない常識がある。電装品の取り付けで、複数の電源線を取ることがよくあるが、この中に「メインパワー」と言える電源がある。メインの電源線がどれなのかを意識すれば、ヒューズを飛ばす等のトラブルが回避可能だ。

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  今日の話題は、「ヒューズボックスからの電源取り出しでヒューズを飛ばす例」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回は、「意外と電気を喰うキーレス、アンサーバック、ウインカーポジションなどは電源の取り方に注意」という話をしました。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  電源取り出し容量に注意ですね。

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  そうなんですが、べつにすべての配線作業において「電源容量に注意」とまで言うつもりはありません。

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  ん？

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  電源取り出し容量を意識すべきなのは、あくまでもユニットにメインの電源を取る線だけです。

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  なんのこと？

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  電装品を取り付けるときに、いろいろな電源線・信号線を取る指示があるのはよくある話ですよね。

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  例えばアンサーバックキットの例。こんな風にいろいろな電源や信号線が出てきました（↓）


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  このうち、メインパワーと言える電源は、赤い線（常時電源につなぐ）です。

常時電源につなぐ、メインの赤い電源線


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  しかし、IG電源やACC電源も「電源」では？

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  いやいや。○○電源と言うから全部電源のように聞こえてしまいますが、上のアンサーバックを例にすれば、IG電源を取るのは、あくまでもエンジンのオンオフを検知するための線に過ぎません。

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  フムフム。

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  アンサーバック時に実際にウインカー球を光らせるための電力は、どこから取っているかというと、赤い常時電源線です。

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  あ〜！
  そういうことね。

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  つまりこの場合、ユニット側から見れば電源線は赤の線であって、それ以外は信号線なのです。

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  ユニット側から見れば「赤以外は、電源ではない」。

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  そうなんです。コムエンタープライズの製品を例にすれば、メインの電源線は赤（※一般的には黄色も多い）で統一していて、必ず線の途中にヒューズが入っています。



写真はキーレスのハーネス。

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  こういう（↑）ユニットにとってのメイン電源線をつなぐ時だけは、容量に注意、ということなんです。

メイン電源線をつなぐ相手は、常時電源とは限らない。IG電源につなぐユニットもある。 その場合は、IG電源の取り方（容量）に注意が必要ということ。

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  なるほどね。

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  「付けようとしている電装ユニットの、メインの電源線がどれなのか？」を意識して取り付けをすれば、ヒューズを飛ばしてしまうようなトラブルがなくなります。

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  前回はヒューズ電源の容量の話をしましたが、純正配線から分岐で電源を取り出す場合でも、注意が必要なのは同じです。

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  電源は、配線分岐で取り出すこともありますね〜。

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  さきほど言った通り、単なる信号検知の線には、ほとんど電気は流れません。だから「細線」から取ったとしても問題が起こるとは考えにくいのですが……



イルミ電源などは実際のところ細線が多い。

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  しかし、メインの電源線を「細線から取る」とか、「アンペア数の少ないヒューズ電源で取る」のは、電装品の種類によっては、トラブルが起こる可能性があります。

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  電流量が足りていない。

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  12Vの電気が来ていればOKではなくて、「太めの線から取る」ということを意識しておきましょう。

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  細線ではなく太線で！

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  太い線は、車両側の設計でも、電気をたくさん流す想定になっているからこそ太線なので。

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  なるほど、なるほど。

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  かといって、キーシリンダー裏の電源線などは太すぎて、一般的なエレクトロタップなどでは取り出せないという面が出てきますので、それはまた別問題です。



例：キーシリンダー裏などには極太の常時電源線が通っている。

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  エレクトロタップが対応していない太線に対して、強引にいくと……それこそ断線します。



※「エレクトロタップによる断線に注意！」参照。

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  総合的に考えて、DIYでは、太すぎない中太の線が狙い目ですね。

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  そういえば、アンサーバックの電源を取るとき、ハットリ研究員はキックパネル裏の配線からほとんど全ての線を取っていましたね。


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  あの場所は、ドアロックモーターを動かすための配線が通っているので、容量的にしっかりした常時電源が取れる車種が多いんです。

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  そういうこと考えて、取り方を決めているんだ。

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  そうですね。太めの常時電源線が見つかることが多いと思います。

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  メイン電源線だけは、「ココから取り出して、容量的に大丈夫？」……と立ち止まって考える。そうするとトラブルを避けられそうです。