プロに教わるデッドニング講習
デッドニングする場所はいろいろあるが、順番もいろいろ
デッドニングする場所や順番についての知識。オーディオが目的なら「まずはドアのデッドニングから」がオススメになるが、静音が目的の場合には、優先する順番が変わってくることもよくある。
デッドニングする場所を整理すると…
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「ドアデッドニングの効果を、実際にテストしてみた結果……!」の続き。この〈デッドニング講習〉連載では、これまで車のいろいろな場所をデッドニングしてきましたが……
●レポーター:イルミちゃん
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そうですねぇ。
いろいろやりましたね。●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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これまでのメニューを整理しておくと……
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もうそろそろネタ切れでしょうか?
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いや、デッドニング場所としてはまだありますが……
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え? まだあるの?
ドコですか??? -
例えば、カーデンでもときどき依頼されるのが「ボンネット裏」のデッドニングですね。
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ホー。なんでこんな場所をデッドニングするのでしょうか?
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「エンジン音がうるさくて気になる」のがその理由です。つまりこれも、車の静音化メニューのひとつですね。
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なるほど。
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ボンネット裏と近いところで、バルクヘッド(※)のデッドニングをする人もいます。
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これも「車内に侵入するエンジン音を軽減する」という狙いは同じですね。
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そんなメニューもあったのね。
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バルクヘッドまでのデッドニングはカーデンでは1台しか実例がないですけど、ボンネット裏を施工する例はときどきあります。
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デッドニングの最終局面みたいな感じか~。
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いや、最終とは限らないですよ。先にそこから入る人もいるので。
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ほえ?
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デッドニングというと、ドアのデッドニングが有名ですが、実はこれを後回しにする方もいます。
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ドアデッドニングが後回し…? そんな順番アリ?
>> これまでにデッドニングした場所 | |
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ドアデッドニング(※デッドニングキット使用編╱キット不使用編) | |
天井デッドニング | フロアデッドニング |
ラゲッジデッドニング | タイヤハウスデッドニング |
※バルクヘッドとは、室内空間とエンジンルームの仕切りになっている部分のこと。
順番的にドア以外のデッドニングを優先する人もいる
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ここで紹介するモデル車のデミオは、カーデンに定期的にデッドニングを依頼してくれるんですが、一番最初は「ボンネット裏」と「天井のデッドニング」から入りました。
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この赤い制振材は、オーディオテクニカのハイグレードシリーズだ!
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そうなんです。これは制振効果が高い制振材です。……値段も高いですけど。
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それをドアではなくボンネット裏とか屋根で使うところがまたマニアックな…。
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制振材を貼った上からは、以前に紹介したのと同じように、吸音・断熱材を貼っています。
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その次は、タイヤハウスをデッドニングしました。
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それはロードノイズ対策ですね。
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そうです。そして最近、フロアデッドニングをやったんです。
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赤い制振材の全面貼りとは、見るからに高そう……
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そうなんですよね。赤い制振材は面積も小さいですから。全面に貼ろうとすればかなりコスト増になります。
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とっても本格的な例と言えます。
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赤い制振材を貼った上には、吸音材を貼りました。
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同様のやり方で、リアのスペアタイヤハウスもデッドニングしました。
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それからリアハッチもデッドニングしています。
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まさしくデッドニングのフルコース。
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ところがこのデミオ、実はドアだけはまだデッドニングしていないんですよ。
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そういえば! ドアが出てきませんでしたね。
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というのもまだスピーカーは純正なので。
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ほー。純正スピーカーのままで「ほぼ」フルデッドニングしたんだ。
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ここまでのデッドニングの目的はオーディオはぜんぜん関係なくて、完全に車の静音化だった、ということです。
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そういうことぉ~。なんだか順番的に斬新な気がしましたが。
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静音化での順番は人それぞれでしょうね。
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つまり、どの音が気になるか? ってこと?
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そうです。それがロードノイズならタイヤハウスのデッドニングから入るのがいいでしょうし、「雨音が気になる」としたら天井(ルーフ)デッドニングから入るのがいいでしょうね。
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そこにセオリーみたいな順番はないのね。
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オーディオ目的でのデッドニングなら「まずはドアから」を勧めますが、静音化目的のデッドニングはセオリーというより、自分的に音が気になるところから優先的に施工する、でいいと思いますよ。
Amazonなどでも販売されているオーディオテクニカ バイブレーションコントローラー AT7560Rを使用。
具体的な施工方法は「天井デッドニングの材料(制振材・吸音材・断熱材)はどれを使う?」参照。
ここで使っているのはシート型の赤い制振材。詳細はAmazonのオーディオテクニカ バイブレーションコントローラー AT7550R参照。
具体的な施工方法は「フロアデッドニングの材料(部材)はどれを使う?」参照。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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