スマホをヘッドユニット化しよう作戦(第4回)
スマホの音楽(音声)を、ナビを介さずに車のスピーカーで鳴らす╱USB DAC編
車載ナビなしで、スマホの音楽(音声)を車のスピーカーで鳴らす方法。今回はUSB DACを使ったやり方だ。アドバイザー推しのUSB DACを具体例に「USB DACとマイクロパワーアンプPA2を使って、スマホをヘッドユニット化する配線パターン」を解説する。
スマホのデジタル音声出力を、USB DACで変換して、PA2に渡す
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「スマホの音楽(音声)を、ナビを介さずに車のスピーカーで鳴らす╱ポタアン編」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回はDACを内蔵したポータブルアンプを組み合わせる方法を紹介しましたが、もうひとつ別のコースを紹介しておきます。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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ふむ。
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スマホやタブレットから出力した音声信号をUSB DACに入れて、そのあとマイクロパワーアンプPA2に接続する方法もあります。
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ここで「USBダック」ってなに? と思った人向けのおさらいをすると……
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「ダック」はDAコンバーターの略です。スマホやタブレットからのOTGケーブルを使った音声出力は、デジタル信号です。
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音楽(音声)がデジタル信号で出力されてくる…
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いっぽうパワーアンプ側(PA2)の入力は、アナログ信号のRCA入力になっています。
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む。デジタル信号のままアンプにはつなげない。
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そのためデジタル信号をアナログ信号に変換する必要があり、これを行う機器がD/Aコンバーター(略してDAC=ダックと呼ばれる)です。
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なるほど。
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USB DACとは、スマホなどとUSB接続できるD/Aコンバーターってことですね。
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今回はスマホを軸にしているからUSB DACを使うんですね。
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ちなみにマイクロパワーアンプPA2と組み合わせて使うのに最適なUSB DACは、以前にも紹介したことがあるD50sです。
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他のUSB DACでも使えるものはあるでしょうが、PA2の相方として選ぶときの条件は、ボリューム付きのUSB DACです。
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PA2側にボリュームがないから。
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なお、前回やった「ポタアン編」のポタアン(DAC内蔵ポータブルアンプ)は、ボリューム付きのものが多いので選択肢が豊富にありますが……
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ふむ。
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USB DACの場合は基本的にはボリューム無しの機種が多いです。
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推しモデルのD50sは、珍しくボリューム付きのUSB DACだから、組み合わせるのに都合がいいんですね。
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そういうことでございます。一般的には下記のような事情ですね。
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ボリューム付きの条件を満たしていれば、DAC内蔵ポータブルアンプでもUSB DACでも、どちらを使っても今回のテーマは達成できます。
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ようするに欲しい機能は「D/Aコンバーター」と「ボリューム」ってことね。
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加えて推しのUSB DACであるD50sは、音質もいいのがポイントです。
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マイクロパワーアンプPA2も音質面で好評ですが、そのPA2開発者もD50sを絶賛していると聞きます。
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それからBluetooth内蔵なので、スマホからBluetoothで音声を飛ばす手もあります。これならOTGケーブルやUSBケーブルで接続する必要もないですね。
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車両側に取り付けるUSB DACやパワーアンプ(PA2)は全部奥のほうに隠してしまうこともできる。
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有線接続ではなく無線でやりたい人にはオススメのやり方です。
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「スマホをヘッドユニット化する」趣旨からすると理想的かも。
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ここで注意点。DAC内蔵ポータブルアンプを使うにしても、USB DACを使うにしても、車載用途で使うならリチウムイオンバッテリーは非搭載で、外部電源を取るタイプを選びましょう。
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その意味するところは……
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リチウムイオン電池を内蔵しているものを、夏場の車内に放置するのは危険です。
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この話はけっこう重要ですね。
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車から乗り降りするたびに、スマホといっしょに取り外す……というなら別ですけれど。
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しかし現実的には、今回のようなスマホのヘッドユニット化を構築したら、スマホ以外の機器は車内に設置したままの人が多いでしょうね。
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であれば、リチウムイオンバッテリー搭載型は避けて、機種を選定しましょう。
iPhone→カメラアダプタ→USBケーブル→USB DAC→PA2
Androidスマホ→OTGケーブル→USBケーブル→USB DAC→PA2
車載にオススメ
TOPPING D50s USB DAC
TOPPING(トッピング)は中国の音響機器メーカー。ネットで少々調べると、その音質やコスパの高さが評価されているのが分かる。詳細はAmazonのTOPPING D50s USB DAC参照。
DAC内蔵ポータブルアンプ
✔ 基本的にはボリュームが付いている。
※ボリュームが付いていないものも、たまにある。
USB DAC
✔ 基本的にはボリュームが付いていない。
※ボリュームが付いているものもある。
USB DACとPA2を使って、スマホをヘッドユニット化するときの配線パターン
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USB DACを使う場合の配線の流れはどうなりますか?
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DAC内蔵パワーアンプがUSB DACに置き換わっている点を除けば、接続方法などは前回とまったく同じです。
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フムフム。
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Androidスマホを例にすればOTGケーブルを使って音声出力し、USBケーブル経由でUSB DACにつなぎます。
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USB DAC(D50s)はRCAで出力するので、これを左右それぞれ分岐させた上で、PA2の入力につなぎます。
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全体像で見るとこうなる。
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確かに前回のDAC内蔵ポータブルアンプ編と、配線の流れはまったく同じですね。
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D50sを使う場合は、Bluetoothを使えばスマホとUSB DAC間のケーブルが不要にできる、という点が違いですね。
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次回は車両側への接続方法です。
ここではD50sの出力端子に分岐コネクターを付けて、左右それぞれの音声を分岐している。
車のフロントスピーカー・リアスピーカーの両方から音を出すためには、PA2に4チャンネル分入力する必要がある(でないと4チャンネル出力されない)。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL
0561-73-9000
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