古い車のメンテナンス
古い車に乗り続けるために、必要なこと
古い車に乗り続けることには、わかる人にはわかる、ときめきや美学がある。しかしときめきでは、車が動かない。そこで「古い車のメンテナンス」と、「古い車の部品の知識」を結集した、古い車の新連載スタート。
古い車に乗りたい! という気持ちだけでは維持できない
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新型車もいいけれど、最近は古い車のカッコ良さも見なおされています。
●レポーター:イルミちゃん
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時代の流れで、「昔の車に乗りたい」「旧車が欲しい」という人が増えていますよね。スポーツカーにしてもセダンにしても、そういう傾向があります。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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1台の車に愛着を持って、長く乗り続ける。それもまた、ひとつのスタイル。
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「古い車に乗り続ける」ために必要なことは、部品とメンテナンスの知識です。
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……げ、現実的な話だ。
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昔の車のカッコ良さが見なおされているのは、いいことなんですが、安易な気持ちで「欲しいから買う」だけでは、乗り続けることは難しくなるかも知れません。
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……ムムム。
いきなり警告モードもやむなしか。 -
極端に言うと、そういう車は、「壊れる前提で乗る」覚悟が必要です。
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修理代が高くつくよ~とか?
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単に費用の問題ではなく、あまりに年式の古い車になると、部品が手に入らないという問題が出てきます。
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車が古くなると、部品入手で苦労する話はよく聞きます。
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車だけ買っても、修理できないのでは、乗り続けることは到底不可能です。
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そりゃそーだ。
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だから「その車を乗り続けるにあたって、どういう交換部品が必要になってくるのか」と「そういった部品が手に入りそうかどうか」ぐらいまでは、事前に調べて、ちょっとは知っておいたほうがいいとは思います。
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車を買う前から、故障トラブルの予測をしておこうと……?
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まあ、そうですね。車が古くなればいろいろなところが壊れますが、「定番的に壊れるパーツ」は、車種によって傾向がありますから。
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フム。そう言えばシャルマンを例にすれば、古いセダンの弱点は知り尽くしていますよね。
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だから、古い車を買うときは、そのあたりのメンテナンス対応をどこまでしてくれそうなのか、という点もお店に確認しましょう。
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中古車を購入する店自体が、古い車のメンテナンスに強いと一番安心できますね~。
15年落ちぐらいまでの年式なら、部品はまだ手に入るものが多い
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ところで、そういった部品の心配までしないといけない「古い車」とは、どの位の年式の話なんでしょう?
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僕の場合は、セダンが好きで、ず~っとセダン専門でやってきたから、それを基準に言うと……
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では、ここでは「セルシオ」を例にします。
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初代の10セルシオは、完全にそういう世代ですよね。20セルシオも、それに近づいているという状況です。
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……と言うことは、初心者が、もうちょっと現実的に乗れるセルシオが欲しいよ、という場合は……
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30セルシオにしておくほうが、無難でしょうね。
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とは言うものの、20セルシオ世代なら、ギリギリ乗り続けることはできますよ。まだ部品も手に入りますから。
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自動車メーカーが確実に部品を持っているのは、10年でしたよね?
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そうなんですが、目安として15年落ちぐらいまではだいたいの部品は入手可能です。
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……なるほど。
15年か。 -
20セルシオの場合、最終後期が平成12年式だから、最も新しい年式でも18年落ちということになりますが……
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……難易度の高いゾーンに、ツッコミ始めてますね。
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そうなんですけど、まあ、「こだわって大切に乗る人なら、まだなんとかなるレベル」と言えます。
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フム。
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しかし、20年を超えてくると、部品の入手性が極端に悪くなってきます。車を維持する難易度が、大幅に上がっていきますね。
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20年落ちの車を買うのは、完全に〈趣味の域〉です。
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……なるほど。
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「昔のVIPカーに乗りたい」はいいんですけど、軽いノリでなんとなく買ってしまうと、その後、ハマってしまう可能性が高いと思います。
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自分的に、どの世代・年式までなら付き合えそうか、先にイメージしてみましょう。
名車:20セルシオもそろそろ旧車の域!?
30セルシオなら安心感を持って乗れる世代
✔ 30セルシオはセダンが得意なシャルマンの主力車種。初心者デビューにも最適。
20年落ちオーバーのレベルになると、いよいよ壊れやすくなってくる。なのに壊れるたびに、「アレがないコレがない」と言われてしまう。
✔「アッセンブリー交換用の部品がないから、バラバラに中古部品で修理して余計に工賃がかかる」とか、
✔「リビルト品もないから中古部品を使うしかないけど、中古だからまたいつ壊れるか分からない」などと、チクチク心に刺さることを言われ、とにかく部品の悩みが尽きなくなってくる。
(※DIYラボ職員の経験談による)
DIY Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンはドレスアップ専門中古車店。車購入後のドレスアップ依頼もプロショップ並にこなすうえに、トラブル対応にめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
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