古い車のメンテナンス
リビルト品と中古部品、どちらを使って修理するのが正解か?
リビルト品とは何か。中古部品とはどう違うのか。修理に使う際に、どっちにするべきなのか。パーツ単体の値段だけではなく、工賃までトータルで考えるとどうなるのか。中古車専門店で取材した。
リビルト品とは何か? 中古部品との違いはなに?
-
車を修理するために部品を探していると、よく聞く言葉がリビルト品。これは中古部品とどう違うのでしょうか?
●レポーター:イルミちゃん
-
リビルト品は、中古部品とはぜんぜん違います。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
-
でも、新品ではない、という意味ではどっちも中古部品ですよね?
-
ガワ(外側)はそうですね。しかしリビルト品は、中身はオーバーホールされていますから。
-
その違いか。
-
リビルト品はどんな部品にもありますが、ここではダイナモ(オルタネーター)を例に説明しましょう。
-
ダイナモは、車の発電機ですね。
-
ダイナモだとすると、重要なのは中身のコイルです。
-
フムフム。
-
で、中のコイルを巻き直したり、コンデンサーなどの部品を新品に交換したり……ということをしてあるのが、リビルト品です。
-
オーバーホールされた中古品ってことか。
-
まあそうですね。
機能的には、新品同様に戻っている。 -
ナルホド。
-
ちなみに外側も、新品みたいにキレイになっていることが多いですよ。
-
本当だ。
見た目にも新品に見える。 -
ただし、リビルト品の購入は、自分の車から外した部品の下取りが前提です。
-
つまり、壊れたダイナモを引き渡すってことですね。
-
そうです。「コアの下取り」と言うんですが、そうやって回収した中古部品を、またリビルト業者がオーバーホールして、リビルト品として再生される仕組みなのです。
-
リビルトされたダイナモくんが、また誰かの手に渡っていくんだ。
-
そういうシステムだから、コアの下取りがなかったとしたら、リビルト品はけっこう高価になりますよ。
-
ふむ。
-
例えば、リビルト品のダイナモが3万円で売っているとします。でもそれは、あくまでも外したダイナモと引き換えが条件です。
-
では、もしも外したダイナモを先に捨ててしまったら……
-
それなら3万円ではなく4万円とか、もっと高くなったりする。
-
なるほどね。でもまあ、基本的には外した部品はいらないでしょうから、問題ないですね。
-
そうですね。リビルト品は基本的にどんなパーツにもありますよ。
-
ここで本題。
リビルト品と中古部品のどっちがいいのか?
リビルト品のダイナモ
リビルト品VS中古部品。トクなのはどちらなのか?
-
基本的に、なるべくリビルト品を使って修理したほうがいいです。シャルマンでは、中古部品を使って修理することはほとんどしません。
-
なぜ中古部品を使わないの?
-
例えば、古い年式の車に乗っていて、どこかの部品が壊れたとしましょう。
-
フムフム。
-
でも、そこで中古部品を使って直すとなると、その中古部品だって、似たような年式の同じ車種から外したモノ……なんですよ。
-
あー。
それなりに劣化していて当然ですね。 -
車種ごとに、壊れやすい部品というのはあります。さっきのダイナモを例にすれば、古いセルシオでは定番的に故障します。
-
確かに、故障には車種ごとの定番症状みたいのがありますね。
-
となると、中古部品を使って修理すると、近い将来また壊れる可能性が高い、ということです。
-
同じ年代の、同じ車種なんだから。
-
そういうことです。
-
……言われてみれば、当然の真理ですね。
-
ですから、中古部品を使った修理は、安物買いの銭失いになりかねない。
-
……ウーム。
-
よっぽど高価な部品でない限りは、基本的にはリビルト品を使って修理することをオススメします。
中古品のダイナモ
✔ ひとくちメモ
10セルシオや20セルシオ世代は、パワステポンプの下にダイナモがあるため、パワステポンプのオイルが漏れるようになると、下にあるダイナモを壊してしまうのが超定番だった。
リビルト品が5万円、中古部品が2~3万円という金額差だったらどうする?
-
しかし、中古部品のほうが安いことは安いんですよね?
-
そうですが、車の部品の交換には、工賃がかかることを忘れてはいけません。
-
……ムムム。
-
例えば、ある部品を交換したいとなったとき、リビルト品が5万円、工賃が1万円だったとします。
-
フムフム。
-
対して、中古部品がその1/10の5000円だったとします。それなら「とりあえず1回、中古部品で直しておこうか」みたいな道もアリでしょう。
-
その金額差なら、壊れたらまた中古部品を買えばいいや、的な感覚ですね。
-
しかしリビルト品が5万円で、中古部品でも2~3万円はする、という状況だとしたら……
-
いちおう、中古のほうが半額程度ですけど。
-
ところが、工賃も考えると、中古部品で一回失敗したら、その賭けは負けです。中古部品による車の修理は、基本的にギャンブルに近いです。
-
……なるほど。
-
しかし、リビルト品とても、壊れない保証はありませんよね?
-
もちろん、リビルト品でも外れがゼロではない。けれどもリビルト品の場合は、1年なり2年なり、保証が付いていることが多いですよ。
-
では保証期間内にリビルト品が壊れても、交換してもらえるんだ。
-
そうですね。
工賃の分までは、保証してもらえませんが。 -
まあ、そこまで心配するなら、いっそ新品に交換すればいいのでは?
-
……例えば今回例として挙げたセルシオのダイナモ、新品だといくらするか知ってますか?
-
あ……。
高いってことですね。 -
10万円以上しますよ。型式によって差はあるけど、12~13万円とかします。
-
ひええ。
-
同じモノが、リビルト品なら3万円前後くらいの相場で買えます。工賃を入れて、4~5万円あったら修理できる。
-
それで中身が新品になるなら、断然リビルト品がいいですね。
-
もちろん中には、値段のわりには程度のいい中古部品もあるかも知れないけど、それを引き当てる博打をここで打つのはオススメしません。
それくらいの金額差なら、リビルト品を買っておくべきだと思いますね
✔ 新品のようにキレイで、保証書も付いているリビルト品。
DIY Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンはドレスアップ専門中古車店。車購入後のドレスアップ依頼もプロショップ並にこなすうえに、トラブル対応にめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
関連記事