古い車のメンテナンス
LEDテールランプの球切れは車検に通らない。平成15年式付近の車は要注意!!
純正LEDテールランプやハイマウントストップランプの球切れ。たった1球の球切れでも、車検はそれを許さない。特にLEDテールが純正採用され始めた、平成15年式世代あたりの車は、耳に痛いが知っておくべき話。
LEDテールランプ出始め世代の車に多い、LEDが部分的に球切れしているケース
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今日は、LEDテールランプの球切れに関する注意喚起をしておきます。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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あの~、岡田研究員?
●レポーター:イルミちゃん
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なんでしょうか?
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このコーナーは〈古い車のメンテナンス〉なので……LEDテールランプって、テーマとして今風過ぎませんかね?
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いやいや。純正LEDテールランプの出始めは、平成15年式世代までさかのぼりますからね~。
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ほほう。
そんな昔からあったんだ。 -
セダンの例だと、30セルシオは後期から、ゼロクラウン(18クラウン)は前期からLEDテールランプを純正採用しました。マジェスタも18系からLEDテールですね。
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その手前の30セルシオ前期や17クラウンまでが、バルブ(電球)世代なのです。
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フムフム。
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昔ながらのハロゲンバルブを使っている車なら、球切れを起こしてもバルブ交換すれば済む話ですが……。
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LEDテールランプは、長寿命で切れにくいんでしょ?
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しかし、現実に純正LEDテールランプやハイマウントストップランプの球切れ(LED切れ)は、たくさん起こっています。
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ムムム。
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特に、平成15年式~の純正LEDテールランプ出始め世代の車は、LEDが球切れしやすい。
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当時からすると、出たての新技術だから?
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そうなんです。今はLEDもだいぶ進化しているようですが、当時のそれは今のモノとは違います。
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純正LEDテールランプが球切れを起こしたらどうなるんだ?
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バルブ交換のように、ポンっとは直らないわけですよ。
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LEDを打ち替えるってこと???
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灯体を修理するならそうなりますが、テールランプって、熱で殻割りもできませんからね~。切るしかない。
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というわけで、純正LEDテールランプというのは修理が簡単ではない。
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ということは?
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球切れ=LEDテールランプの灯体交換ということになるのです。
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しかし、それだとなんか、高くつきそうな予感が……。
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基本的にはテールランプの灯体ごと交換になるので、当時の車種で4万円前後かかる例が多いです。
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……LEDが一粒切れただけで、その値段ってこと?
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そうなります。車種によっては、18クラウンロイヤルなど、LED基板ユニットだけの交換ができる構造の場合もありますが。
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しかし、そういう例は少ないです。同じ18クラウンでも、アスリートはテールごと交換するしかない。
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LEDテールランプは、長寿命だって聞いてたのに!
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だから、ディーラー側(メーカー側)もLEDテールランプやLEDハイマウントストップランプの場合は、保証期間を延長している例もあるんです。
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保証期間を延長?
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通常だと新車を買って5年間が保証期間ですが、それを部品によっては9年まで延長していたりします。
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……なるほど。
その期間は、無償で修理してもらえるわけか。 -
しかし、中古車市場に出回ってくるのは8年落ち、9年落ち、10年落ちだったりするから、ディーラーの延長保証も効かない。
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ぐぬぬ……。
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となると、そういう部分の修理でも、オーナー実費負担になってくるのです。
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……う~ん、となると、1粒ぐらいLEDが切れていても、修理しない人が多いでしょうね。
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それ、ダメなんですよ。
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ダメってなにが?
30セルシオ後期の登場は平成15年8月。ゼロクラウンも同じく平成15年に前期が登場。
✔ DIYラボでは加工する人向けの記事で、「超音波カッターでライト╱テールを殻割りする方法」も解説しているが、難易度は高く、一般ユーザーが純正LEDの修理のためにこれをするのはまったく現実的ではない。
✔ 18クラウンのロイヤル系なら、テールランプを殻割りせずにLEDユニットの交換が可能。1500円くらいで修理できるという。
LEDテールランプは、LEDが1個(1粒)単位で球切れしているだけでも車検に通らない
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LEDテールランプは、LEDが1粒でも球切れしていたら車検に通らないのです。
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ええッ!!
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この点は、昔より保安基準が厳しくなっています。
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しかし、LEDはたくさん入っているんだから、一粒切れたところで、保安基準が要求するテールやストップランプの明るさは満たしているケースも多いのでは?
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そういう問題ではないんですよ。「灯火(灯具)が付いているのに点灯できない状態」そのものがNGなんです。不点灯灯化、という扱いで。
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そ、そんなルールがあるのか。
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バルブ(電球)もそうなんですが、バルブが付いているのに切れている状態では、車検は通らないのです。
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それがLEDの場合は、1粒単位で要求されるってことか……。数が多いのが、アダになってるような。
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現在の車検のルールではそうなっています。だから、球切れLEDテールランプでは、車検に落ちます。
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じゃあ、30後期セルシオを買って、LEDが一粒切れていたら、万単位の修理代をかけて直すしかない……ということになる。
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ですね。30セルシオを例にすると、外側と内側(トランク側)でピースが分かれていますが……
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この1箇所の交換で4万円前後かかるかも知れない、ってことです。
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あの~、もし、各ピースで1粒ずつLEDが切れていたら、全部直すのに15~16万円かかる可能性がある!?
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そうなりますね。
まあ、極端な例ですが。
LEDハイマウントストップランプも、球切れ(LED切れ)では車検に通らない
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ハイマウントストップランプも、LEDが常識ですね。
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これもLEDテールランプと同じ時代、平成15年あたりから投入されているんですよ。だから、30セルシオ後期のハイマウントストップランプもLEDです。
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大きめのLEDが5個ほどのもあるけれど、細かいLEDが、20個とか並んでいる車種もあります。
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でも、1個切れたらアウトなのはどっちも同じ。
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そうですね。LEDが一粒でも切れていたら、車検には通りません。
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まあ、テールランプに比べればまだ、パーツ代は安く済みそう?
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しかし、部品代だけで1万数千円とかするのでバルブよりずっと高いし、その上ゼロクラウンや200系クラウンのハイマウントストップランプは、これがまたカンタンには外れない。
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……ウッ。
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リアシートの座面を外して、背もたれを外して、シートベルトを外して、リアトレイに下から埋め込まれているハイマウントストップランプを外すんです。
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め、面倒くさい……。
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昔のハロゲン(電球)のタイプだと、球切れで交換する前提があるから、ぱぱっと交換できるようになっているんですけどね。
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しかしLEDが導入されてから、交換の前提がなくなっているせいか、整備性が悪くなっています。
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……LEDが本当に球切れを起こさないなら、それでも良かったわけですが……
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というわけで、LEDテールランプ&ハイマウントストップランプ出始め世代の中古車を買うときは、LEDの球切れもしっかりチェックしてから買いましょう。
今の話は、LEDハイマウントストップランプも同じです
✔ ハロゲンタイプのハイマウントストップランプは、スライドまたは引っ張ることで取り外し、バルブ交換できるケースが多い。
DIY Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンはドレスアップ専門中古車店。車購入後のドレスアップ依頼もプロショップ並にこなすうえに、トラブル対応にめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
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