中古車購入ガイド
中古車購入時、エンジンルーム周りで何を見るべきか?
中古車購入時の、具体的なチェックポイント。よく言われている通り「エンジンルームを見る」のが基本だが、エンジンルームのどこを見たらよいのか。そしてなぜそこを見るべきなのか。知っておくと、いつか必ず実践で役に立つ。
エンジンをかける。エンジンルームを見る
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今日は、中古車購入時のチェックポイントについて教わります。
●レポーター:イルミちゃん
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まずは外装のキズ関連などは、普通に見て回ると思いますけど……、
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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見た目だけでは、車の調子のよしあしは分かりませんよねぇ。
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良い中古車かどうか見定める、という意味では「エンジンをかける」「エンジンルームをチェックする」ことは大切ですね。
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エンジンをかけたら、何が分かるんでしょうか?
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エンジンをかけて、異音を聞き分けられたら一番いいんですけど、これはプロでないと難しいかも……、
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一般ユーザーがはじめて見る車で、異音を聞き分けるのは難しそうですね。
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ですね。よっぽどじゃないと。でもそれでもエンジンをかけてみることは必要です。ヘンにうるさくないか、ヘンな音はしないかを確認します。
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なるほど。
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あとはエンジンの震えを見ます。調子の悪いエンジンは大きく震えるので。
エンジンが大きく震えていないか見る
オイルフィラーキャップを開けてみる
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お店の人に言って、ボンネットを開けさせてもらってエンジンルームはチェックしましょう。
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……とか言われても、エンジンルームって、何を見たらいいのかよく分かりませんっ!
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ポイントがあって、オイルが漏れそうなところ、にじみそうなところを見るんです。
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漏れそうなところ、とは?
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それを説明する前に、とりあえず、オイルフィラーキャップ(フタ)を開けてみましょう。
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もちろん、いきなりパカっと開けたら感じ悪いので、お店の人に断ってから……ですね! で、ココでは何を見るんですか?
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オイルの汚れを見ます。普段から整備されていてキレイな車は、カスが全然なかったりします。
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ほほう。
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オイル交換をマメにやっていたか、やっていなかったか。その蓄積が現れてしまう部分なんですよ。
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オイル交換をマメにやってこなかった車だと?
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中で、カスみたいのが固まっているはずです。
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直前にオイル交換してあったとしても?
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中の汚れは取れません。フタだけならフタ自体を新品に換えればキレイになりますけど、中はどうにもならない。
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なるほど。
だから覗き込むのか〜。 -
高級車系は見えにくいですけど、SUVでもコンパクトでも軽自動車でも、余裕で見えます。
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これは重要なチェックポイントですね。
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エンジンが小さい軽自動車だと、カムまで見えたりする。中には覗き込むと、メチャクチャ汚い車もあります。
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そんな車は、パスしたい。
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というわけで、オイルフィラーキャップは、今までキチンとメンテされていたかどうかを判断する、ひとつの材料になります。それが全てではありませんが。
オイルフィラーキャップ
エンジンの周りのオイル漏れ・にじみを見る
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あとは、エンジンの周りを見ておきましょう。
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エンジンの周りって、なにを見てるんですか?
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ヘッドカバー周りのオイル漏れとか、にじみを見ておくんです。
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えーと……。
ヘッドカバーってどれだっけ??? -
ヘッドのタペットカバーのパッキン周りから漏れるんで、こういう側面側が見るべきポイントです。薄くにじんでいるのは、当たり前にある。
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やはり古い車は、オイルにじみとか多いんですかね。
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ですね。多少のオイルにじみは、仕方ない面もある。でもきっちりメンテされている車だと、古くてもにじみが少なかったりしますよ。
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そういうのって、オイル交換の頻度も影響しているんでしょうか?
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オイル交換をきっちりやっていたかどうかは、メッチャ影響しますよ。
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そっか。
オイル交換って、改めて大切なんですねぇ。 -
軽自動車などは特に顕著。全然交換していない例だと、走行5〜6万キロでオイルを吹いているような車両もありますから。
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なんでそうなるでしょう。
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エンジンオイルの役割は潤滑だけじゃなくて、冷却効果などもある。まったく交換しないと、シールが傷むんですよ。それで漏れやすくなる。
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つまりエンジンオイル交換を、きっちりやっていたかどうかのバロメーターになる……
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そういうことです。だから車を買う前に、エンジン周りを見ることは大切なんですよ。
ヘッドカバー周りを見る
このへんを見る!
ラジエーター周りのチェック
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ラジエーター周りもチェックしてみましょう。
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リザーブタンクなら、誰でもすぐ見られますね。
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ラジエーター周りでチェックすべきは、漏れです。タンクは水が明らかに減ってないかを見てみます。
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とはいえ……。
タンクの水が少し減ってるのは、普通ですよね? -
そうですね。多少の減りは足せばいいだけです。問題は、明らかに減っているとき。その場合、漏れている可能性もあるので。
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ということは、タンクだけ見ていても分かりませんよね?
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ラジエーター周りの漏れやすいポイントというのがあるので、そのへんを重点的に見ます。
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ココは、冷却水がラジエーターに入る部分ですね。
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そうです。ラジエーターに水が入る部分が、一番熱を持っている。それで、クラック(ヒビ割れ)が入っていることもありえます。
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それが漏れの原因になるわけか。
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だからポンプだけ見るんじゃなくて、こういうポイントは見ておきましょう。カシメ部分も要注意。
クーラント(冷却水)のリザーブタンク
ラジエーターのチェックポイント
パワステポンプのオイル漏れチェック
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これは全車ではありませんが、せっかくエンジンルームを見るなら、パワステポンプもオイル漏れをチェックしておきましょう。
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このチェックは、全車ではない?
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軽い車や新しい車なら、油圧制御ではなくて電動の車も多いからですよ。
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そういうことか。
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ただ重量のある車やハイパワーの車だと、油圧ポンプを使っているので、漏れをチェックしておいたほうがいい。
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中のオイルは見えませんけど、漏れていたらどうなっているんでしょう?
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漏れていたらタンクがベタベタだったり、ホースの付け根に、にじみがあったりします。
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なるほど〜。
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太いタイヤを履いていたり、ローダウンしていたりすると負担になるから、余計漏れやすい。
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ということは、ドレスアップ中古車の場合は、なおさら要チェックポイントですね!
パワステポンプを見る
DIY Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンはドレスアップ専門中古車店。車購入後のドレスアップ依頼もプロショップ並にこなすうえに、トラブル対応にめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休