缶スプレー塗装を学ぶ③
FRPパーツの下地処理。「足付け」のやり方は?
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FRPパーツを塗装する前の下地処理・足付けのやり方。なお前回やった「バリ取り」も「足付け」もサンドペーパーを使うが、ペーパーの目はそれぞれ異なる。それはなぜなのか。足付けには、何番が適しているのか。実際に足付け作業を行いながら解説する。
FRPの「バリ取り」と「足付け」は分けて考える
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「FRPパーツの塗装方法を、下地処理からプロに教わる」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回は下地処理の第一段階・FRPのバリ取りをしたので、今回は「足付け」をします。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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足付け(アシツケ)する目的をおさらいしておくと……
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FRPの表面に傷を付けることで、塗料の食いつきをよくするのです。
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まさに下地処理。
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注意点としては、バリを取る段階で、磨き傷も付いているのですが……
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この傷は、足付けにはなりません。
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なぜなんでしょう?
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サンドペーパーの目が粗すぎるのです。
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……ほほう。
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FRPのバリ取りでは、粗めの150番のペーパーで磨きました(↓)
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バリを取るには粗い目のペーパーがいいのですが、「足付け」用の傷としては、150番は深すぎるのです。
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……150番でバリ取り、足付けをまとめてやって、そのまま塗装したらどうなるの?
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傷が荒いから、塗料では傷が埋まりきらずに、傷だらけの仕上がりになってしまいます。
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……う。
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傷が塗料で埋まって見えなくなるように、足付けはもっと目の細かいペーパーに変える必要があります。
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同時にやるのはダメ、ってそういうことかー。
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どうせペーパーで磨くのは同じだろ、と思うかも知れませんが、バリ取りと足付けは同時にはできません。
FRPの足付け作業は、320番のペーパーでちょうどいい
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今回用意した耐水ペーパーセットの目のラインナップは、こんな感じですが……
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次に使うのは、320番のサンドペーパーですね。これならFRPの足付けにはちょうどいいです。
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320番だったら、そのままサフェーサーを入れられるレベルの目なんで。
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フムフム。
サフェーサーの前は、320番あたり。 -
ちなみに本番の塗装前は、600番や800番といったレベルのペーパーで磨く。
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つまり作業が進むごとに、だんだんペーパーの目が細かくなる。
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逆に、先に目の細かいペーパーを使ってはいけません。意味がなくなる。
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ナルホド。そうやって、ペーパーの傷目をだんだん浅くしていくんですね。
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そういうことですね。だから、バリ取りで傷が付いている箇所も、もういちど、磨き直します。
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150番のペーパーで付いた傷は、改めて320番のサンドペーパーで傷を付け直す必要がある、ということです。
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そうなんだ。
全面に傷が付けばいい、という話ではない。 -
ハイ。全面的に、320番のペーパー傷で上書きしないといけません。粗い目を細かい目でならす。ここが意外と重要です。
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そういうことね~。下地処理のポイントが分かってきた気がする。
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それから、真っ直ぐな面を足付けするときは、なるべく当て板を使いましょう。
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ただし、FRPパーツは真っ直ぐな面ばかりではないので……
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傷が付かずに残る場所も出てきます。
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乾いた状態で見ないと、傷が分からないから、注意ですね。
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そういう意味では、水研ぎの場合、エアースプレーもあるといいかも知れません。
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シューっと吹いて、水分を飛ばしながら磨けますね。
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そうやって全面に均等に、320番のペーパーで傷を付けたら、FRPパーツの足付けは完了です。
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艶がなくなって、すっかりマット調になりました。
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でもまあ、ここまではカンタンな作業ですよね。別にプロの板金屋でなくても、誰でもできる作業と言えます。
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プロのノウハウはここから……ってことね。DIY向けの材料だけでどこまでできるか見ものです。
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