缶スプレー塗装を学ぶ④
FRPパーツの巣穴は塗装する前に絶対埋めたい! 補修方法は?
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FRPパーツの巣穴は、目立たないことも多い。とりわけ足付け後は、巣穴を埋める必要があるのか? とも思えるほど。しかし巣穴は、塗装するとイヤになるほど現れてくるもの。手抜き後の後悔は明白なので、塗装の前の巣穴のパテ補修は必須と心得よう。
ぱっと見には見えなくてもFRP製品には巣穴がある。そのまま塗装はリスキー
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●レポーター:イルミちゃん
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FRPパーツのバリを取り、足付けまで終わりました。
(↓)●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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で、FRPのバリを取ったことで、巣穴が出てきます。あるいは欠けもある。
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え~っと、それってつまり、バリを取らなければ、巣穴は出てこない?
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そうだけど、そうはいかない。バリを取らないで塗装したら、仕上げはエライこっちゃになります。
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……どのみち巣穴補修は避けて通れないようであります。
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まずは、水研ぎしたときの研ぎ汁や、粉が巣穴の中に入っているので、エアーで吹き飛ばしましょう。
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DIY環境でコンプレッサーまで持っている人は少数派なので、エアースプレーで代用を。
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しかし、FRP製品の巣穴は、目で見て、「あ、ココに巣穴がある!」っていうほどには目立たなかったりします。
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……確かに、パッと見にはべつに問題ないような?
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でも巣穴ってね、色を塗ると、すごくハッキリ出てくるんですよ。
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……イヤな存在ですね。
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サフェーサーを吹くことで、巣穴を見つけやすくする効果もあるんですが……
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じゃあ、巣穴埋めのパテより、先にサフェーサーを吹くの?
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そういう手もありますが、それだと、巣穴をパテで埋めたあとに、最終的な塗装前の下地としてまたサフェーサーを吹かないといけなくなります。
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2回吹かないとダメ?
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サフェーサーを吹いたあと、再びパテを使いますからね。そのまま塗装すれば、パテが露出している部分は塗料を吸ってしまう…。
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あー。
そういうことね。 -
スポットパテを薄付けする程度ならそのまま塗装できますが、「今回はそんなものは手元にない」想定です。
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この企画は、カー用品店で買ってきたDIY用アイテムのみで進めています。
※具体的な材料は「缶スプレー塗装に必要なもの。プロと同じ作業を身近なアイテムで」参照。
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完全にワンオフでパーツを作るときなどは、パテの使用量も多く、巣穴も多いので、2回サーフェーサーを吹く場合もありますが……
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今、やっているのは、製品版のFRPパーツの巣穴補修ですから……
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その場合、そこまで巣穴が多くはない。であれば、サフェーサーは塗装の前に1回吹く流れで十分です。
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……でも、巣穴が見えにくい。これはどうしたらいい?
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FRPパーツは、基本的にバリがあるところに巣穴が発生していると分かっています。
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予想が付く、という点でワンオフ品とは事情が違う。
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そうです。現段階で巣穴がよく見えなくても、バリ取りしたところにパテを入れて、削って、そのあとからサフェーサーを入れれば、その段階ではあらかたの巣穴は埋まっているはず。
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ナルホド。
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というわけで、今回はこのまま先に、巣穴補修作業に入ります。
✔ サフェーサーの目的は大きく2つある。「サフェーサーとは? 塗装前にサフェーサーを吹く意味はなに?」参照。。
FRPパーツの巣穴をパテで埋める補修方法
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ここからが、巣穴の補修方法。
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まずは、パテの準備をしましょう。
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使用するのは、カー用品店で買ってきたバンパー補修用のパテ。
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今回のパテは、硬化剤と主剤を1:1の割合で混ぜるようですので、そのへんは指定の通りにやります。
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なるほど……。
こうすれば、測らなくても均等に出せるんだ。 -
ヘラでよく混ぜます。
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パテの塗り方のコツは?
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ここでは巣穴を埋めるのが目的。なので、「塗る」というより「穴にすりこむ」イメージです。
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ペタ、ではなく、グリっと押しつける感じ。
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そのままバリ取りをしたラインに沿って、パテを付けていきましょう。
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全面にパテを付ける必要はありませんね~。
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「バリを取った線状には巣穴がある」という前提で、そこにパテを付けました。
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敵の姿が見えにくいのがやっかいだなー。
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今の段階ではそんなに巣穴はないように見えますが、この状態からパテを削ると、白い点がいっぱい残るはず。
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白い点?
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表面のパテを削ると、巣穴を埋めたパテだけが残る。
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そういうことか~。
早く削りましょう。 -
乾燥してからね。今回使ったパテは、「気温20度の自然乾燥で、30分くらい」と書いてありますが、まあ長めに時間をおいたほうが無難です。
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巣穴補修の後半戦に続く。
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