アンプの追加方法

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ハイレベルインプットの外部アンプでも音質は良くなるのか？

ハイレベルインプットのアンプは、音質的にはどうなのか。純正ナビもいかしつつ、カプラーオンでカンタンに取り付けができる……そんなウマイ話があるものか？ ハイレベルインプットの外部アンプを追加して、音質が良くなる理由とは。

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  「DIY取り付けに最適なパワーアンプ（外部アンプ）が登場！」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  それでは今日は、新型アンプ・PA2T1（ピーエーツー・ティーワン）の取り付け方法を……

  ●アドバイザー：ビートソニック ワタナベ研究員

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  ちょっと待った！

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  ……え？

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  「DIYでカンタンに取り付けできるアンプ」と聞くと、響きはいいけど……

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  けど……なんですか？

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  カプラーオンでチョイチョイっとアンプだけ追加して、本当に音質が上がるのでしょうか？

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  なるほど……そこを疑っているんですね。

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  だって……純正ナビとスピーカーだけでも、音は鳴っているじゃないですか。

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  ……まあ、そうですけど。

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  外部アンプなんて付いて無くても、音は鳴っている！

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  正確に言うと、アンプ無しでは音は出ません。純正ナビの内蔵アンプで、音が鳴っている状態なのですが。


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  そっか。
  内蔵アンプ君のおかげだったのか。

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  純正ナビの内蔵アンプが音声信号を増幅し、それによってスピーカーを駆動しています。

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  しかし、ということは、その純正ナビとスピーカーの間に、PA2（あるいはPA2T1）のような外部アンプを付けたら、アンプが2個付くことになりませんか？

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  そうですね。ハイレベルインプットのアンプを付ける、っていうのは、二重アンプみたいな状態になりますよね。



✔「ハイレベルインプット」とは、内蔵アンプですでに増幅済みの信号（ハイレベル信号）を、入力信号として受け取ること。

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✔ ハイレベルインプットに対応するアンプでないと、純正ナビに直接つなぐことはできない。

※詳しくは、「RCAとハイレベルインプットの違いは重要╱アンプの選び方入門」参照。

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  考えてみると、純正ナビの内蔵アンプによって、すでに信号が増幅されてハイレベル信号になっているんですよね。

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  ハイ。その状態の信号を受け取れるのが、PA2やPA2T1のような、ハイレベルインプット対応アンプです。



✔ 純正スピーカー線を経由して、ハイレベル信号を受け取れるポートを備えている。

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  この場合、増幅した信号を、さらに増幅してパワーアップするってこと？

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  それは違いますね。純正ナビが増幅した信号は、いったん落としてローレベル信号に戻してから、改めて外部アンプ内で信号を増幅し直すのです。

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  純正の内蔵アンプがせっかく上げたのに、また下げて、また上げるってこと？？？

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  ハイレベルインプットの外部アンプがやっているのは、そういうことです。

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  ……そんなことで、本当に音質が良くなるの？

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  オーディオのセオリーで考えると、余計な回路はあまり通らないほうが音質的にはいいですね。

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  …ふむ。

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  そう考えると、純正ナビ（純正デッキ）の内蔵アンプで、直接スピーカーを鳴らすほうが、間に外部アンプをかませるより、シンプルで良いということになりますが……

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  確かにそうだ。

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  しかし、その理屈だけでは音質は語れません。

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  と言いますと？

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  スピーカーを動かすために電気が必要ですが、純正ナビの内蔵アンプで、スピーカーを駆動するのに十分な電力をまかなえているか、という問題があるのです。

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  音が出ているんだから、電気は足りているんじゃないの？

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  まあ、音を出すというレベルの話では、電気は足りていますよね。当然です。

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  ふむ。

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  しかし、一瞬、大きな電力を出したい場面で、すぐにその電気が出せる状況にあるのかどうか。これは、差が出てきます。

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  大きな電力が必要な場面？

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  例えば「音の立ち上がり」の部分などで、ドンと電気が必要になった瞬間などは、アンプの設計的に電力に余裕がある作りになっていないと、追いつけません。



純正ナビに追加するマイクロパワーアンプ・PA2の内部基板。

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  でも、純正ナビだからって音が途切れたりはしませんよね？

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  しかし「立ち上がりの鋭さ」などは、音として再現できていなかったりするのです

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  ホー。

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  もともとの音声信号は、「立ち上がりが鋭い音になっている」としても、駆動するほうにそれだけの電気の余裕がなければ、そこでモタついてしまうのですよ。結果、立ち上がりがモワっとしたりとか。

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  それは、音声信号通り、再生できていないってこと？

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  そうなんです。とりあえず音が出ているとはいっても、音声信号通りにスピーカーが再生できているかどうかは別問題です。

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  ……なるほどぉ。

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  最終的に音を出すのはスピーカーですから、「スピーカーが音声信号通りに動いているか」という話になりますが……



スピーカーは表面のコーンの動きで音を出している。

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  そのスピーカーを駆動しているのはアンプです。つまり、音声信号通りにスピーカーを動かせるかどうかという意味で、アンプの性能差も出てくるのです。

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  ナルホド。外部アンプの追加だけで音質が変わるっていうのは、そういうことなのね。

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  とはいえ、ハイレベルインプットのアンプなら、何でもいいという話ではもちろんありません。

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  純正の内蔵アンプと大差ない性能だったら、追加する意味ないもんね。

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  さきほど言った通り、「必要なときに必要なぶんの電力が、すぐに取り出せる状況にあるか」がポイントなので、ハイレベルインプットアンプの設計がそうなっているかどうか、が非常に重要です。

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  電力に余裕のある設計か。

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  これは、基板上の回路のパターン設計なども含めて、ですが。

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  パターン？

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  パターンとは、ようするに基板上の銅箔の部分……つまり電気の通り道のことですが、PA2やPA2T1は、通常の2倍の厚みを取っていたりするのです。


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  一般的には35ミクロン、最近は18ミクロンの厚みのパターンも多いところ、PA2の場合は、70ミクロンを使っています。コストはかかりますが。

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  ようするに、道路が一車線ではなくて二車線あるぞ、みたいな。

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  そうですね。普段は1車線で足りていても、それでは足りなくなる「音」も出てきますので、余裕を持たせて設計しているんです。

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  なるほどね～！

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  というわけで、PA2（PA2T1）のようなハイレベルインプットの外部アンプを追加した場合、アンプとしては2重になるというか、ダブルアンプみたいな形にはなりますが、音質的には有利なのです。



Amazonでも販売されているビートソニック マイクロパワーアンプ PA2



✔ PA2をベースに、トヨタディーラーオプションナビ（10ピン＆6ピン仕様）に割り込み可能なハーネスまでセットになったのがPA2T1。詳細はAmazonのビートソニック マイクロパワーアンプキット PA2T1参照。

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  純正ナビにアンプを追加する意味が納得できたところで、次回、いよいよ取り付けます。