殻割りのQ&A
テールランプを殻割りしたいが、超音波カッターの刃が届かない箇所はどう切る?
- 1
- 2
テールランプの殻割りを超音波カッターでやっていて、ぶつかりがちな問題点。そもそもテールランプの殻割りは、道なき道を行くようなもの。正解のカットラインはここ! と言えるものではないが、百戦錬磨のプロのライト加工屋のアドバイスは重たいが面白い。
タンクのテールランプ(溶着タイプ)殻割りでぶつかった問題点
-
DIYラボ読者の方から頂いた、テールランプの殻割りに関する質問に答えていきたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
-
切って開けるタイプの殻割りの質問……これはもう、LED加工専門店・球屋の森田研究員に聞くしかない。
-
なるほど。
テール加工では、あるあるですね。●アドバイザー:球屋 森田研究員
-
ほお。
ルーミーやタンクが特殊なわけではない。 -
ただし、球屋では過去にルーミーやタンクのテールランプを殻割りしたことはないし、今回も現物を見ていないので、ハッキリしたことは言いにくいですが……
-
そのあたりは、K-dolphinさんも理解してくれていて、写真をたくさん撮って送ってくれました。
-
テールランプの内側はすでにDIYでカットしているのですが……
-
問題となっているのは、テールランプ外側のライン。
-
これが「超音波カッターが入らない」という部分。なお「裏側から切るとなると、カットラインが奥側になってしまうので切れない」と、K-dolphinさんは言っています。
-
想定しているカットラインが最良だとして、なぜ、超音波カッターなどの刃が届かないのか考えてみましょう。
-
と言いますと?
-
例えばハウジングが邪魔で刃が届かないのであれば、先にハウジングをカットして、邪魔になる部分を取ってしまう必要があるということです。
-
あ~。
2回切るってことか。 -
そもそもまず、1回のカットで、一気にレンズとハウジングを分解できるとは考えないほうがいいです。
-
なるほどね。
-
もちろん、カットラインが増えれば増えるほど、組み立てる際の防水処理の手間なども増えます。
-
そういう意味では、シンプルなラインで切りたいものですが……
-
しかし、物理的にどうしようもないところは、障害物を切り落として解決するしかないです。
-
確かに。
-
内容は少し異なりますが、以前にDIYラボで、60ハリアー後期のヘッドライトを分解するのに、レンズを切るだけではなく、ハウジング側にも手を入れた内容を記事にしましたが、感覚としてはそれに近いです。
-
今回のタンクのテールランプは、例えば僕なら、まずこのライン(↓)で切ることを検討します。あくまでも送って頂いた画像で判断する限りですが。
-
しかし、このラインで切ると、最下部にはステーがあり邪魔になります。
-
どうしましょう?
-
「それなら、ステーを切りましょう」という発想も必要になってくる。あくまでも一例として、ですが。
-
ステーを切ってもいいの?
-
もちろん、ステーを切ると強度の問題などが出る可能性もあるので、切りたくはありません。しかし、まずは「開ける」が大前提だし、ステーうんぬんより、最大のリスクは加工後のテールランプに水が入ることです。
-
ふむ。
-
つまり、水が入るような(防水しにくい)ラインで切るぐらいなら、ステーを切るほうが現実的ということです。
-
デメリットが何もない「100点満点のカットライン」は、けっきょくのところないんですよ。
-
まあ、切って開けること自体がリスクですからねぇ。
-
上で提案したカットラインも、実際に切ったことはないので、ひとつの案に過ぎません。
-
う~ん、出たとこ勝負で切ってみるか!
-
……という考え方でやるのではなく、DIYの人には、もっと現実的でオススメの方法があります。
-
あん?
■ 質問
トヨタ・ルーミーカスタムを購入し、テールランプをクリアレンズにするために、ヤフオクでタンクのテールランプを競り落としました。
オールLED化したいので、テールランプの殻割りに挑戦しましたが、溶着タイプなので、超音波カッターやホットナイフ等で切断しようとカットラインを検討しました。テールランプの内側と上側はレンズとハウジングの境界を切っていけば良いと思うのですが、問題は外側です。
ハウジングの部分をカットすることになると思うのですが、上から中程の部分が奥にあって、超音波カッターが届きません。ご教授お願い出来ますか?
質問者╱K-dolphinさん
タンクのテールランプ
内側
タンクテールの内側・下部
外側
タンクテールの外側・中央
ウラ側
タンクテールの外側・裏側
✔ 60ハリアーのヘッドライト殻割りのワンシーン。黒いカバー状の突起が切りたいラインをジャマしているので、先に切り落としている。
✔ 残すことにこだわると、防水に無理のあるラインで切らざるを得なくなってしまう。それよりは「防水しやすいラインで切る」を優先するのがコツ。
※このラインが正解、という意味ではない。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
関連記事
- テールランプ殻割りをする前に「激安テール」で練習するのが得策
- ヘッドライトを殻割りする前に知っておくべきこと
- 熱では殻割りできないヘッドライト・テールランプの開け方【第1回】
- 切って殻割りしたテールランプを殻閉じする方法
- ヘッドライトの殻割り方法╱序盤のコツ
- 殻割りしたヘッドライトの閉じ方! プロ流の防水シーリング
- 殻割りしたヘッドライトの戻し方(殻閉じ)╱シーリング編
- ヘッドライトの殻割りができなくなる日が来る!?
- 殻割りが変わる!? レクサスUXヘッドライトに見る最新事情
- 失敗しないヘッドライトの外し方
- フロントバンパーの外し方。傷を付けないコツ!「C-HR編」
- 失敗しないヘッドライトの外し方「C-HR編」
- フロントバンパーの外し方(カローラツーリング編)
- ヘッドライトの外し方(カローラツーリング編)
- フロント&リアバンパーの脱着をDIYで行うときの注意点