社外アンプのQ＆A

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純正アンプを取り外し、純正デッキ→社外アンプにつなぐことの問題点

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純正デッキから純正アンプに入る前の信号を拾い、社外アンプに直接入れる「ローレベルインプット」の問題点を、ひき続き検証。条件を満たせば「ハイレベルインプット」より音質向上が期待できる、マニア心をくすぐる試みだが、物理的な純正アンプの取り外しは考えないほうがよい模様。

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  「社外アンプ配線方法の疑問。純正アンプに入る前のローレベル信号を拾ってつなげるか？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  純正アンプに入る前のローレベル信号を拾うにあたっては、純正デッキから出ている音声信号のチャンネル数の問題も出てきます。

  ●アドバイザー：ビートソニック ワタナベ研究員

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  なんのことでしょうか？

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  最近の車は、純正アンプがある場合には、デッキからは2チャンネル分（LとR）の音声信号しか出ていない場合が多いのです。

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  フムフム。

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  そして純正アンプ側で、実際に必要なチャンネル数を出力します。



✔ チャンネルの概念については「アンプのチャンネルとは？╱アンプの選び方入門」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  例えば、前後左右のスピーカーで4チャンネルの出力が必要だったとして……

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  アンプとしては2チャンネル入力・4チャンネル出力となっている可能性もあります。

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  フムフム。

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  アンプが4チャンネル入力・4チャンネル出力だったら、特に問題はないのですが、4チャンネル分の出力が必要なのに、純正デッキが2チャンネル出力だった場合……

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  純正アンプを経由しないことで、チャンネル数にムジュンが生じてしまう！

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  そうなんです。その場合、純正デッキの音声信号を分配して、PA2（社外アンプ）に4チャンネル分入力するという荒業もありますが……



✔ ビートソニックのマイクロパワーアンプ・PA2の入力は、フロント左右とリア左右の4チャンネル。

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  そんな荒技もあるんだ。

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  しかし、そんなやり方をして、純正デッキの出力（特にマイナス側）が分配に耐えられるかどうかは分かりません。

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  もちろん、まったく推奨できませんね。

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  また、純正でセンタースピーカーやウーハーが付いているとしたら、5チャンネルや6チャンネルの出力が必要になりますので、その場合は別途考える必要があります。

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  次は、ボリュームコントロールがどこでなされているか、という問題です。これはかなり重要な項目になります。

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  なぜボリュームが重要なのでしょう？

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  純正のボリュームは、デッキ（ナビ）やインパネ部分に付いていますよね。


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  しかし、音量が実際に変わっているのがデッキの出力なのか、アンプのゲインなのか？ ここは確認が必要です。

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  ふむ。

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  ボリュームつまみを回してデッキの出力が変わればいいのですが、車によってはデッキの出力は一定のままで、アンプ側で音量をコントロールしているものがあります。

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  ということは、どういうこと？

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  純正アンプを経由せず、純正デッキの出力を直接PA2（社外アンプ）に入力すると、音量が変えられなくなります……。

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  確かに大問題だ。

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  つまり、純正デッキのローレベル信号を社外アンプに入れられるのは、「ボリューム調整でデッキの出力が変わる」ことが前提になります。

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  ……どっちのケースかは、どうやって判断するのでしょう？

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  うーん、そこなんですけど、個人では簡単にできるものではないです。専門的に言うとDSOやオシロスコープなどが必要。

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  4つ目の条件は、純正アンプ側でフィルターがかかっていないかどうか。

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  フィルターってなんですか？

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  純正システムの中にはツイーターやウーハーなどが付いているものがあり、これらが純正アンプと直接つながっている場合があります。

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  フムフム。

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  その場合は、純正アンプにフィルターが入っていて、ツイーターには高音しか流さないような処理になっていたりするのです。

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  あー、ようするに音を分けるパッシブネットワーク的なものがアンプの中に入っているんだ。



✔「パッシブネットワークとは？」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  アンプ内でフィルターがかけられていたのに、その純正アンプを経由しないとなると、ツイーターには高音しか鳴らさないフィルターが必要になるし、ウーハーには低音しか鳴らさないフィルターが必要になります。

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  改めてネットワークが必要になるかもってことね。

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  純正アンプにフィルターが入っていなくて、全てフルレンジで鳴らしているのであれば、特に問題はありませんが。

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  なるほど。

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  ただ、純正アンプにフィルターがかけられているかどうかの判断は、計測器がないとしたら、予想しかできないですけどね。

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  ……というわけで、純正アンプに入る前のローレベル信号を取って、社外アンプに入れるというのはなかなか敷居が高い話です。

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  ウーム……。

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  結論としましては、やはり純正アンプを経由したのちのスピーカー出力からハイレベル信号を取り、社外アンプにハイレベルインプットするほうが安心です。

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  ……間違いない。



✔ ハイレベルインプットは、純正ナビのスピーカー出力を、社外アンプに入れる方式。「純正ナビにアンプを追加する」という場合には、この方法が王道。

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※「ハイレベルインプットの外部アンプでも音質は良くなるのか？」参照。

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  ただし、今回のローレベル信号を入れる話は、チャレンジとしては面白いと思いますし……

条件が揃えば、そのほうが音質向上が期待できるのではないでしょうか



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  ハイレベルインプットが無難と言いつつ、ビートソニックが丁寧に回答してくれたのは、そういう理由なんですね。

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  なお、信号が取れた場合でも純正アンプは取り外さず、少なくとも電源は接続しておいた方がいいです。

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  それはなぜ？

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  純正システム同士で通信を行っている場合、通信が成り立たないとエラーを起こしてしまい、思わぬところで問題が出る可能性があります。

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  うかつに純正アンプを外すこともできない。

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  そうなんです。「音声入力とスピーカー出力」は社外アンプ経由にできたとしても、「それ以外の線」はそのまま純正アンプに残しておいた方が無難です。

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  あえて「ローレベルインプット」に挑戦しようというオーディオマニアの人は、覚えておきましょう。