>>> バネ交換ガイド（第9回）

車高調のバネを交換する方法

車高調のバネの交換方法。ここからは具体的なやり方を、足回りのプロに教わる。なおフロントとリアではやり方が異なるが、まずは比較的難易度が低めのリア（トーションビーム式）を解説。

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  車高調のバネ交換ガイド連載では、これまでにいろいろ勉強＆実験してきましたが……

  ●レポーター：イルミちゃん



✔ 連載を最初から見る人は「車高調のバネ交換（スプリング交換）入門ガイド」

>>>リンク先で詳しく読む。

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  ところで車高調のバネ交換って、具体的にはどうやるのでしょうか？

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  フロントとリアでは事情が異なりますが、リアは比較的難易度が低いですよね。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  ではまずリアの話から。

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  リアは、トーションビーム式（※）の車が多いです。

※「トーションビーム式とは？ その仕組みとセッティングの注意点」参照。

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  トーションビーム式の場合は、リアのショックを外して、アクスルビーム（クロスビーム）がダラーンと下がった状態になれば、バネはすぐ取れるんです。

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  へー。
  車高調のバネって、すぐ取れるんだ。

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  比べると、車高調ではなく純正バネを外すほうが、よっぽど大変ですね。

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  なにが違うの？

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  なぜかというと、純正バネは長いからですよ。


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  これだと、ぐ～っと、かなり足回りを下げてからでないと外れません。

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  それに対して車高調は……

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  車高調のバネ交換の場合、もともと使われているバネも短いですから外しやすいのです。

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  「バネ交換したい」っていうのは、ほぼ車高調の話ですしね。

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  そうなんですよ。それなら、リアショックを外して、足回りをダラーンと降ろせば、その時点でリアのバネはすぐ取れるものが多いです。

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  なるほど。

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  ただし、例外もある。リアショックの全長調整をギューっと縮めて、バネに無理矢理なプリロードがかかっていたりすると、話は別です。

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  それって前に教わった、間違ったセッティング例？

  ※「リアショックの全長調整でやりがちな失敗」参照。

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  ハイ。そういう状態だと、バネがパーンっと突っ張った状態なんで、ショックの下側のボルトを抜きたくても、抜けないんです。

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  ……その場合は、ショックの状態を見直すのが先ですね。

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  そうですね。そもそもセッティングとして、間違った状態ですので。

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  そのような状態ではない、という前提で、どうやって車高調のリアバネを交換するのか見ていきましょう。

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  ここからは具体的に、車高調のリアバネの交換方法です。

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  まずジャッキアップするんですが、パンタグラフジャッキでやるのは無理というか厳しいですね。

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  フムフム。

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  バネが遊んでいるような状況でもない限り、片側ずつ足回りを下げてバネを抜くのは大変ですし、危ないのでやめたほうがいいです。

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  つまり、パンタグラフジャッキではダメなんだ。

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  そうです。ガレージジャッキ（フロアジャッキ）で両輪を持ち上げて、ウマに載せて、それからやるべき作業です。

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  持っていない人は、まず下の記事を見てくださいね。



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リアショックのボルトの外し方

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  バネを外すためには、リアショック下部のナットを外してボルトを抜きますが……


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  バネにプリロードがかかっている状態だと、ショックもフリーになっていない（負荷がかかっている）ので、ボルトが抜けません。

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  単にレンチをかけてすぐ外せる、というものではないんだ。

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  仮に少ししかプリロードがかかっていない状態なら、手でぐーっと持ち上げても足回りが動くので、少し持ち上げた状態でボルトを抜くことができる場合もあります。


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  しかし、まともにプリロードがかかっている状態では、この方法では無理です。

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  その場合はどうするの？

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  もうひとつジャッキをかけてショックを少し持ち上げて、ショックをフリーにしてボルトを抜きます。



リアショックを少し持ち上げて、ボルト＆ナットを外す。

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  リアショック下部のボルトが抜ければ、アクスルビーム（両輪をつなぐ横棒）を下げられます。

足回り全体を押し下げる


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  これでリアバネ上空に隙間ができて、バネを取り外すことができます。


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  確かにショックのボルトさえ抜ければ、バネは意外とカンタンに外れるんですね。

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  そして、用意した交換用のバネに入れ替えます。

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  なお、バネを選ぶ前に、「車のバネ（スプリング）の選び方」などを見てくださいね～。


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  足回りを持ち上げながら、ショック下部のボルトを入れます。


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  反対側からナットを入れて……


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  ナットを押さえながら、ボルトを締めます。


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  上写真はインパクトレンチを使っていますが、2本のメガネレンチがあればできます（↓）



✔ ボルト側を押さえながら、ナット側を締め付ける。詳しくは、「車高調 取り付け方法╱リア編（トーションビーム式）」も参照。

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  以上のように、車高調のリアのバネ交換は比較的難易度の低い作業です。

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  問題はフロント……ですね。