GW直前スペシャル(第2回)
タイヤバースト原因の「復習」と、起きたときはどうすればいいかの「予習」
タイヤはなぜバーストするのか。バーストの原因を復習しておけば、回避の可能性は上がる。また、バーストした場合、どうすればいいのかを予習しておこう。ところで、加入している保険会社のロードサービスの電話番号、電話帳に登録してますか?
高速道路で長距離を走るとタイヤがバーストしやすい理由
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実はココが、一番重要。遠征時にタイヤのバーストを防ぐ上でもっとも有効なのは、タイヤ空気圧のチェック&補充です。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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実際のところ、高速道路で長距離走行する時が、一番バーストしやすいのですが、これには理由があります。
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ほほう。
どんな? -
空気圧が減っている状態で長距離走ると、スタンディングウェーブ現象が起こるのです。
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あー。
なんか教習所で習ったことあるような。 -
ハイドロプレーニング現象なら、覚えているけど……
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ハイ。
それは雨でタイヤが浮くやつね。……全然違う。 -
空気圧が減っていると、タイヤが内部から壊れてしまい、バーストにつながるのです。
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引っ張りタイヤのセパレーション(内部剥離)については、以前に教わったことがありましたが……
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引っ張りタイヤでなかったとしても、空気圧が低下すればセパレーションは起こります。
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しかも最近はセルフのガソリンスタンドが増えたせいで、空気圧を長いことチェックしていない人が多い。
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……それは言えてる。誰もタイヤを見てくれない時代になった。
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そもそも自分で見ましょうね。
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GWお出かけ前にやるべきは、タイヤ空気圧……それからタイヤのミゾもチェックしておきましょう。
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この記事で、DIYラボ読者の皆さんの、GW期間中のバースト率が激減することを祈る!
GW直前スペシャル。緊急危機対応シリーズの第2回目(※)です
※「車載工具で社外ホイールは外せない! 遠出する前に〈真の車載工具〉を揃える」参照。
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
遠出に備えて、車載工具のチェックはしたけど、今日はなにをするの?
DIYラボ別館:ユキマちゃん
✔ スタンディングウェーブ現象とは?
本来、真円でコロコロ回っているべきタイヤが、空気圧不足によって「たわみ」が発生し、波打つように変形する現象のこと。タイヤ内部に大きな負担がかかり、異常発熱する。✔ 空気圧不足によるセパレーションは、その先にバーストが待っているので、なお危険!
✔ タイヤの内減り→ワイヤーが露出→バースト……というコースもある。「ローダウン車のタイヤ交換時期は、どこで判断するべきか?」参照。
高速道路でタイヤがパンク&バーストしたらどうすればいいの?
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まずは、タイヤのバーストを未然に防ぐために「予防策」をやりました。
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ん?
まだ何かあるの? -
次は「予習」です。
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予習ってどういうこと?
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気をつけていても、タイヤのパンクやバーストは起こるときは起こる。
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空気圧不足でバーストする直前は、タイヤがブレはじめます。その違和感を、事前に察知できればベストです。
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初期段階で気づけば、あらかじめパーキングエリアとかにも入れるかも。
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フロントタイヤの場合、けっこうハンドルがブレますね。
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そういうときは止まる準備をしましょう、ということですね。
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パンクやバーストが起こってしまったら、ハザードランプを点灯させながら左端を徐行し、非常駐車帯に停めます。
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非常駐車帯って?
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ちょっと広くなっていて、道路公団とかに知らせる電話ボックスがあるところ。
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走行中、ときどき見かけますね。
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停車させたら、発炎筒をたいて、三角表示板(三角停止板)を車の後方に設置します。
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でも、高速道路を徒歩で移動するのは危険。ガードレールの外側に出て、移動しましょう。僕もやったことがあるけれど、かなり恐いです。
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そういえば、発炎筒なんてたいたことないんだけど、できるかな。
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それはカンタンです。マッチを擦るようにやれば、着火しますよ。
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順番的には発炎筒と、三角表示板の設置が先で、そのあと電話ボックスから連絡します。
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なお、停車したら必ず、道路管制センターには電話しないとダメ。「故障車あり」、というのを知らせないといけないので。
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あ〜。
あの「故障車あり」の表示はこうやって出るのか。 -
そこまでやってから、ロードサービスに救援依頼という流れですね。
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ハッ! 保険会社のロードサービスの電話番号なんて、覚えてない!!
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そういうのも、携帯電話に登録しておきましょう。……車で遠出する前にね。
エーモンの三角停止板(6640)
✔ 三角表示板は、50メートル以上後方に設置することになっている。しかしそこまで移動するのが危険な状況なら、ムリのない範囲で後方に設置する。
発炎筒は、だいたい助手席の足元にある。
✔ 発炎筒の着火方法
① 発炎筒のキャップをひねって抜く。
② 抜いたキャップ底をケースに差す(延長される)
③ 白キャップを抜いて、白キャップのすり薬をこすって着火。
✔ 電話ボックスの受話器を取れば、道路管制センターにつながる。
✔ 高速道路上は、1キロおきに非常電話が設置されているが、停車した付近になければ、携帯電話で道路緊急ダイヤル「#9910」に電話する。
✔ ロードサービスを待つ間、車内にいるのは絶対にNG。
✔ 道路外(ガードレールの外側)に避難して待つ。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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