通好みの電装カスタム
Pポジション信号の取り出し場所はどこ…?
Pポジション信号とは何か? どんなときに必要なのか・取り出しはどこからできるのか等を、CEPの電装品〈車速連動ロックキット〉を例に具体的に解説。なおPポジション信号が取り出せない車もあるが、その場合の代替案についても教わる。
Pポジション信号は取り出しできる車とできない車がある
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「車速連動ドアロックキットを取り付けるときの配線知識」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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Pポジション信号について、ここで補足解説しておきたいと思います。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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ニッチな信号線ですよね……そもそもPポジション信号を取り出す理由とは…?
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シフトレバーがPポジションに入ったことを検知するため、ですね。
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今回の〈車速連動ロックキット〉の取り付けにも、それが必要になるのね。
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〈車速連動ドアロック〉を例にすれば「シフトがPポジションに入ったらアンロックする」という目的のために、Pポジション信号を取ります。
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Pポジション信号線の取り出しが必要なときは、どこから取ればよいのでしょうか?
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一般的にはシフトレバー付近で取り出しするケースが多いです。
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インジケーターが付いていて、Pポジションのときに「P」が光ったりする車は、そこに信号が来ているから取りやすいのです。
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そっか。「P」のインジケーターは、当然ながらPポジションに連動しているから。
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ちょっと昔の「メーター側にPポジションのときに光るランプがある」車では、メーターの裏で取り出しできたりもします。
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なるほど、なるほど。Pポジション連動ランプの線から取り出すんだ。
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ただし、Pポジション信号は取れない車も多いです。
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ムムム……。
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取れない車にもパターンがあって「エンジンルーム側でしか取れない」車もあれば「全く取れない」車もあります。
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それは、新しい車では取りにくくなっている、ということ?
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そうでもなくて、傾向としては、最近の車ではまた取れるようになってきた、という流れです。
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ふーむ。
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ただ現行世代の車でも、シフトにインジケーターなどが付いていない車だと、取りにくくなっていますね。
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一概には言えないのね。
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同じ車でもガソリン車だとエンジンルーム内でしか取れず、ハイブリッドだったらハイブリッドコンピューターが車内にあるのでその付近から取れたり……みたいなパターンもあるし、ややこしいです。
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車種ごとにマチマチなんだ。
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なので他の電源や信号線のように「汎用的な取り出し場所を案内する」のは難しい線です。
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ふむ。ではどうやって探しましょう?
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〈車速連動ロックキット〉を取り付ける際には、コムエンタープライズの車種別配線情報などで調べて頂くのが現実的だと思います。
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しかし、そもそもPポジション信号が取れない車の場合は〈車速連動ロックキット〉などを取り付けるときに困ってしまいますね。
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その場合は、代替案を用意してあります。
シフトインジケーターにつながるコネクターの中に、Pポジション信号線が通っているパターン(※写真はRAV4)が定番。
コムエンタープライズ公式サイト「車種別適合・配線情報」→「車種を入力」→「製品名で車速ロックキットを選択」とたどっていく。※配線がまだ公開されていない車種の場合は、コムエンタープライズまで問い合わせを。
Pポジション信号が取り出しできない車の場合は…
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〈車速連動ロックキット〉に関して言えば、Pポジション信号が取り出しできない場合は、パーキングブレーキ(サイドブレーキ線)につなぎます。
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その場合は、Pポジション信号用の線にはなにもつながないでおくってこと?
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そうです。
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それでもいいのか。
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〈車速連動ロックキット〉の場合は、アンロックするタイミングのためにPポジション信号を取っています。
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フムフム。
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Pポジション信号につないでいなくても、パーキングブレーキ線につないでいれば、パーキングブレーキオンでアンロックされるので問題ないです。
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その意味では、Pポジション信号が必須とまではならないのね。
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Pポジション信号線とパーキングブレーキ線は「どちらで制御したいか?」の好みの問題ですから、必ずしも両方につなぐ必要はありません。
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「シフトをPポジションに入れる」と「パーキングブレーキをオンにする」は、ほぼ同じようなタイミングでの動作です。そのためどちらに連動しても、機能面ではほぼ同じになります。
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パーキング線も取れなかったらどうしよう…?
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パーキングブレーキ(サイドブレーキ)線はほとんどの車種で取れるので、その心配はまずいりません。
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電動パーキングブレーキでなくても?
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電動パーキングブレーキでも、ペダル式でも、レバー式のサイドブレーキでも、取れますね。
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そうなんだ。
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パーキングブレーキをかけた状態でアースされる線、というのは昔から共通してどの車種にもほぼあります。
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それなら「Pポジション信号が取れない場合の代替案」に、好都合ですね。
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パーキングブレーキ線はだいたいの車種でナビ裏を通っているので、見つけやすいというメリットもあります。
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なるほど。DIYで取り付ける人にとっては、Pポジション信号取り出しよりカンタンとも言える。
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最初からPポジション連動ではなく「取り出ししやすいから」を理由に、パーキングブレーキ連動を選ぶ方もいるかもしれません。
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そこは取り付け方にも自由度がある、ということですね。
※両方つないだ場合は、先に行われた動作が優先されて、その時点でアンロックする仕組み。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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