IG電源(イグニッション電源)を取るのに適したヒューズはどれ?
IG電源(イグニッション電源)をヒューズから取るなら、どのヒューズがおすすめなのか。IG電源が来ているヒューズでも電源取り出しに向かないものや、明確に避けるべきヒューズがあるので、ここでしっかりと覚えておこう。
IG電源(イグニッション電源)取り出しに向いているヒューズ
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以前「ACC電源を取るのに適したヒューズはどれ?」をやりましたが、今回はIG電源ヒューズバージョンです。
●レポーター:イルミちゃん
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IG電源(イグニッション電源)をヒューズから取る場合には、どのヒューズがいいのか、という話です。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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ACC電源ヒューズは意外と選択肢が少なかったけど、IG電源ヒューズならいっぱいあるんですよね?
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IG電源ヒューズ自体はそこそこあります。しかし、ECU(コンピューター)関連のヒューズが多いんですよ。
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あらま。
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ここでは30系ヴェルファイア前期を例にすると、「ECU-IG」表記のヒューズがたくさん出てきます。
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ECU関連のヒューズは、電装品の電源取り出しには使わないほうがいい、というのはいつも言っている通りです。
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では、それらはまとめて除外ですね。
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となるとIG電源ヒューズも選択肢はそんなに多くはないんですが、その中で一番取りやすいのかな、と思うのはワイパーのヒューズです。
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ワイパーのモーターを動かすには大きい電力が必要なので、独立したヒューズが存在していることが多いです。
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それなら分かりやすいし、他電装品への影響もない。
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そうですね。だいたいの車種で「フロントワイパー」「リアワイパー」などのヒューズが、独立して存在することが多いです。
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なるほど、なるほど。
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ウォッシャーのヒューズも狙い目ですね。
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ウオッシャーもそれなりに電力が必要で、独立したヒューズになっていることが多いです。
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ポンプを動かすための電気か。
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そのためワイパーやウォッシャーのIG電源ヒューズは、容量的にも大きめです。
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なるほど。
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それでいて、もしヒューズが飛んだ場合にも、気づきやすいし、大きな問題にもなりにくいですね。
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電源取り出しに適したヒューズの条件を満たしていますね~。
IG電源ヒューズ╱30系ヴェルファイア前期
ヒューズ名 | 容量 | 説明 |
---|---|---|
WIPER | 30A | フロントワイパー |
WIPER RR | 15A | リアワイパー |
WASHER | 15A | ウォッシャー |
BKUP LP | 10A | バックランプ |
S/HTR | 20A | シートヒーター |
SFT LOCK | 5A | シフトロック |
ECU-IG NO.1 | 10A | ECU関連 |
ECU-IG NO.2 | 7.5A | ECU関連 |
ECU-IG NO.3 | 10A | ECU関連 |
ECU-IG NO.4 | 5A | ECU関連 |
ECU-IG NO.5 | 5A | ECU関連 |
ECU-IG NO.6 | 5A | ECU関連 |
ECU-IG NO.7 | 5A | ECU関連 |
A/BAG-IG2 | 7.5A | エアバッグ |
バックランプのヒューズもIG電源だが、オススメとは言えない!?
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それから「メーターのヒューズ」も独立して存在している車種は多いですよ。
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メーターのヒューズもIG(イグニッション)電源なんですね。
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メーターの構造的には常時電源とIG電源の両方がいっていることが多いかと思いますが、ヒューズからIG電源が取れるケースも多いです。
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なるほど。
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それから、トヨタ系でいうと、「BKUP LP」というヒューズがあるんですが……
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BKUP? バックアップ?……ってなんの電源なんだ?
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「バックアップ」と読んでしまうと常時電源っぽい感じがしますが、これは「バックランプのヒューズ」なんですよ。
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あー。そうなんだ。紛らわしいパターン。
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そしてバックランプのヒューズは、IG電源なんです。
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ブレーキランプ(常時電源)とは違うんですね。エンジンオフだと光らないことになるのか。
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まあ、普通はエンジンをかけている状態でないとバックに入れないと思うので知らない人も多いと思いますが、IG電源が使われていますね。これは、けっこう昔の車からそうです。
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そうだったんですね~。
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ただバックランプは後ろ側で気づきにくいので、そういう意味ではあまりオススメとは言えません。
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あ、そっか。服部隊長の言うところの、電源取り出しに向いている条件を満たせていない。
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やはりワイパー、ウォッシャー関連のほうがいいんじゃないかと思います。
MT車で坂道に停車するときには、下り坂ならバックギアに入れた状態でエンジン停止しておいたりするが、この状態でバックランプが点灯しないのは、IG電源を使っているためなのだ。
仮にバックランプが常時電源だとしたらバッテリーが上がってしまうことになる。
エアバッグのヒューズはIG電源だが、使うのは避けるべき
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それから念のため言っておくと、IG電源ヒューズで絶対に触るのを避けたほうがいいのは、エアバッグのヒューズですね。
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これはもし飛んだら……エアバッグが作動しないことになる。
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しかも、飛んだことにも気づきませんよね。
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エアバッグが作動するべきときまで気づかない……これは怖い。
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そうです。電源取り出しに使うべきではないヒューズの、筆頭と言えますね。
ACC電源とIG電源では取り出すにあたってのリスクの違いもあります。そのあたりは、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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