DIYをラクにするアイテム
エーモンの電源分岐ハーネスの存在は知っておくと便利
電源の分配(分岐)を簡単&便利にするエーモンの「電源分岐ハーネス」。エーモンの端子類が新パッケージに置き換わったのを機に「Y型接続端子」の後継モデルとしてラインナップされたので、改めて存在をクローズアップ。
エーモンの電源分岐ハーネスとは?
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「エーモンの平型端子ラインナップ9種類の違いと選び方(後編)」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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各端子のラインナップについては、これまでに解説してきた通りですが……
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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ギボシ端子・クワ型端子・丸型端子・平型端子まで整理し終わりましたよ~。
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端子単体では前回までに出揃っていますけど……実は「仲間」がもう少しあります。
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む。まだあるのかね?
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エーモンには、最初から端子に配線コードが付いた状態のアイテムもありますので。
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最初から配線コードが付いている?
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例えば電源分岐ハーネスというものです。
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これは……ギボシ端子?
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なんですけど、最初から配線加工されています。
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オス端子の反対側に、メス端子が2つ付いていますね。
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これはつまり電源を分配させたいときに使う分岐コードですね。電源を受ける側がオスです。
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そういうことか。だから「電源分岐ハーネス」っていう名称なんだ。
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実はコレ、エーモンでは大昔から「Y型接続端子」の名称で販売されてきた、ロングセラーアイテムの後継モデルなんです。
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あー。Y型接続端子は分岐アイテムとして、けっこう使っている人が多いですよね。
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端子のラインナップが整理される中で「Y型接続端子」は廃盤になりましたが、「電源分岐ハーネス(3350)」を同じように使っていただけます。
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これ、DIYユーザー的には「自分で配線コードとギボシ端子を使って、作ったらいいやん」……と思うかもしれませんが、できそうでできないんですよ。
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そうですね。ひとつのギボシ端子に2本の配線を入れてかしめるのは、基本的にNGです。
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電源分岐ハーネスは機械で加工しているので、問題ありませんが。
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ようするに機械が圧着しているからOKだけど、人間の手ではマネできないという。
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そうですね。
エーモンの見解については「ギボシ端子に複数の配線を入れて、分岐に使ってもよいのか?」参照。
平型端子を用いた電源分岐ハーネスもある
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電源分岐ハーネスには、平型端子バージョンもあります。
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これは、どんな場面を想定したアイテムなんでしょう?
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使い方はギボシ端子タイプと同じなんですが、平型端子をメインに使う人向けになります。
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そういう人も少なからずいるよっていう話でしたね。
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使われているのは、250型の平型端子です。
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では、スイッチとかにもつなげて分岐できる?
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ただ、ギボシ端子タイプと同様に、電源を受ける側にはオス端子が付いているので、この電源分岐ハーネスを直接スイッチにつなぐことはできません。
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あ、そうか。スイッチ側もオス端子が付いているから。
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そうなんです。端子を付け替えれば別ですけど。
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そういう配線加工をやり出すと、ラクチンコードを使っているイミが半減しますね。
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ハイ。スイッチ後の配線をコレで分岐するなら「スイッチから別の配線コードでいったん延長してから、分岐する」カタチが自然ですね。
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配線の分岐方法はいろいろありますが、そのひとつに「電源分岐ハーネス」がある、ということは覚えておいて損はありません。
電源分岐ハーネスのメス端子側をスイッチ(250平型オス)につなぐことはできるが、その場合は、端子がムキ出しになっているオス側が車体金属に触れるとショートすることになるので、けっきょく端子を付け替えざるを得ない。
配線分岐にエレクトロタップを使うときは「選び方」に注意! これを間違うと「接触不良」が起こる。DIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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