タイヤメンテナンスDIY
エアゲージの選び方の基礎知識を、エーモン新作を例に学ぶ
エアゲージの選び方。エアゲージには「プロ仕様」をうたう高級モデルもあれば、コスパに優れたモデルもあるが、その違いは何なのか。ちょっとの基礎知識があれば、自分の使い方に合ったエアゲージを選べるようになる。
プロ仕様のエアゲージは、一般モデルと何が違うのか?
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「エーモン・エアゲージの精度が向上。エア漏れ防止機構も、要注目…!」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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今回は、エアゲージの選び方について初心者向きに解説していきます。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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前回は一番良いグレードをメインに解説しましたが、新作はそれだけではありません。
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エーモン・エアゲージには、「プレミアムグレード」「スタンダードグレード」「ライトグレード」と、3種類あります。
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「タイヤの空気圧を測る」目的なら、どれでも果たせますが、どう違うのでしょうか?
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「プレミアグレード」は、エアゲージに対してプロに近いことを求める人向きです。
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プロがエアゲージに求める要素といえば、やはり精度。
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そうですね。前回触れた通り、「プレミアム」だけは内部構造が他モデルとは異なり、ダイヤフラム式を採用しています。
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それによって測定の誤差が、±5kPa以内になった、という話でした。
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他のグレードは、従来通りブルドン管式を採用しており、誤差は±10kPa以内となっております。
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ブルドン管式より、ダイヤフラム式のほうが精度がいいよ~というのは、エアゲージを選ぶ上でのポイントですね。
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それからダイヤフラム式を採用するもうひとつのメリットが、耐衝撃性です。
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プロの現場のようにガシガシ使う想定だと、耐久性は重要。
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レンズ面も、割れにくいポリカーボネイト製です。
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フムフム。
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ちなみに専用ケースも、落下などの衝撃からエアゲージを守るハードケースになっています。
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スポンジの中に高級エアゲージを収納する「ニンマリ感」を味わうのが目的だと思っていたが……
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もちろん、そういうところも大切ですが、機能的な意味もあります。
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ここまで立派なケースが付いてくるのは、「プレミアム」だけですもんねぇ。
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そうですね。「スタンダード」はソフトケース、「ライトグレード」はポーチですから、ケースの違いは意外と大きいかと思います。
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開けるたびにワクワク感のある、「プレミアム」にしよっかなー?
スタンダードグレード
ライトグレード
精度以外の、エアゲージの選び方のポイントは?
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いっぽう、中間モデルにあたる「スタンダードグレード」は、スタンダードと言いながらも、日常メンテナンスだけでなくスポーツ走行に興味があるような人を想定して作ってます。
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見た目にもカッコいい感じがしますね。
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そうなんです。「スタンダード」はデザインには一番こだわっていて、見た目のカッコ良さも重視しています。
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「プレミアム」はデザインには凝ってないの?
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そういう意味ではありませんが、「プレミアム」はプロ仕様を意識しているので、デザインに凝るというよりは、見やすさを重視した盤面になっています。
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あー、確かに、盤面がシンプルなのは「プレミアム」のほうですね。
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目盛りも、「プレミアム」は5kPa刻みで細かいんです。
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なるほど。エアゲージの選び方として、「盤面の見やすさ」もポイントのようです。
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基本的には、盤面が大きいほうが視認性の面では有利ですね。
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3グレードを盤面サイズで比較すると……けっこう差があるのが分かります。
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それからホースの違いがあります。
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ふむふむ。
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ホース付きは「プレミアム」と「スタンダード」で、ホース無しが「ライト」です。
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そういう違いもあるか。
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なお、プレミアムになるとステンメッシュホースになっています。
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ホースひとつとっても、プレミアム。
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ちなみに従来のエーモン・エアゲージは、ホースが盤面の上側に付いていましたが、今回は見直しをして下側になりました。
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へー。
それって重要? -
エア測定時に、見やすくなったと思います。
プロ仕様は見やすさ重視
高級エアゲージと、ライトグレードの価格差は?
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こうして仕様面で比較していると、「ライトグレード」のエアゲージくんが可愛そうな展開になっておりますが……
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盤面は小さいし、ホース付いてないし、入れ物もポーチだし……。
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しかし、そのぶん、大幅にコストが下がっているので、値段がぜんぜん違いますよ。
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ハッ! そうだ!
なんだかんだいっても価格が重要だ。 -
実勢価格でいうと、「プレミアム」が1万円前後、「スタンダード」が3000円前後、「ライト」が1500円前後と思われます。
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はいッ!
私は「ライトグレード」に決定…! -
けっきょく値段だけで決める気ですね?
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だって、測定時にプシュっとならない「エア漏れ防止機構」は全グレードに付いているでしょ?
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ハイ。
そこは「ライト」でも付いています。 -
誤差も10kPa以内で、中間グレードと同等だし……
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そうですね。
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別に入れ物はポーチでいいし。
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最初と言っていることが全然違う……
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ライトグレードのコスパの高さは素晴らしい。
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実勢価格を聞いてから、態度が一変しているような気もしますが……
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……。
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まあ実際のところ、車の日常メンテナンスなら、ライトグレードのエアゲージでも十分ではありますね。
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というわけで、人それぞれな、エーモン・エアゲージの選び方でした。
プシュっと空気が漏れない機構は共通
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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