タイヤメンテナンスDIY
エーモン・エアゲージの精度が向上。エア漏れ防止機構も、要注目…!
全国のカー用品店で買える超定番アイテム・エーモンのエアゲージがリニューアルしたニュースの続き。まずは新型のエーモンエアゲージの精度について解説。そして新たなポイントは「エア漏れ防止機構」(特許取得)。エアゲージを挿し込むときに「プシュ」っといわない…?
所有欲をくすぐるエーモン・エアゲージ・プレミアムグレード
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「エーモンが車のタイヤメンテナンス用品を一挙リニューアル…!」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回、エーモン・エアゲージが35年ぶりにフルモデルチェンジしたことをお伝えしましたが……
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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何がどう変わったのでしょうか?
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今回、新作となるエアゲージには、3つのグレードを用意しました。
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フムフム。
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「プレミアムグレード」「スタンダードグレード」「ライトグレード」という3つのモデルがあります。
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最上級グレードがプレミアムってことね。
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そうです。
まずはそこから解説していきましょう。 -
なんか箱がデッカイ!
一体何が入っているの? -
…あ、いや、ですから、エアゲージですが……
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エアゲージにしては、ずいぶんとパッケージが大きい気がしますけど?
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収納ケースにもこだわりましたからね。
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エアゲージ専用のケースが付いているのか……。
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開けると、このようにエアゲージが収納されております。
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ふおぉ。
なんか高級品っぽいぞ! -
ただの工具・道具ではなく、手にした瞬間に「イイモノを買ったよね~」という満足感を感じてもらえるようなエアゲージを作りました。
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これは所有欲をくすぐられるエアゲージですね。
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もちろん見た目やケースだけでなく、性能面でも、プロレベルを求める人向きのモデルになっています。
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DIYツールというより「プロが使う」雰囲気のエアゲージ。具体的には、何がどうプロレベルなのか?
エアゲージのダイヤフラム方式とブルドン管式の違い
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エアゲージに求められる性能の中で、特に重要なものは何でしょうか?
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そりゃあ、やっぱり精度でしょうね。
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そうですよね。
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いくらマジメに空気圧チェックをしていても、そもそもエアゲージの誤差が大きかったら、意味がない。
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そのエアゲージの精度を考える上で重要なのが、まず内部構造なんですよ。
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ほう。
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エアゲージは、タイヤに入っている空気をゲージ内に取り込んで、その「圧」を測って針で表示します。
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それでタイヤの空気圧がわかる。
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で、そのときの方式がいくつか存在しているんですね。
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フムフム。
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新型のエーモン・エアゲージには3グレードあると言いましたが、実は一番上の「プレミアムグレード」だけ、内部構造が違うんです。
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ほー。
どう違うのでしょうか? -
「プレミアムグレード」ではダイヤフラム方式を採用しています。
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ダイヤフラム式……?
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ちなみに他の2種類のグレードでは、従来と同じブルドン管式というのを採用しています。
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どっちも聞き慣れない専門用語ですけど、どう違うの?
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ブルドン管方式をカンタンに説明すると、中にバネみたいなものがあるんですよ。
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フムフム。
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空気が入ると、バネが外側に広がろうとする。バネが伸びることで中で噛んでいるギアが動き、そのギアが動いたぶん、針が動く……そのような仕組みです。
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バネとギア……なんだ。
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いっぽうで、ダイヤフラム式は、ギアを使っていません。ダイヤフラム式は金属膜みたいものを使っています。
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金属膜???
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エアが入ると、金属膜が膨らむ。その動きをらせん状のコイルのような部品が変換して、針を動かすんです。
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……なんか難しい話ですけど、ダイヤフラム式のメリットとは?
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ギアを使っていないので正確に測れるし、落としたときの衝撃にも強いんです。
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つまり高精度なエアゲージを作るなら、ダイヤフラム式がいいってことなんだ。
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エアゲージとしての理想は、ダイヤフラム式の採用ではあります。しかし、コストがかかります。
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だから、エーモン・エアゲージの最上級グレードは、そのダイヤフラム式にしたってことなのね。
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その結果、精度的には「超高精度」なクラスになり、誤差は±5kPa以内です。
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それって、ブルドン管式を採用した、他グレードとどの位違うんでしょう?
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「スタンダードグレード」や「ライトグレード」の場合は、誤差±10kPaとなっています。
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なるほど、なるほど。
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ちなみに、全モデルとも最大測定値は500kPaなので、誤差はプレミアムで±1%以内、他グレードで±2%以内ということになります。
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空気圧がシビアに問われる場面でも、全く問題ないレベルに収まっている。
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それから、もうひとつ注目してほしい新機能があります。
参考までに、昔からある定番のエーモン・エアゲージもブルドン管式。
測定時にプシュっと空気が漏れない特許技術
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使い勝手の面で違いを実感していただけるのが、「エア漏れ防止機構」です。
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何ですかそれ?
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一般的なエアゲージですと、エア測定時にエアゲージを挿し込む場面で、プシュっと空気が漏れますよね。
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あ!
そういえば。 -
気にする人は、これを気にするのです。
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いちいち「プシュ」っとなるのは、言われてみると気になるかも。
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ですよね。
空気圧を測定するたびに、微妙に空気が漏れるので。 -
それほど大きな問題ではないんでしょうけど、漏れないに越したことはない……。
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新型のエーモン・エアゲージは、測定時にエアが漏れません。
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おお。挿し込むときに「プシュ」ってならない! これはイイ!
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新開発の口金構造でエア漏れを防止しているんです。
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へー!
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なお、この技術は特許も取得しています。(※特許第6081644号 取得)
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よくある「特許出願中」ではなくて、すでに取得しているんだ。
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ハイ。この機能は「プレミアム」「スタンダード」「ライト」の全グレードで採用しています。
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プレミアムだけじゃないのか。
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そうなんですよ。
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だとすると「スタンダード」「ライト」でも良い気がしてきますが……精度以外に、3グレードの違いはあるのでしょうか?
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どれがベストかは使う人によりますね。次回はエーモン・エアゲージの選び方について解説しましょう。
新型のエーモンエアゲージでの、エア測定シーン。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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