車を便利にする電装DIY
シガープラグの修理(交換)はDIYでできる。入れるヒューズは何アンペア?
ショックなことだが、シガープラグはわりと壊れやすい。しかし電化製品そのものが無事ならば、シガープラグはDIYで修理が可能。押さえるべき注意点から、入れるヒューズのアンペア数まで、シガープラグの修理(交換)方法を解説する。
車用電化製品のシガープラグはわりと壊れやすい
-
車用の、DC12V電化製品の配線コードには「シガーソケットから電源を取るためのシガープラグ」が付いていることが多いです。
●レポーター:イルミちゃん
-
しかし、これが壊れることは、けっこうよくあります。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
-
なぜ!?
どうして? -
シガーソケットに対して頻繁に抜き差しを行うから、内部で接点が離れてしまったり。そのような故障確率も意外と高いんですよ。
-
そういうことね。
-
そんなときは、シガープラグだけを交換することができますよ。
-
ほお。それで修理になるってことか。
-
「車用の電源プラグ(シガープラグ)の選び方」をやったときに、最後に登場した組み立て式の電源プラグがまさにそういう用途にピッタリです。
-
なんでわざわざ組み立て式の電源プラグがあるのかと思ったら、そういう需要があるからか。
-
これ以外のモデルはすべて配線コード付きになっていますが、車用電化製品のシガープラグを修理するのが目的なら、配線コードはかえってジャマですので。
-
なるほど。では、元々付いていたシガープラグは、切断してしまって……
-
切りっぱなしの状態の配線コードに対して、新しくエーモンの電源プラグを付け直せばいいんだ。
-
そういうことですね。内部の端子に対して、配線をハンダ付けする作業は必要になりますが。
-
それでは、実際にやってみましょう。
エーモンの電源プラグ・組み立て式(1539)
パチン
シガープラグの修理(交換)方法
-
以上を踏まえて、プラス線とマイナス線を判別できてから、壊れたシガープラグを切断しましょう。
-
ここからはエーモンの電源プラグ(1539)の取り付け方法です。まず最初に、配線コードに付属のブッシュを通しておきます。
-
これはなに?
-
配線の保護目的のパーツですね。
-
なるほど。
-
そのあと、配線コードをプラス線とマイナス線に分けて、電工ペンチで被覆を剥きます。
-
芯線を露出させる量は5ミリ前後が目安です。
-
剥いたらよじって、まとめます。
-
続いてまずプラス線を、バネのような部品(※電源ソケットのプラス端子)にハンダ付けします。
-
配線がハンダ付けできたら、端子のバネを縮めながら、電源プラグのケース内の枠に押し込むようにセットします。
-
そして、星型の金属部品(※電源ソケットのマイナス端子)に、マイナス線をハンダ付けします。
-
星型の端子も、電源プラグのケースにセットします。
-
シガープラグは真ん中がプラスで、周囲の金属がアース(マイナス)なので、こういう構造になっています。
-
あとはケースの反対側でフタをして……おしまい!
-
ではなく、最後に、先端側からヒューズを入れます。
-
あ、ヒューズを忘れていたな。
先に言ってくださいよ。 -
……。
ところで、壊れたシガープラグを切り落とす前に、注意点もあります
シガープラグにつながる配線コードは、1本に見えてもプラス線とマイナス線がある。 どっちがプラス線でどっちがマイナス線なのか分かっていないと、エーモンの電源プラグを付ける段階になって困る。
通常は色付き配線がプラスで、黒がアース(マイナス)線であることが多い。しかしちゃんと確認するという意味では、シガーソケットにシガープラグをつなげた状態でACCオン(車種によってはIGオン)にし、検電テスターで調べるが、この作業自体に注意が必要。検電テスターを刺したときに、両方の線に触れてしまうとショートするからだ。
※詳しくは、「駐車監視機能を、手持ちのドライブレコーダーに後付けする方法(後編)」参照。
配線コードを付ける向きに注意。この写真の通り(↑)でないと、収めるときに困る。
この場面、ハンダごての熱が逃げてしまって付けにくいので、まずしっかり熱をかけて、予備ハンダを盛るとよい。
星型の端子に対して、横方向から付ける。
シガープラグの中に入れるヒューズは何アンペア?
-
なおエーモンの電源プラグの中に入れるヒューズは、小型のミニ管ヒューズです。
-
シガープラグのヒューズって、何アンペアを入れればいいんだろう?
-
そこは、シガープラグの先につながっている電化製品によりけりですが……電源ソケットの最大容量としては6アンペアです。
-
つまり、ヒューズも最大6アンペア。
-
ただ、ミニ管ヒューズに6アンペアがないので、実質的には最大5アンペアですね。
-
なるほど。
-
しかし、電装品が1アンペア未満しか流れないようなものなら、ヒューズは1アンペアのほうがいいですね。
-
そのあたりは、シガープラグを交換修理している電化製品次第ってことですね。
-
最後に、先端のキャップを手回しで付けます。
-
これでシガープラグ(電源プラグ)の取り付け完了~♪
-
車用の12V電化製品のシガープラグが壊れたときは、こうやって修理できますよ。
✔ ヒューズにもいろいろな種類がある。詳しくは「車のヒューズの種類。平型、ミニ平型、低背の違い」参照。
エーモンのミニ管ヒューズ・5アンペア(2849)
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
関連記事
- 車用の電源プラグ(シガープラグ)の選び方
- シガーソケットからプラグで電源を取り出す方法
- シガーソケットからの電源取り出し。何アンペアまで?
- シガーソケットのヒューズはどこ? 切れたヒューズの見分け方
- 増設用シガーソケット(電源ソケット)の選び方
- シガーソケット(アクセサリーソケット)を増設する方法
- シガーソケットを「裏」に増設する方法
- シガーソケットの増設方法╱エンジン停止時も電源が取れる!
- シガーソケット(電源ソケット)をバッテリーに直結する方法
- シガーソケットの延長コードは、好きな長さでカンタンに自作できる
- シガーソケットをタコ足配線(分岐)で増やしてもいいの?
- シガーソケット増設時は「容量オーバー」に注意
- 増設用シガーソケットの電源を、ヒューズから取るときの注意点
- 車のシガーソケットが足りない時に有効な「電源裏取り」
- シガーソケット裏から、分岐でIG電源/ACC電源を取り出す方法
- ドライブレコーダー取り付け方法。配線を隠すプロの付け方