電装DIYの知識
シガーソケットのヒューズはどこ? 切れたヒューズの見分け方。
「シガーソケットのヒューズを飛ばしたかも?」という時、ヒューズ交換をしようと思っても、切れたヒューズがどこにあるのか分からないことは多々ある。ヒューズボックスにたくさん並ぶヒューズの中から、切れたヒューズを探す方法を学ぶ。
切れたヒューズの見分け方。抜けば目視で分かるのだが…
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「ヒューズが切れたら(飛ばしたら)、ヒューズを交換する」のは当たり前の話なのですが……
●レポーター:イルミちゃん
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ヒューズ交換方法なら、前に解説した通りです。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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しかし、そもそも、切れたヒューズがどこにあるのか、分からないことってありますよね?
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ああ。ヒューズボックスの位置なら取説にも書いてありますよ〜。
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……あ、いや。
そういう意味じゃなくて。 -
?
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ヒューズボックスには、ヒューズがたくさん並んでいるわけですよ。
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例えば「シガーソケットのヒューズを飛ばしたっぽい」と自分で分かっていたとしても、どれがシガーソケットのヒューズか判別できなかったら、交換のしようがない。
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あー、なるほど。
そういう質問ですね。 -
今日は、そこのところを教わりたいのです。
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つまり、「切れたヒューズの探し方、見分け方」ということですね。
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そうです、そうです。
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まず、「原因がシガーソケットっぽい」と分かっているなら、シガーソケットのヒューズを抜いてみればいいのですが……
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でも、シガーソケットのヒューズってどれ? ヒューズには数字しか書いてありません。
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どのヒューズがなんのヒューズかは、取扱説明書(※)か、ヒューズボックス周辺(フタなど)に記載がありますよ〜。
※説明書に記載のない車種、というのも存在する。
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って、よくそう言いますけど……
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例えばこれ。C26セレナのヒューズボックスなんですが、こんな風に書いてあります(↓)
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ええっと、シガーソケットってどこに……!?
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「電源ソケット」……と書いてあるのがソレですね。15アンペアのヒューズが使われているようです。
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あー、なるほど。
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記載の仕方は、メーカーや車両によって違うんですけどね。これは分かりやすい例です。
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そこですよ、中塚研究員!
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ん?
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「シガーソケット」とか「電源ソケット」とか、こんなふうにハッキリ分かりやすく書いてあればいいんですけど、そもそも記載があいまいな車種もあります。
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……確かに。ハッキリと「コレがシガーソケットのヒューズである」とまでは分からないこともありますね。
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シガーソケットなら書いてあることが多いとしても、もっとマニアックなヒューズを飛ばした場合は、それが「どこ」にあるのか、分からないケースは多々あります。
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ふーむ。なるほど。……抜いてみれば分かるんですけどね。
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まあ、この方法なら、いずれ切れたヒューズに当たるんでしょうけれど。
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けれど?
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ヒューズはたくさんあるのに、片っ端から全部抜いて見ろ……というのは無理あるっていうか。
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その場合は、取説やフタの情報を見ながら、「怪しそうなヒューズ」から順番に抜いて見ればいいんですよ。
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と言いますと?
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例えばシガーソケット(電源ソケット)は、ACCオンとかIGオンのタイミングで使用可能になる電装品です。
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フムフム。
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だから、もしもシガーソケットや電源ソケットという名称でなかったとしたら、「ACC」(アクセサリー電源の略)や「IG」(イグニッション電源の略)といった記載のヒューズは怪しい。
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あー、なるほど。
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この場合はブレーキランプや、ECUなどは明らかに無関係ですから、片っ端から抜く必要はない。「関係ありそうなヒューズ」に絞り込んで抜いていけば、そのうち切れたヒューズが見つかると思います。
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……しかし、抜くの面倒くさいなァ。
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……あくまでもからんでくる気ですね。いいでしょう。抜かない判別方法もあります。
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お?
ヒューズをラジオペンチで抜けば…
切れていることは目視でも分かる
注意:ヒューズを抜くときは、必ずエンジンを切っておく
ヒューズを抜かずに切れたヒューズを見分ける方法
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今回は、「シガーソケットのヒューズを飛ばしたかも?」という想定でいきます。
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はい。
一番よくあるパターンです。 -
で、さきほど言った通り、車のシガーソケットは、車種によりますがACCオンあるいはIGオンのタイミングで、電源が入ります。
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そうでしたね。
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自分の車のシガーソケットがどの段階で使用可能になるかは、電装品をつなげて、ACCオン→IGオンと段階的に試せば分かります。
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というわけで、ここではまずACCオン(それでダメならIGオン)の状態にします。
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この状態で、常時電源ヒューズおよび、ACC電源ヒューズまでは通電している状態となりました。
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検電テスターを用意します。これは、安いモデルで十分ですよ。
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なにをする気なんでしょうか?
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ヒューズには、両端に金属部分が付いています。
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で、通電しているヒューズを調べるときに、この金属に検電テスターを当てますが……
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このとき、2箇所のうちどっちに検電テスターを当てても反応するんです。
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フムフム。
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もし金属部分の片側しかテスターが反応しないとしたら、そのヒューズは切れているってことです。
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おお!
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ちなみに両方とも反応しないヒューズは、そもそも通電していない状態だと思われますのでスルーします。
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今はACC電源オンの状態とすると、IG電源ヒューズなどは反応しないはずですね。
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そうです。
つまり、こういうことです。 -
これならヒューズを抜かなくても、切れているヒューズを発見できるんだ。
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そうなんですが。
う〜ん、でもなァ。 -
……あれ?
なんか煮え切らない態度ですね。 -
けっきょく1個のヒューズに対して、検電テスターで2箇所ずつ突いていかないといけないので、手間はかかりますよ……。
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……そっか。抜かないでいいのはメリットですが。
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抜いたほうが早いような気もします。
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……アハハ。まあ、こんな方法もあるよ、ということで。
例えば、ACCオンでUSB充電器が使用可能になるなら、ACC連動型。
スタートボタン一回押し
✔ ひとくちメモ
シガーソケットがIGオンの段階で使用可能になる車種の場合は、IGオンの状態にする。
エーモンの検電テスター(A49)
ヒューズのアップ
片方の金属が反応しない!
検電テスターで、切れたヒューズを見分ける
金属の両方とも反応する | 正常なヒューズ |
---|---|
金属の両方とも反応なし | 通電していないヒューズ |
金属の片方しか反応しない | 切れているヒューズ |
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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